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DXとデジタル化の違いとは?事例とクイズでわかりやすく解説!

2025.05.02

カテゴリー:DXとは

DX(デジタルトランスフォーメーション)とデジタル化。どちらも生産性・業務効率アップのため必要といわれていますが、両者の違いを正しく理解できていない方も多いでしょう。

実際には、これらは似て非なる概念であり、「目的」や「対象範囲」に明確な違いがあります。そのため両者の違いをきちんと理解・導入することで、自社の課題を効果的に解決できます。

そこで本記事では、DXとデジタル化の違いについて、企業事例やクイズ形式を用いながらわかりやすく解説しました。

読み進めれば「自社の現在地はどこにあるのか」「DXを本格的に進めるには何が必要なのか」が明確になるでしょう。

目次 非表示

「DXとデジタル化の違い」を理解することが重要な理由

DX(デジタルトランスフォーメーション)とデジタル化は、どちらも生産性アップ・業務効率化に必要な概念です。しかし、この2つを正しく理解していないと、IT導入が目的化してしまい、社内外への説明もうまくいかなくなります。

DXとデジタル化の違いを表でまとめてみました。

項目デジタル化DX
定義アナログ情報や業務をデジタル技術で置き換えることデジタル技術を活用し、ビジネスモデルや組織文化を根本的に変革すること
目的業務効率化、正確性向上、既存業務のサポート顧客価値の最大化、競争力強化
メリット工数削減、ヒューマンミラーの削減、コストダウン新サービスの創出、市場での優位性確保
主体情報システム部門、現場部門経営者、経営幹部
活用例紙の書類をPDFに変換する、クラウド化、RPA(業務自動化)などAI活用でレコメンドメールを送信、対面販売からサブスクリプション型のECに移行など

この違いを理解せずにDXを語ると、単なるIT導入に終わり、本質的な価値を見失ってしまいます。実際、近年は「DX」という言葉を使いながら、実態は既存業務のデジタル置き換えにとどまっている企業も少なくありません。

DXを実現するには、経営者自身がこの違いを深く理解し、自ら変革を主導する必要があります。

DXとデジタル化の違いとは?

DXとデジタル化は、どちらもビジネスで必要不可欠な要素ですが、意味は大きく異なります。ここではDXとデジタル化の違いについて詳しく解説していきます。

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術を活用して、企業のビジネスモデル・業務プロセス・組織構造を根本から変える取り組みを指します。

スマートフォンやインターネットの急速な普及により、人々のライフスタイルはこの10年で大きく変わりました。企業もこの変化に対応するため、顧客との接点や収益の仕組みをデジタル中心に再構築する必要があります。

実際に、NetflixはDVDを郵送で貸し出すビジネスから、映像のストリーミング配信へと転換しました。これにより同社は世界的な企業へと成長し、映像業界全体の構造まで変える影響を与えました。

このように、DXは単なる業務のデジタル化ではなく、デジタル技術を使ってビジネスの在り方を変える取り組みです。

デジタル化とは

一方でデジタル化については、以下の2つの段階に分けられます。

  • 紙をデジタル化するデジタイゼーション
  • 業務をデジタル化するデジタライゼーション

それぞれ詳しく解説していきます。

紙をデジタル化するデジタイゼーション

デジタイゼーションとは、紙の情報をデジタルデータに変換することを指します。

具体例としては以下が挙げられます。

  • 書類をPDF化して保存
  • 名刺をスキャンしてデジタル管理
  • 請求書をペーパーレス化

従来は、書類や名刺を保管するために物理的なスペースが必要でした。しかし、デジタル化すればパソコンやクラウド上に保存でき、保管スペースや管理コストを大幅に削減できます。

また、デジタイゼーションはスキャナーや専用アプリを導入するだけで始められるため、デジタル化の第一歩として最適です。

業務をデジタル化するデジタライゼーション

デジタライゼーションは、業務プロセスをデジタル化する取り組みです。

具体例としては以下が挙げられます。

  • 手作業で行っていたデータ入力を自動化
  • 紙のポイントカードをアプリに置き換える
  • 電話やFAXを、メールやチャットに移行する

デジタライゼーションによって業務はスピードアップし、ミスも減少します。さらに、蓄積したデータを活用すれば、より高度な意思決定も可能になります。

本格的にDXを推進するには、まずデジタライゼーションで業務の土台を整える必要があるのです。

これはデジタル化?それともDX?あなたの理解力をチェック!

ここからはDXとデジタル化の違いを理解するために、具体的な事例をクイズ形式で紹介していきます。DXに該当するか、デジタル化に該当するか考えてみましょう!

