DX化にコンサルは必要?依頼時の注意点や導入手順など詳しく解説!
2024.06.14
DX化は企業の競争力を高め、ビジョン達成の鍵となる戦略です。しかし、高度なITリテラシーが必要なため、自社だけで促進するのは困難なケースが多く、DX化に成功していない企業も少なくありません。そんなときに活躍するのがDX化のコンサルです。
本記事ではDX化のコンサルの重要性や選び方、導入した成功事例などについてを詳しく解説します。DX化を成功させるためのポイントも紹介するので、参考にしてください。
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DX化のコンサルとは?
DX化のコンサルとは、デジタル技術を活用してビジネスや組織を変革し、競争力を上げるための戦略立案や実行支援を行うことです。
DXコンサルの仕事内容や、よく比較されるITコンサルとの違いがわからないと、依頼を踏みとどまる方もいるでしょう。まずは、DXコンサルの仕事内容やITコンサルとの違いについて解説します。
DXコンサルの仕事内容
DXコンサルの仕事内容は、顧客となる企業のDX化を促進し業務改善や競争力強化の支援を行うことです。具体的には現状の課題を分析し、顧客のビジョンや目標達成に至るまでのDX化戦略を策定・実行します。
実際にDX化を進める段階で最初に行うのは、業務プロセスの再設計です。そのうえで新しい業務プロセスに最適なITシステム導入の支援を行います。
また、コンサル終了後に顧客が自走できる環境を構築するため、コンサルティング会社によってはIT人材の教育も行います。
DXコンサルとITコンサルの違いは?
どちらも顧客企業にITシステムの導入支援を行いますが、DXコンサルとITコンサルではコンサル範囲が異なります。
ITコンサルは、ITシステムの導入や最適化をコンサル範囲とし、IT技術に関する課題解決やサポートに焦点を当てます。
一方、DXコンサルの場合はITシステム導入後や企業の「ミッション・ビジョン・バリュー」を見据えてコンサルを提供します。ミッション・ビジョン・バリューとは、企業の方向性や成長戦略の羅針盤となる考え方のことです。
DX化の先の成長戦略や組織文化の変革までをコンサル範囲とし、ITコンサルより深く内部まで入り込んだコンサルが可能です。
DXコンサルとは、どういうものなのか主な仕事内容や需要が高まっている背景、依頼するメリットなど詳しくは下記記事も参考にしてみてください。
DX化のコンサルが必要な3つの理由
DX化は専門的な知識やスキルが必要なため、社内リソースだけで達成できる会社は多くありません。
コンサルの強みは「第3者の目をもっていること」「DX化に関する専門的かつ最新の知識をもっていること」の2点です。この強みを適切に活用できれば、より速く効率的にDX化の恩恵を受けられるようになります。
続いて、DX化のコンサルが必要な以下3つの理由について解説します。
- DX化の専門家の知見を活かせるから
- 効率的に人材育成できるから
- 社内バイアスにとらわれない判断ができるから
①DX化の専門家の知見を活かせるから
DX化の専門家であるコンサルには、以下の知見が備わっています。
- 最適なITシステムの選定および導入
- 無駄を省いた業務プロセスの設計
- 最適なデータの収集・解析・活用
- 組織改革のマネジメント
- セキュリティや法規制面でのリスク管理
上記の知見を活かすことによって、無駄のないDX化推進が可能です。
また、DX化のコンサルは、最先端のIT技術にも精通しています。例えば、人工知能(AI)やクラウド技術の活用による業務効率化、ビッグデータの解析・活用など、IT業界のトレンドにもいち早く触れています。
DX化の流れに取り残されないようにしたい企業にとって、コンサルの知見は非常に役立ちます。
②効率的に人材育成できるから
DX化のプロであるコンサルから教育を受けることによって、顧客企業は全社的なITスキルの向上が期待できます。
また、コンサル期間終了後に自走できるようにするには、社内人材のITスキル向上が欠かせません。ITスキルが向上すれば、今後どんなIT人材が自社に必要なのかも把握できます。IT人材の採用や定着といった、人事面での効果も得られるでしょう。
なお、DX化のコンサルが顧客企業のIT人材育成を行う際には、以下のアプローチを用います。
- 顧客企業の現状や目標に合わせた教育プログラムの設計
- 実際のDX化プロジェクトに共同参加のうえ、技術的なトレーニングを実施
- 問題解決能力などのソフト面も含めた研修の実施 など
③社内バイアスにとらわれない判断ができるから
