1. TOP
  2. メソッド
  3. エンジニアの採用単価が高い理由は?採用コスト抑制のポイントを解説
メソッド

エンジニアの採用単価が高い理由は?採用コスト抑制のポイントを解説

2022.06.09

カテゴリー:エンジニア採用

エンジニアの採用単価が高い理由は?採用コスト抑制のポイントを解説

エンジニアは採用単価が高いと、よく指摘されます。なぜ、エンジニアを採用するためのコストは高くなってしまうのでしょうか。
ここでは、エンジニア採用にかかるコストの捉え方について解説します。また、さまざまな採用手法・媒体の種類と費用の目安のほか、採用コストを抑えるためのポイントについて見ていきましょう。

採用単価と採用コストの違いは?

まず、混同されがちな「採用単価」と「採用コスト」という言葉についてご説明します。
採用単価とは、社員(または契約社員、アルバイトなど)を1人雇用するためにかかった費用のこと。一方、採用コストは、社員を雇用するためにかかった費用の総額です。

採用単価の計算方法

採用単価は、次の計算式で算出することができます。

<採用単価の計算式>
採用コスト÷採用人数=採用単価

採用単価は、実際に雇用した人数で変わります。例えば、採用コストが500万円のとき、5人採用した場合は採用単価が100万円ですが、10人採用できれば採用単価は50万円というわけです。
採用単価を比較することで、効率良く採用できたかどうかを判断することができます。

採用コストの内訳

採用コストは、「外部コスト」と「内部コスト」の2つに分けられます。

外部コストとは、採用に関わる業務において、外部業者や外部サービスに支払った費用です。求人広告費や採用ページの制作費、説明会の会場費などが該当します。
内部コストとは、採用に関わる業務において、社内でかかった費用です。採用担当者の人件費のほか、応募者の交通費や入社祝い金などが含まれます。

IT業界の採用コストはいくら?

採用コストの捉え方についてご紹介したところで、続いてはIT業界の採用コストについて見ていきましょう。株式会社マイナビが発表した「中途採用状況調査2022年版(2021年実績)」によると、中途採用における直近1年間(2021年)の平均採用コストは、1社あたり484.3万円。この中で、「IT・通信・インターネット」業種に絞ってみると、平均採用コストは574.4万円と、全体の平均を大きく上回っています。

IT業界の採用コストが高くなりがちな理由を一言でいえば、ITエンジニアの人材不足です。ITが社会や生活のインフラとなり、エンジニアに対する需要が高まっているにもかかわらず、エンジニアの絶対数は常に不足しています。
さらに、働き方の多様化が進み、正社員ではなく派遣社員やフリーランスとして仕事に携わるエンジニアが増えています。つまり、転職市場にいる優秀なエンジニアは、さまざまな企業の争奪戦の対象となっているのです。

エンジニアの主な採用手法・媒体と費用目安

エンジニアの採用時に利用する手法や媒体によっても、採用コストは違ってきます。そこで、代表的な採用手法や媒体と、目安となるコスト(外部コスト)について見ていきましょう。
なお、採用につながった手法の割合と費用に関するデータは、すべて前出のマイナビ「中途採用状況調査2022年版(2021年実績)」を参考にしています。

人材紹介会社(エージェント)

人材紹介会社は、厚生労働大臣から認可を受けた、人材の斡旋を目的とした業者です。人材紹介会社のエージェントが、採用を検討している企業に求職者を紹介し、求職者に対して転職のサポートを行います。

<人材紹介会社(エージェント)に関するデータ>
・採用につながった割合(全業種):31.1%
・採用につながった割合(IT業界):36.2%
・企業が使用した年間平均費用(全業種):316.4万円
・企業が使用した年間平均費用(IT業界):393.3万円

前出の調査によれば、人材紹介会社は全業種において、最も採用につながった手法です。また、IT・通信・インターネット業界(以下、IT業界)に絞ってみても、最も採用につながった手法となっています。
人材紹介会社は採用につながる確率が高い一方で、採用コストも多くかかる手法といえます。ただし、企業が人材紹介会社に支払うのは、基本的に求職者を採用した場合の紹介手数料のみです。成功報酬という形になるため、採用に至る人材が見つからなければ費用は発生しません。

