DX支援サービスで失敗しない!選び方や活用事例、活用ポイントを徹底解説
2025.04.25

デジタル技術の進化とともに、企業の競争力を維持・向上させるためには「DX(デジタルトランスフォーメーション)」の推進が欠かせない時代になりました。しかし、実際にDXを進めようとしても「どの支援サービスを選べばいいのか分からない」「導入したものの活用しきれず失敗してしまった」という声も少なくありません。
本記事では、DX支援サービスの基本から、選び方、よくある失敗例、そして効果的な活用ポイントや成功事例までをわかりやすく解説します。
これからDXに取り組む方はもちろん、すでに取り組みを始めている方にも役立つ内容となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
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DX支援とは?

DX支援とは、企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するために必要なサポートを提供するサービスのことです。
そもそもDXとは、企業がデジタル技術を活用して、業務効率化や顧客体験向上、新たなビジネスモデルの創出を図る取り組みを指します。
例えば、スマート家電やテレワークなどは身近なDXです。テレワークは、単なるIT技術の導入ではなく、出社して働くという概念を変えてしまい、多くの企業の働き方を変革しました。
DXはエンジニアだけでなくマーケティングの知識も必要です。そのため、自社内の人材だけでは進められない企業も多く、DX支援サービスを活用する企業が多数です。
DX支援サービスは、大きく「デジタル技術支援サービス」と「ビジネス変革支援サービス」の2つのカテゴリに分けられます。それぞれ詳しく見ていきましょう。
デジタル技術支援サービス
デジタル技術支援サービスは、企業がデジタル化を進めるための重要なサポートを提供するサービスです。
具体例としては、クラウドサービスの導入、データ分析ツールの活用、業務プロセスの自動化などが含まれます。特に、データを活用した意思決定や業務の効率化は、競争力を高めるために欠かせません。
デジタル技術支援サービスは、エンジニアが不足している企業に対して、技術サポートを提供します。
IT技術がよくわからない中小企業のオーナーの方は、中小企業のDX支援について解説している記事を参考にしてみてください。
ビジネス変革支援サービス
ビジネス変革支援サービスは、企業がデジタル技術を活用して業務プロセスやビジネスモデルを革新するための支援を提供します。
単なるIT導入にとどまらず、企業全体の戦略や文化の変革を促進することが目的です。具体的には、業務フローの見直しや新たなビジネス機会の創出、さらには顧客体験の向上を図るためのコンサルティングやトレーニングが含まれます。
そのため、ビジネス変革支援サービスはコンサルティングファームによって提供されることが多いです。
DXコンサルについて詳しく知りたい方は、以下の記事も読んでみてください。
DXが推進されている理由

DXが推進される背景には、少子高齢化社会における生産性向上の必要性や、緊急事態発生時に迅速に事業を再開できる体制の構築が求められていることが挙げられます。
それぞれの背景について、詳しくみていきましょう。
少子高齢化社会で生産性向上が求められているため
少子高齢化が進む日本では、労働力人口の減少が課題です。この状況下で企業は、限られた人材を最大限に活用し、生産性を向上させる必要があります。
そこで注目されているのがDXです。DXで業務プロセスの自動化やデータ分析の高度化が可能となります。例えば、これまで手作業で行ってきた事務処理を自動化することで、人手をかけずにミスなく業務をこなせます。
DXは、人がやらなくてもいい仕事を減らし、コア業務に集中できる環境を構築できるので、少ない人材でも成果を出せるようになり、少子高齢化社会による労働力人口の減少を補うことが期待されています。
緊急事態が発生しても早急に事業を再開できるようにするため
近年、自然災害やパンデミックなどの緊急事態が頻発しているため、企業はもしもの事態が発生しても、事業の継続性を確保するための対策が求められています。
例えばリモートワークの導入や業務プロセスの効率化が進んでいるなど、DX化が推進されていれば突発的な事態にも柔軟に対応可能です。災害時など緊急の状況においても、迅速に事業を再開できます。
また、顧客へのサービス提供を途切れさせずに継続できるため、信頼性向上にもつながります。
DXの推進は、単なる業務改善にとどまらず、企業の存続そのものを支える重要な要素となっているのです。
DX支援サービスを活用すべきケース