DX化のコンサルは、社内にいると気がつきにくい不必要な慣習や人事上のしがらみなどにとらわれない思考をもっているため、より横断的な判断が可能です。
ただし、コンサルへの信頼度が低い段階で大きな改変を行うと、社内から不満の声が上がる可能性もあります。
生産効率の低下や離職に繋がるおそれがあり、混乱を防止するためにも、コンサルと社内の橋渡し役となる担当者を設置すると良いでしょう。担当者の設置については、次章「DX化のコンサルを依頼する際の3つの注意点」で詳しく解説します。
DX化のコンサルを依頼する際の3つの注意点
DX化のコンサルを依頼する際のメリットを解説しましたが、注意が必要なポイントもあります。以下3つの注意点を詳しく解説します。
- コンサルと社内を橋渡しできる担当者を設置する
- コンサルへの丸投げ・頼り過ぎはNG
- 得たい成果を明確にしたうえで依頼する
①コンサルと社内を橋渡しできる担当者を設置する
前述した通り、コンサルは社内の慣習やしがらみにとらわれない判断ができます。
ただし、最初から大規模な変革を実行したり社内の声を反映せずDX化を促進したりすると、社内から反発が生じる可能性があります。コンサルが社員一人一人や経営陣、株主と直接やりとりすることは現実的には難しいため、コンサルとの窓口となるDX化担当者を設置すると良いでしょう。
また、全てを担当者に丸投げするのではなく、責任者や経営陣も巻き込んで、全社一体となってDX化を進めていくことが大切です。
②コンサルへの丸投げ・頼りすぎはNG
「コンサルへ依頼する=成果が得られる」ではないことを念頭に置いておきましょう。理由は以下のとおりです。
- 顧客企業側のDX化への理解が不十分だと、変革が受け入れられにくくなる
- コンサルとのコミュニケーションが不足すると、方向性のズレや戦略のミスマッチに繋がる
- 顧客企業側に十分な人的リソースがないと、計画の実行が困難になる など
また、コンサルに頼り過ぎてしまうと社内にノウハウが蓄積されないため、自社では何もできない事態に陥ります。つまり、延々とコンサル費用を払い続けることになってしまいランニングコストが膨大になります。
特にDX化の目標策定のような経営の根幹に関わる部分は、経営陣も巻き込んでハンドリングしていくことが重要です。
③得たい成果を明確にしたうえで依頼する
DX化の目標はコンサルと共同で策定できるものの、依頼前に自社内でも得たい成果を明確にしておきましょう。
成果のイメージがぼんやりしていると十分な効果が得られず、思い描いていた未来とは異なる結果に着地する可能性があります。
コンサル依頼中でも成果は定量的に把握できるようにし、定期的に社内で進捗確認を行いましょう。
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DX化のコンサルティング会社を選ぶ3つのポイント
DX化を効率的に進めて、最短で競争力強化や業務効率化などの成果を得るためには、自社に合ったコンサルティング会社を選ぶことが非常に大切です。
どのような点に留意して選ぶと良いのか、以下3つの観点から解説します。
- コンサル会社の強みが自社のニーズと合っているか?
- 十分な実績・実力があるか?
- 費用は適正か?
①コンサルティング会社の強みが自社のニーズと合っているか?
ひとくちにDX化のコンサルティング会社といっても、得意領域は各社によって異なります。コンサルティング会社の得意領域は、以下2つに大別されます。
- プロダクトの開発:ITサービスやアプリどをユーザーの反応を検証しながら生みだす
- 基幹システムの開発:生産管理や財務などの主要業務を行うためのITシステムを設計する
新しいサービスを開発して売上拡大に繋げていきたいなら、プロダクト開発が得意なコンサルティング会社を選ぶと良いでしょう。業務改善が課題であるならば、基幹システムの開発が得意なコンサルティング会社がニーズに合っています。
自社の課題や目標と相性の良いコンサルティング会社を選べば、よりDX化の効果が得られやすくなります。
②十分な実績・実力があるか?
コンサルティング会社の実績が豊富かどうかを事前に確認しましょう。なぜなら、自社の現状に近い企業の実績が多数あると、安心してコンサルを依頼できるためです。
また、担当コンサルタントの実力も依頼前の商談時に見極めましょう。
「自社からの質問に納得できる答えを返せない」、「横文字や専門用語を多用して会話が理解しづらい」、「高圧的でコミュニケーションが取りづらい」などの特徴があるコンサルタントとは、契約しないことをおすすめします。
③コンサル費用は適正か?