Q1.紙の請求書をPDFでメール送付するようになった

答えはデジタル化です。

紙からPDFへの移行は、業務がデジタルに置き換わっただけであり、ビジネスモデルに変化はありません。

ただし、請求書発行を自動化し、会計データを経営判断に活用したり、課金モデルをサブスクリプションに変えたりした場合は、DXといえます。

Q2.購買履歴を分析してAIが自動でレコメンドメールを送るようにした

答えはDXです。

これは単なる自動化にとどまらず、データ活用により新しい顧客体験を提供しているため、DXに該当します。

近年では、顧客ごとの行動履歴をもとに、最適なタイミングでメールを配信する手法が広がっており、マーケティング手法そのものが変革しています。

Q3.タイムカードを廃止して勤怠管理アプリで出退勤を記録した

答えはデジタル化です。

アプリ導入により業務は効率化されますが、働き方や組織構造には大きな変化がないため、デジタル化に留まります。

ただし、勤怠データをリアルタイムで収集・分析し、マネジメントに活用したり、リモートワークやオフィス縮小に結びつけた場合は、DXと評価できます。

Q4.社内の勤怠システムをクラウド化した

答えはデジタル化です。

システムのクラウド移行は利便性を高めますが、それだけではビジネスモデルや組織に変化はなく、DXとは言えません。

例えば、ExcelをGoogleスプレッドシートに変えても、本質的な業務は変わらないはずです。

ただし、クラウドツールを活用して外注やフルリモート化を進め、組織構造が変化した場合はDXに相当します。

Q5.老舗旅館が宿泊予約の90%をSNSで受けるようになった

答えはDXです。

単にSNSを導入しただけでなく、予約の主要チャネルをWebや電話からSNSへと大きく転換しており、営業・集客のプロセス全体が変化しています。

顧客にとっても、SNS経由で旅館に直接予約できる体験は、従来と異なる新たな価値となります。

このように、顧客接点やビジネスモデルが変わっている場合、それは明確なDXです。

有名企業・中小企業のDX事例3選!

ここでは、特に注目すべき有名企業と中小企業のDX事例を3つ紹介していきます。

DX事例を通じて、デジタル技術でどのようにビジネスモデルが変化するかを具体的に理解していきましょう。

Amazon|本を売るECから電子書籍販売に変換

Amazonは書籍ECサイトとして創業し、時代の変化に合わせて何度もビジネスを変革してきた「世界最大のDX企業」といえます。

中でも象徴的なのが、紙の書籍から電子書籍へのシフトです。

従来、書籍は店舗に赴いて購入するか、通販で購入し配送を待つ必要がありました。しかし電子書籍なら、欲しい本をスマートフォンから即座に購入・閲覧できます。さらにAmazonは専用デバイス「Kindle」を開発し、紙に近い読書体験も提供しました。

この結果、本屋や出版社など紙媒体に依存していた企業は、電子書籍の登場によりビジネスモデルの見直しを迫られました。

Amazonは自社のDXにとどまらず、出版業界全体の構造をも変革したのです。

【建設業】株式会社後藤組|現場社員がノーコードでアプリ開発

山形県米沢市の建設会社・後藤組は、経営層から現場までが参加する「全員DX」に取り組みました。

具体的には、プログラミング不要のノーコードツールを活用し、現場社員が自ら業務アプリを作成します。これにより、1人あたりの年間残業時間を123時間から約109時間へ削減するなど、業務効率が大きく改善しました。

また、社長自らがDXの重要性を伝え、社内教育や資格制度にも注力しています。

トップの理解と現場の参加が、中小企業のDXに不可欠であると示す事例です。

【納品業】株式会社近藤商会|デジタル営業の活用で函館から全国へ

北海道函館市に本社を置くオフィス用品商社・近藤商会は、インサイドセールス(電話やメールによる非対面営業)を導入し、営業エリアを全国へ拡大しました。

インサイドセールスを導入する企業は多いものの、業務効率化が目的の場合がほとんどでした。しかし近藤商会は、場所に捉われないインサイドセールスによりビジネスを全国に広げることで、 売上高増加を目指したのです。

当初はベテラン社員の退職や顧客離れなどの逆風により、売上が一時半減しました。しかし地道な改革を重ね、7年後には売上が70%増加、47都道府県すべてで顧客を獲得するまでに成長したのです。

また、受注・配送要員は20人から3〜4人に削減され、業務効率も大幅に向上しました。2024年7月から11月にかけても、新規顧客数が20%増加、稼働顧客数が15%増加と成長が継続しています。

ITツールの活用によって、営業手法と事業モデルを根本から変革した成功事例です。

デジタル化からDXに切り替えるまでの5ステップ

デジタル化から、DXに切り替えるまでのステップは以下の通りです。

  1. 業務の棚卸しで自社の現在地を知る
  2. 経営ビジョン・戦略を再確認する
  3. 意識改革のために小さなデジタル化を始める
  4. 業務をデジタル化して社内データを収集・分析する
  5. 顧客接点やサプライチェーンにまでデジタル変革を拡大させる