DX支援サービスは、特定の状況やニーズに応じて活用することで、企業にとって大きな価値をもたらし、企業の持続可能性を高められます。
DX支援サービスを活用すべきケースとしては、以下が挙げられます。
- デジタル技術の専門知識やノウハウが不足している場合
- DX推進に必要な人材が不足している場合
- レガシーシステムからの移行や新しいITシステムの導入を検討している場合
- DX推進に関する国の補助金や支援制度を活用したい場合
- DX推進のスピードを重視している場合
例えば、ITの専門知識が不足している企業は、最適なシステム選定や導入方針が定まらず、投資効果が得られなくなる可能性があります。また、補助金制度を利用する際も、DX支援サービスを活用すれば、制度の選定から書類の作成支援まで対応可能です。
このようにDX支援サービスは、自社だけでは難しい領域を補完し、短期間で確実に成果を出すための有効な手段です。限られたリソースで変革を進める必要がある中小企業やベンチャー企業にとって、DX支援サービスは重要なパートナーになります。
これらのケースに該当する企業は、ぜひDX支援サービスの活用を検討してみてください。
DX支援サービスを活用しなくていいケース

一方で、DX支援サービスを活用しなくてもいいケースとしては、以下が挙げられます。
- 自社内に十分なデジタル人材とリソースがある場合
- 初期的なデジタル化(デジタイゼーション)の段階にある場合
- 予算やリソースが限られ、DX支援サービスの導入が逆に負担になる場合
十分なリソースがある企業は、自社でDX戦略を立案・実行できる体制が整っているため、外部支援を受けずともDXを推進できます。
逆に、内部体制が整ってない企業は、DX支援サービスの導入が負担になる場合があります。この場合は、紙の書類をPDFにするなど、自社内で小さくデジタル化を始めて、段階的に取り組むのが現実的です。
DX支援サービスは有用ではあるものの、自社の課題や社内体制に応じて、外部支援の必要性を慎重に判断する必要があります。
DX支援サービスは多くの企業にとって有益ですが、すべての企業が必ずしも活用すべきというわけではありません。自社の状況を見極めて、DX支援サービスが必要かどうかを判断しましょう。
DX支援サービスの選び方

DX支援サービスの選び方として以下の3つが挙げられます。
- 導入事例や実績で選ぶ
- 自社の課題に合わせて選ぶ
- 長期的なサポートの有無で選ぶ
それぞれ詳しく見ていきましょう。
導入事例や実績で選ぶ
DX支援サービスを選ぶ際には、導入事例や実績を重視することが重要です。具体的な成功事例を持つサービスは、信頼性が高く、自社のニーズに合った解決策を提供する可能性が高いです。
特に、同業種や類似のビジネスモデルでの成功事例があれば、そのサービスが自社にどのように適用できるかを具体的にイメージしやすくなります。
また、過去の実績を確認することで、サービス提供者の専門性やサポート体制についても理解を深められます。意思決定の失敗を避け、より効果的なDX推進が期待できるでしょう。
自社の課題に合わせて選ぶ
DX支援サービスを選ぶ際には、自社の具体的な課題やニーズに基づいて選定することが重要です。
例えば、業務の効率化を図りたいのか、新たなビジネスモデルを構築したいのか、目的によって必要な支援サービスは異なります。自社の現状を正確に把握し、どのようなデジタル技術や支援が必要かを明確にすることで、最適なサービスを見つけられます。
また、導入後の運用やサポート体制も考慮し、長期的に自社の成長を支えるパートナーを選ぶことも大切です。
長期的なサポートの有無で選ぶ
DX支援サービスを選ぶ際には、長期的なサポートの有無を重視するといいでしょう。
DXは一度の導入で完結するものではなく、継続的な改善と適応が求められます。選択したサービスが、導入後も定期的なフォローアップやトレーニングを提供してくれるかどうかを確認しましょう。
また、技術の進化に伴い、必要なサポート内容も変わるため、柔軟に対応できるパートナーを選ぶことが重要です。長期的な視点での支援があることで、企業は変化に強い体制を築けます。
もしDX支援サービスを選ぶのに自信がない方は、以下の記事も参考にしてみてください。
DX支援サービスのよくある失敗例