コンサル費用が適正かどうかも必ず確認したいポイントです。
いくらかかるのか検討がつかない場合は、必要以上に報酬を支払わないためにも、事前に相場を確認しましょう。
コンサル費用の相場や費用を抑える方法などについては、以下の記事で解説しています。ぜひこちらの記事も参考にしてください。
DX化コンサルの導入手順
導入手順をあらかじめ理解しておくと、コンサルを依頼する際にスムーズに商談や打ち合わせが進められます。
コンサル依頼からDX化の成功に至るまでの具体的なステップは、以下5段階に分けられます。
- 目標策定
- 課題分析
- 実行プラン作成
- 業務設計およびシステム構築
- 運用しながらPDCA管理
各ステップを詳しく解説します。
①目標策定
コンサルに丸投げしないためにも、まずはDX化の目標を策定します。
事前に社内で目標を決めたうえで、コンサルとも策定・共有すると良いでしょう。
ビジョンの達成のような経営の根幹に関わる場合は、目標策定の段階で経営陣との認識共有もしておきます。
また、達成度を計測できるようなるべく数値化した目標を設定しましょう。
②課題分析
次に策定した目標に対して、自社がどの地点にいるのかを把握します。
コンサルの第3者目線も取り入れながら、業務プロセス上非効率になっている部分を洗い出しましょう。この際、事業部門のマネージャー層も巻き込むと認識の共有が進み、今後のDX化促進が楽になります。
③実行プラン作成
目標策定と課題分析が終了したら、実行プランを作成します。最初から全社横断的に促進すると反発が生じるおそれもあるため、短期間で成果を感じやすいものから取り組むと良いでしょう。
例えば、ペーパーレス化や会議開催ルールの変更などです。効率化を望む人が多く損失が出にくいものから取り組むと、その後の社内合意を得やすくなります。
④業務設計およびシステム構築
実行プランに沿って業務プロセスを改善し、ITシステムを構築します。自社に合ったシステムになるよう、コンサルと社内担当者で緊密に連携して業務を進めます。
また、DX化を進める際は意思決定を迅速に行えるほか予算確保がしやすくなるため、決済権限のある人も随時巻き込むと良いでしょう。
⑤運用しながらPDCA管理
システムが完成したら、実際の業務の中で運用しながら不備や抜け漏れに対処します。ある程度業務が回るようになったら、当初の目標値に対する達成度を測定し、次のDX化に着手します。
DX化コンサルを導入した成功事例
ここからは、弊社リベロエンジニアのコンサル部門で、実際にDX化に成功した事例の一部を紹介します。
DX化コンサルを依頼すると、どのような成果を得られるのか具体的なイメージに繋げてみてください。
【製造業】システムの全容を把握できるように!
歴史のある製造業では、以下の要因からシステムの全容が把握できなくなる事態が起こりがちです。
- レガシーシステム(古くから使用されているシステム)が、のちに導入された新システムと統合できていない
- 多種多様なシステムが導入されており連携できていない
- 業務が属人化しており、担当者が離職したのちにシステムについてわかる人がいない など
DX化のコンサルは、上記のような複雑化したシステムの全容を把握する際にも役立ちます。コンサル提供後はシステムの全容が把握できるようになり、実際に運用する際に問題が起こりやすい箇所を指差し確認できるようになりました。
【製造業】月300時間以上の業務削減に成功!