転職サイト・求人媒体

転職サイト・求人媒体とは、企業の出した求人広告を掲載しているウェブサイトや、紙媒体(折込求人紙、新聞の求人欄、フリーペーパーなど)のことです。求職者は、自分で求人情報を検索・閲覧し、気になった企業に応募をします。

<転職サイト・求人媒体に関するデータ>
・採用につながった割合(全業種):30.5%
・採用につながった割合(IT業界):34.6%
・企業が使用した年間平均費用(全業種):127.7万円
・企業が使用した年間平均費用(IT業界):115.4万円

転職サイト・求人媒体は、全業種・IT業界ともに、2番目に採用につながった手法となっています。なお、ITエンジニアにおける採用者1人あたりの求人広告費(ウェブサイトや紙媒体)を見ると、2019年は63.9万円、2020年は51.3万円、2021年は40.5万円と、減少傾向にあります。
転職サイトや求人広告サービスの利用は、比較的コストパフォーマンスが高いといえますが、ITエンジニアの採用に関しては、企業の求人広告利用は減少しているようです。
求人広告を出しても採用に結びつかなければ、その広告費は無駄になります。求職者のニーズをしっかりと踏まえた求人広告を展開できるかが、採用へのカギとなるでしょう。

求人検索エンジン

求人検索エンジンとは、インターネット上にある採用情報を巡回・集約した、求人情報に特化した検索エンジンです。

<求人検索エンジンに関するデータ>
・採用につながった割合(全業種):23.9%
・採用につながった割合(IT業界):25.0%
・企業が使用した年間平均費用(全業種):105.0万円
・企業が使用した年間平均費用(IT業界):139.6万円

求人検索エンジンは、全業種・IT業界のどちらにおいても、3番目に採用につながった手法となっています。
求人検索エンジンのメリットは、特定の職種の求人を探している求職者に、自社の情報を見つけてもらいやすい点にあります。ほとんどの求人検索エンジンは無料掲載が可能ですが、有料プランを利用すると、求人の露出量が増えるという仕組みが用意されているのも特徴です。エンジニアの争奪戦が起きているIT業界では有料プランを使う企業が多く、その分、コストを要していると考えられます。

企業ホームページ

企業ホームページとは、自社のホームページ(コーポレートサイト)で募集をする採用手法です。

<企業ホームページに関するデータ>
・採用につながった割合(全業種):20.6%
・採用につながった割合(IT業界):22.9%

求職者の多くは、転職サイトなどで募集を知った場合でも、ホームページを訪れて企業・求人情報をチェックする傾向があります。そのため、自社のホームページに掲載する求人情報も、しっかりと作り込むことが大切です。

ダイレクトリクルーティング

ダイレクトリクルーティングは、企業が求職者へ直接アプローチをする採用手法です。ダイレクトリクルーティングサービスを使用する際には、成功報酬(応募があった、もしくは採用した場合に発生する料金)のみを支払うケースと、成功報酬+データベース利用料(求職者のデータを集めた人材データベースの利用料)を支払うケースがあります。

<ダイレクトリクルーティングに関するデータ>
・採用につながった割合(全業種):15.8%
・採用につながった割合(IT業界):22.9%
・企業が使用した年間平均費用(全業種):145.8万円
・企業が使用した年間平均費用(IT業界):151.0万円

ダイレクトリクルーティングは、全業種で見ると採用につながる率が「職業安定所(ハローワーク)」(22.4%)よりも低い手法です。ただし、IT業界に関しては「職業安定所(ハローワーク)」(14.4%)を大きく上回り、企業ホームページと同率となっています。
ダイレクトリクルーティングは、企業側が求職者の持つスキルや経験を見て、アプローチするかどうかを決められるのが特徴。そのため、技術力がポイントとなるエンジニア採用とは親和性が高く、採用につながる率も高いのでしょう。IT企業が比較的多くの費用を使っているのも、その表れと考えられます。