DX支援サービスのよくある失敗例としては、以下の3つが挙げられます。
- DXを丸ごと外注する
- 導入で満足して適切な運用を実施しない
- 経営者のITリテラシー不足で戦略が曖昧になってしまう
それぞれ詳しく解説していきます。
DXを丸ごと外注する
DX支援サービスを利用する際に陥りがちな失敗の一つが、DXを丸ごと外注してしまうことです。企業が自社のDXを外部に完全に委託すると、内部の知識やスキルが蓄積されず、結果として自社の競争力を低下させるリスクがあります。
DXは単なる技術導入ではなく、企業文化や業務プロセスの変革を伴うものなので、社内での理解と協力が不可欠です。
また、外注先に依存しすぎると、変化する市場や顧客ニーズに迅速に対応できなくなるため、戦略的な判断が難しくなります。
外注はあくまで補助的な手段として位置づけ、自社のリソースを活用しながら進めるといいでしょう。
導入で満足して適切な運用を実施しない
DX支援サービスを導入した企業が陥りがちな失敗の一つが、導入後の運用に対する意識の欠如です。
多くの企業は新しいシステムやツールを導入することに満足し、その後の運用や活用方法について十分に考慮しないことがあります。
しかし、DXの真の効果を引き出すためには、導入後の運用が極めて重要です。新しいツールを導入しても、従業員が上手く使いこなせなかったり、活用方法が浸透しなかったりすれば、期待された成果は得られません。
そこで重要になるのが、定期的な評価と改善プロセスです。フィードバックを通じて得られた課題をもとに、運用方法を見直すことで、現場の定着率や活用効果を高められます。
定期的な評価や改善を行い、運用体制を整えることが、DXの成功には欠かせません。
経営者のITリテラシー不足で戦略が曖昧になってしまう
DX支援サービスを導入する際、経営者自身のITリテラシーが不足していると、戦略が曖昧になりがちです。
特に、デジタル技術の進化は日進月歩であり、最新のトレンドやツールを理解していないと、適切な判断ができません。
例えば、AIやクラウドなどの技術を理解せず「周りがやっているから」という理由で導入してしまうと、実際の業務に合わずに使われなくなる事態に陥ります。その結果、人材やコストなどの経営資源が無駄になってしまうでしょう。
だからこそ、経営者がITに対する理解を深めることで、自社の課題や強みにあったツールを選定でき、より明確な戦略を立てられるようになります。経営者自身が積極的に学び、現場任せにせず、情報を収集し続けるする姿勢が求められているのです。
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DX支援サービスを効果的に活用するポイント

DX支援サービスを効果的に活用するポイントとしては、以下の3つが挙げられます。
- 「IT導入補助金」などの補助金を活用する
- 越境を意識したチーム体制を構築する
- アジャイルとウォーターフォールのハイブリッドを目指す
それぞれ詳しく解説していきます。
「IT導入補助金」などの補助金を活用する
DXの導入にはITツールの購入費や従業員の教育費など、初期投資として多額のコストが発生します。初期費用がハードルとなり、DXの着手を断念してしまうケースも少なくありません。
そこで、各種補助金を積極的に利用して、金銭的コストを削減することが重要です。具体的な補助金制度としては、以下が挙げられます。
- IT導入補助金
- ものづくり補助金
- 中小企業省力化投資補助金
- 人材開発支援助成金
特に「IT導入補助金」は、中小企業がデジタル技術を導入する際の経済的負担を軽減するための制度で、申請することで初期投資を抑えられます。
ただし、各種補助金制度は応募期間が定められています。公募内容をしっかり確認し、適切なスケジュールを組んで補助金を申請しましょう。
越境を意識したチーム体制を構築する
DXを推進する上で、越境を意識したチーム体制の構築は非常に重要です。異なる部門や専門性を持つメンバーが協力し合うことで、より多角的な視点から課題を解決できるためです。
例えば、IT部門だけでなく、営業やマーケティング、製造などの各部門からメンバーを集めることで、各々の知見を活かしたアイデアが生まれやすくなります。
また、リモートワークの普及により、地理的な制約も少なくなった今、国内外の専門家をチームに加えることで、さらに幅広い視点を取り入れることも可能です。
越境的なチーム体制を整えることで、DXの成功に向けた強力な基盤を築けるようになるでしょう。
アジャイルとウォーターフォールのハイブリッドを目指す
DX支援サービスを効果的に活用するためには、プロジェクト管理手法の選定が重要です。
一般的に、プロジェクト管理手法にはアジャイルとウォーターフォールの二つの手法があります。
- アジャイル:短いサイクルで反復しながら進める開発手法。開発・テスト・改善を繰り返す
- ウォーターフォール:上流から下流へ一方向に進む開発手法。要件定義→設計→開発→テスト→納品の順番で進行
アジャイルは柔軟性が高く、変化に迅速に対応できるため、顧客のニーズに合わせた改善を繰り返し行うことが可能です。
一方、ウォーターフォールは計画的に進めることができ、全体の進捗を把握しやすいという利点があります。
そして現在注目されているのは、この2つの手法を組み合わせるハイブリッド手法です。
プロジェクトの初期段階ではウォーターフォールの計画性を活かし、後半でアジャイルの柔軟性を取り入れます。
また、逆にアジャイルで完成形のイメージを作ってから、ウォーターフォールでプロジェクトを管理する方法もあります。
どちらにせよ、プロジェクトやDXの目的によって、適切な管理手法を選ぶことが大切です。
DX支援サービスの活用事例