製造現場の業務改善のコンサルを実施したところ、業務プロセスの効率化によって月300時間以上の業務削減に成功しました。現場の負担も減ったため、人件費の削減にも繋がっています。
リベロエンジニアでは少数精鋭でコンサルを行っています。コンサル費用も大手コンサルティング会社と比較して低く抑えられているため、総合的に費用バランスの良いコンサル提供が可能です。
製造業におけるDX化を成功させるための手順やポイントは、以下の記事で詳しく解説してるので、ぜひ参考にしてください。
【サービス業】新規顧客増加に繋がった集客支援
DX化のコンサルの知見は、Web集客にも活用することが可能です。
Web集客は、多種多様な手法やツールが開発されています。効率化や集客効果アップのためにさまざまなチャネルを活用すると、集客導線が複雑化してしまう場合があります。
また、トレンドの移り変わりが激しいため、数年前には有効だった手法が時代遅れのまま取り残されることも珍しくありません。本顧客企業においては、Web集客の効率化を支援することで、新規顧客の増加に繋がりました。
おすすめのDX化コンサルティング会社5選
コンサルティング会社によって強みや特徴が異なるため、課題や目的に合った会社に依頼することが大切です。自社に合ったコンサルティング会社に依頼できれば、DX化促進がスムーズになり、目標やビジョンの達成に繋がりやすくなります。
最後に、おすすめのコンサルティング会社を5つ紹介します。
マッキンゼー・アンド・カンパニージャパン
アメリカに本社を置くマッキンゼー・アンド・カンパニージャパンは、経営戦略の立案を強みとし、大規模なプロジェクトの推進や組織改革の実績が多くあります。AIやloTなどの新技術導入にも積極的に取り組んでおり、グローバルな視点でのコンサルが可能です。
マッキンゼー・アンド・カンパニージャパンは、大規模なDX化を促進したい企業や、新技術の導入によってイノベーションを起こしたい企業に最適です。
アクセンチュア
アクセンチュアには、クラウドやAI、loTなどの最新のテクノロジーに精通したコンサルタントが多数在籍しています。コンサルから運用まで一気貫通でサポートできる体制が強みです。
また、大企業であるアクセンチュアには、さまざまなスキルや経験をもつ人材が集まっています。デザイナーやサイエンティストなどの専門家もプロジェクトにアサイン可能です。
アクセンチュアは最新のITシステム導入を検討していて、コンサルから導入・運用まで支援が必要な企業におすすめです。
リベロエンジニア
デジタルイノベーション企業として、エンジニア派遣や受託開発を行っているリベロエンジニアでは、豊富なシステム開発実績を活かしたコンサルを提供しています。
ITシステム開発を自社で行えるため、スピーディーかつ開発コストを抑えたDX化推進が可能です。実際にITシステムを使う人や利用する状況に合わせたオーダーメイド型のITシステム導入に強みがあります。
リベロエンジニアは以下の企業におすすめです。
- いきなり大型のITシステムを導入するのはコスト面で心配
- パッケージ型のITシステムは自社には合わないと感じている
- 小規模なITシステムを少しずつ導入して、コンサルと二人三脚で臨機応変に仕上げていきたい
- スピーディーにDX化を進めたい
リベロエンジニアの強みや顧客への関わり方については、以下で詳しく紹介しています。「うちの課題解決に良さそう」と感じられた方は、ぜひ一度ご覧ください。
NTTデータ
NTTデータは、システムインテグレーションの分野において多数の実績があります。システムインテグレーションとは、コンサルからシステム開発、システムの保守・運営までを総合的に提供することです。
政府機関や公共のセクター向けにも多数のコンサル実績があり、顧客企業の描く未来像を伴走型で実現できる強みがあります。NTTデータは、DX化を通して自社のミッション・ビジョン・バリューの達成を目指したい、伴走型のコンサルティング会社に依頼したいと考えている企業におすすめです。
モンスターラボ
モンスターラボは、アプリケーションのデザインや開発事業を展開しているほか、DX化のコンサルも提供しています。2006年に日本で創業以降、高い技術力を武器に海外にも事業展開しており、グローバルな視点を活かしたコンサルが可能です。
使いやすいアプリの開発や、ITシステムを使った新サービスの開発を目指している企業はモンスターラボへの依頼を検討すると良いでしょう。
DX化コンサルの力を活用して業務効率化と競争力UPを目指そう!
DX化は、適切な手法で推進すれば業務効率化や業界内での競争力UPはもちろん、自社のミッション・ビジョン・バリューの実現にも繋がります。
自社に合ったコンサルティング会社の活用は、DX化達成へのスピードを速め、時代に合った成長を促す効果があります。コンサルを検討している場合は、自社に適した会社に依頼してDX化を成功させましょう。
リベロエンジニアでは、原点がシステム開発会社である強みを活かし、顧客企業の実情に沿ったDXコンサルとITシステム開発が可能です。
「パッケージでのITシステム導入で現場の反発を招いてしまった」「高額のコンサル費用で上層部の承認がおりない」といったDX化の課題にお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
\”現場に合わせた使いやすいDX化”をスモールスタートできる!/
【この記事の監修者】
株式会社リベロエンジニア
代表取締役(CEO):金子 周平
元エンジニアとして「エンジニアをもっと自由に。」を掲げ、エンジニアが自由かつ公平に働ける環境を目指し2014年に創業。
高還元SESのリードカンパニーとしてIT派遣の新たなスタンダードを作る。現在はデジタルイノベーション企業として、スマートグラスのアプリ開発をはじめ、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の支援に注力している。