リファラル採用

リファラル採用とは、自社の社員に友人や知人などの人材を紹介してもらう採用手法です。リファラル採用で発生する費用は、紹介者に支払う紹介報酬(インセンティブ)や、会食費用などが主なものです。
また、最近ではリファラル採用を容易にするツールが登場しており、その利用料金がかかることもあります。

<リファラル採用に関するデータ>
・採用につながった割合(全業種):9.8%
・採用につながった割合(IT業界):17.0%

リファラル採用は、全業種で見ると採用につながった割合が1割にも満たない手法です。ところが、IT業界においてエンジニアがリファラル採用で転職をすることは、それほど珍しい事例ではないといえるでしょう。

オウンドメディアリクルーティング

オウンドメディアリクルーティングとは、自社が運営するオウンドメディアで人材募集をする採用手法です。企業ホームページと似ていますが、単なる求人情報にとどまらず、企業文化や企業理念、採用コンセプト、職場環境などを訴求できたり、社員インタビュー、座談会、ブログなどを載せたりと、幅広く自由なコンテンツを提供できるのが特徴です。

< オウンドメディアリクルーティングに関するデータ>
・採用につながった割合(全業種):7.2%
・採用につながった割合(IT業界):8.5%

オウンドメディアリクルーティングは、自社保有のサイトながら、サイト制作を外部の制作会社に依頼するケースが多いため、サイト制作費や運用費などが発生します。一方で、コンテンツが充実して安定的に応募が得られるようになれば、長期的に見てコストが抑えられます。

SNS採用

SNS採用とは、FacebookやTwitter、LINEなどのSNSを活用して行う採用手法です。SNSの利用率が高い、若い世代向けともいえるでしょう。最近では、YouTubeに採用動画をアップする企業も増えています。

<SNS採用に関するデータ>
・採用につながった割合(全業種):4.9%
・採用につながった割合(IT業界):4.8%

SNS採用は担当者の手間がかかる一方で、費用を比較的安く抑えることが可能です。また、SNSの活用はストレートな採用につながらなくても、ターゲットとなる人材に興味を持ってもらえるなど、採用母集団の形成に役立つことが期待できます。

エンジニア採用コストを抑える4つのポイント

ここからは、特にエンジニア採用にかかるコストに注目して、それを抑えるポイントをご紹介します。

1 採用コスト高の原因を分析する

自社のエンジニア採用コストが高いのであれば、まず、その原因を分析する必要があります。内部コストと外部コストに分類して内訳を可視化し、コスト抑制策を考えます。

例えば、内部コストでは単純に考えて、採用工数を削減すればコストを抑制できます。採用フローを見直し、面接回数などを減らせばスピーディーな採用につながり、内定辞退者が減るというメリットも得られるでしょう。面接や試験、説明会をオンライン化して、コストを抑える方法も一般化しつつあります。履歴書を電子履歴書にし、書類選考から面接までをオンラインで管理することも可能です。

2 採用手法を見直す

外部コストについては、採用手法の見直しによって安く抑えられる可能性があります。複数の採用手法・媒体を利用しているのであれば、効果が薄いものがないか、削れる部分はないかをチェックしてみてください。

ただし、一概に費用だけで判断することはできません。例えば、人材紹介会社の成功報酬は高めですが、採用に至る人がいなければほぼコストはかからず、さらに面接日程の調整や合否連絡といった、採用担当者の工数が減るという側面もあります。
一方、求人広告は人材紹介会社に比べると費用は安めですが、採用できずに長期間利用すればするほどコストがかさみます。各手法のメリット・デメリットを理解した上で、どれを残し、どれを削るかを考えましょう。

リファラル採用やSNS採用は、基本的にコストがあまりかからない手法です。これまで実施していなかったのであれば、積極的な活用を検討してみてください。

3 採用基準を見直す

採用基準を見直してターゲットの幅を広げることも、採用コストの抑制につながります。根本的な見直しになりますが、例えば経験者だけではなく、若手の未経験者も受け入れるようにすると、応募者の増加が期待でき、結果的に採用単価を抑えることが可能です。そこまで極端ではなくても、求めるスキルレベルや開発実績の基準を下げる、年齢幅を広げるといった対策を検討する価値はあります。