では、具体的にDX支援サービスはどのように活用するのがいいのでしょうか。
ここからは以下の活用事例について詳しく解説していきます。
- 「freee」を導入してユニバーサルな働き方を実現
- 「アグリノート」でスマート農業を実現
製パン会社が「freee」を導入してユニバーサルな働き方を実現
ある製パン会社では、障害者手帳を持つ従業員が複数名在籍し、パンの製造や仕分けを担当しています。地域の特別支援学校と連携し、毎年特別支援学校の学生を受け入れ、実際の業務を体験させることで、障害のある方の採用を積極的に行っているのです。
そして障害のある従業員に対して会計ソフト「freee」を導入することで、誰もが経理作業に参加できるユニバーサルな働き方を実現しています。スマートフォンを通じて給与明細や年末調整の手続きを簡単に行うことができ、業務の効率化が図られています。
実際にfreeeを導入する際は、全てのスタッフに紙の説明資料を配布することで、聴覚障害のある方でも理解できるよう工夫しました。freeeではツールの提供だけでなく、従業員への研修や導入支援サービスも提供しています。
freeeを導入することで、従業員が自分の力で業務を進められる環境が整い、障害のある方も含めたユニバーサルな働き方が実現されています。
有限会社米八は「アグリノート」を導入してスマート農業を実現
新潟県新潟市にある有限会社米八は、農業の効率化と生産性向上を目指し、農業支援ツール「アグリノート」を用いたスマート農業を導入しました。
「アグリノート」はパソコンやスマートフォンを使って圃場や農作業など営農に関するさまざまな情報を記録・集計・出力できる営農支援ツールです。
米八ではアグリノートを活用することで、田んぼごとの収支を把握し、作業記録を効率的に管理することが可能になりました。特に、農機から取得したデータを基にしたPDCAサイクルの実施が、収量の向上に直結しています。
また、アグリノートは導入・運用のサポートも行っており、今回の事例ではスマート農機とアグリノートの連携をサポートしています。
スマート農機から得られる細かい記録を残すことで、翌年の栽培計画に活かすことが可能に。
データ収集・分析でビジネス効率を向上させた好例です。
まとめ
DX支援サービスは、企業がデジタル技術を活用して競争力を高めるための重要な手段です。しかし、選び方や活用方法を誤ると、せっかくの投資が無駄になってしまう可能性があります。
企業がDXを推進する理由は多岐にわたり、少子高齢化による生産性向上の必要性や、緊急事態における事業の迅速な再開が求められています。
まずは自社の課題に合った支援サービスを選ぶことが成功への第一歩です。また、導入後の運用や長期的なサポートも重要な要素となります。
DX支援サービスを効果的に活用するためには、補助金の活用やチーム体制の構築、アプローチ手法の選定が重要です。リベロエンジニアは、BtoB領域に特化したDX支援を提供しており、戦略設計から開発、運用まで一貫して対応しています。補助金の活用支援や中小企業向けの柔軟な支援体制も整っています。スモールスタートでの開発にも対応しているので、気軽にご相談ください。
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【この記事の監修者】

株式会社リベロエンジニア
代表取締役(CEO):金子 周平
元エンジニアとして「エンジニアをもっと自由に。」を掲げ、エンジニアが自由かつ公平に働ける環境を目指し2014年に創業。
高還元SESのリードカンパニーとしてIT派遣の新たなスタンダードを作る。現在はデジタルイノベーション企業として、スマートグラスのアプリ開発をはじめ、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の支援に注力している。