それぞれ詳しく解説していきます。

業務の棚卸しで自社の現在地を知る

DXを進めるためには、まず自社の現状を正確に把握する必要があります。業務の棚卸しを実施し、どの業務がデジタル化されていて、どこに改善の余地があるかを明確にしましょう。

また、業務の棚卸しを実施する際は、現場従業員からのヒアリングも大切です。経営者やマネージャーにはない、現場目線の視点で課題を抽出できます。

業務の棚卸しを実施して、自社のデジタル化がどの段階にあるか、現状と課題を把握しましょう。

経営ビジョン・戦略を再確認する

業務の棚卸しで自社の現状・課題を把握したあとは、経営ビジョン・戦略を再確認します。

その際は、自社の強み・弱みといった内部要因だけでなく、業界構造や経済動向などの外部要因も分析します。なぜなら現代社会は、急速なデジタル化で社会変化が加速しているためです。

また、経営ビジョンや戦略を再確認する作業は、必ず経営者が行うようにしましょう。

特に中小企業であれば、経営者がリーダーシップを発揮すれば、大企業に比べてスピーディーにDXを推進できます。

意識改革のために小さなデジタル化を始める

いきなりDXを推し進めようとしても、従業員が追い付けず困るだけです。急激な変化への反発から現場に馴染まなかったり、使いこなせず逆に作業効率が低下したりと、マイナスの結果につながるかもしれません。

実際にDXを進める際は、意識改革のために、まずは小さなデジタル化から始めましょう。

具体例は以下の通りです。

  • 名刺のデジタル化
  • 経理作業及び事務作業のデジタル化
  • スケジュール調整や勤怠管理のデジタル化

これらのデジタル化は、いずれもITツールを導入するだけで実現可能です。

デジタル化で業務効率化を実感すれば、従業員がDXに対して前向きに考えるようになります。また、少しずつデジタル化を進める中で、知見が蓄積されるので、DXの成功確率も高まります。

業務をデジタル化して社内データを収集・分析する

本格的に社内のDXの取り組みを広げるためには、業務をデジタル化して、社内データの収集・分析を行いましょう。

データを分析することで、業務の自動化や新たな顧客体験の創出に役立つので、全社横断でシステムやツールを導入することが重要です。

例えば顧客管理では、営業部のデータとマーケティング部のデータを統合した方が、顧客理解度が高まります。また、企画部門にも顧客データを共有すれば、新製品のアイデア創出に役立つ可能性があります。

DXを推進する際は、部署に捉われずに、横断的にシステムを導入して、データ活用の文化を育む必要があるのです。

顧客接点やサプライチェーンにまでデジタル変革を拡大させる

DXの目的は、デジタル技術を活用してビジネスモデルや組織構造を変革し、顧客に対して新たな価値を提供することです。

そのため、社内でDXを推進するのと同時に、顧客接点やサプライチェーンにまでデジタル変革を拡大させる必要があります。

例えば、チャットボットを導入すれば、24時間体制で対応が可能です。さらに、Webサイトやお問い合わせ資料、無料面談の動線を用意すれば、シームレスに商談へと繋げられます。

また、サプライチェーンにおいては、リアルタイムで在庫状態を管理すれば、効率的な受発注を実現でき、コスト削減に繋がります。

まとめ

DXとデジタル化の違いを理解するのは、現代社会において不可欠です。デジタル化は業務効率化やコスト削減を目的としたデジタル技術の導入を指します。一方でDXは、単なるツールの導入にとどまらず、企業のビジネスモデルや組織文化を変革する取り組みです。

そしてDXやデジタル技術は、担当者任せにせず、経営者自らが深く理解する必要があります。なぜならDXは、ビジネスの根幹に関わる要素だからです。

実際にAmazonやNetflixは、破壊的なイノベーションによって業界を塗り替えました。DXに適応できなかった企業は淘汰され、今後も同様の変化があらゆる業界で起こると予想されます。

そんな社会を生き抜くためには、経営者がデジタル技術を深く理解し、積極的にDXを進める必要があるのです。

リベロエンジニアでは、DX戦略の策定からシステム導入まで、経営者に寄り添う形でDXソリューションを開発します。お悩みがある方や、詳細なサービス資料を知りたい方は、ぜひリベロエンジニアまでご相談ください。

【この記事の監修者】

株式会社リベロエンジニア
代表取締役(CEO):金子 周平

元エンジニアとして「エンジニアをもっと自由に。」を掲げ、エンジニアが自由かつ公平に働ける環境を目指し2014年に創業。

高還元SESのリードカンパニーとしてIT派遣の新たなスタンダードを作る。現在はデジタルイノベーション企業として、スマートグラスのアプリ開発をはじめ、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の支援に注力している。

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