反面、採用基準の見直しは、現場が求める人材像とのミスマッチが起きるおそれもあります。また、未経験者の採用は、採用コストを抑えられる一方で、入社後の教育コストがかかることにつながります。採用基準の見直しは、現場のマネージャーやエンジニアとの、十分な打ち合わせにもとづいて行うことが不可欠です。

4 人材流出の予防策を検討する

採用したエンジニアがすぐに離職してしまうと、費やしたコストが無駄になるだけでなく、人材補充のための新たな採用コストが発生することになります。
それだけに、採用したエンジニアに対するフォローは重要です。福利厚生の拡充やリモートワーク対応など、働きやすい環境を整える必要があります。あるいは、定期的な1on1ミーティングでエンジニアの要望や悩みを把握したり、キャリアプランや会社のビジョンを共有したりすることも大切です。自社に合った、従業員エンゲージメントを高める方法を考えましょう。

採用コスト抑制のためにエンジニア派遣の検討を

エンジニアの採用単価、採用コストはどうしても高くなりがちです。いかにコストを抑えられるか、効率の良い採用活動ができるかは、企業にとって大きな課題といえます。

また、採用コストを抑えるには、正社員雇用にこだわらず、優秀なエンジニアが多数所属する外部パートナーと連携するという手法もあります。採用業務の負担が軽減されますし、何より業務やプロジェクトに合わせて必要な人数の派遣エンジニアを確保することで、状況の変化にも素早く対応することが可能となるでしょう。

リベロエンジニアは、質の高い技術者を数多く抱える、エンジニア派遣会社です。エンジニアの採用コストでお悩みの企業様に、技術レベルの高い優秀なエンジニアをご紹介いたします。

お問い合わせはこちら
https://libero-en.jp/btob/contact/

求職中のエンジニアの皆さまはこちらの「公式オウンドメディア」をご覧ください
https://libero-en.jp/btoc/

関連記事

  • エンジニア採用

    2022.06.09

    エンジニア即戦力採用のために!優秀な人材が集まる企業のポイント

    エンジニア採用

    2022.06.09

    エンジニア即戦力採用のために!優秀な人材が集まる企業のポイント

  • エンジニア採用

    2022.06.09

    エンジニア採用を成功させるには?採用戦略のコツとポイントを解説

    エンジニア採用

    2022.06.09

    エンジニア採用を成功させるには?採用戦略のコツとポイントを解説

  • エンジニア採用

    2022.06.09

    エンジニア採用が難しい理由は?採用に苦戦する企業の課題と解決策

    エンジニア採用

    2022.06.09

    エンジニア採用が難しい理由は?採用に苦戦する企業の課題と解決策

新着記事

  • DXとは

    2024.04.22

    DXのコンサル費用の相場は?費用を抑える方法も紹介

    DXとは

    2024.04.22

    DXのコンサル費用の相場は?費用を抑える方法も紹介

  • メソッド

    2024.03.21

    レガシー業界のDXにおける最初の一歩、デジタル化のスタートラインとは?

    メソッド

    2024.03.21

    レガシー業界のDXにおける最初の一歩、デジタル化のスタートラインとは?

  • メソッド

    2024.01.19

    DXの基本的な進行手順:ステップバイステップガイド

    メソッド

    2024.01.19

    DXの基本的な進行手順:ステップバイステップガイド

人気記事

  • スタッフインタビュー

    2023.06.05

    リベロエンジニアで新しくコンサル部門を設立!その特徴や強みを聞いてみた。

    スタッフインタビュー

    2023.06.05

    リベロエンジニアで新しくコンサル部門を設立!その特徴や強みを聞いてみた。

  • スタッフインタビュー

    2023.03.09

    リベロエンジニアの開発の特徴ってぶっちゃけ何?開発ディレクターに聞いてみた。

    スタッフインタビュー

    2023.03.09

    リベロエンジニアの開発の特徴ってぶっちゃけ何?開発ディレクターに聞いてみた。

  • SES・エンジニア派遣

    2023.02.10

    エンジニア派遣の活用メリットとデメリットは?派遣の種類や正社員との違い

    SES・エンジニア派遣

    2023.02.10

    エンジニア派遣の活用メリットとデメリットは?派遣の種類や正社員との違い