事務・工場・倉庫の小さな改善事例15選!効率化や負担を軽減しよう!
2025.05.12

日々の業務の中の「ちょっとした工夫」で効率化や負担を軽減したいと考えている方もいるでしょう。企業の業務効率化や作業負担の軽減は、必ずしも大がかりな改革を必要としません。
ちょっとした工夫や配置の見直しなど、小さな改善こそが現場の生産性を大きく変える鍵となります。この記事では、事務・工場・倉庫業務での小さな改善事例を紹介します。
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小さな改善事例|5選【事務】

事務作業では、デスク周りを整理したりパソコンにユーザー辞書登録したりすることが、小さな改善事例として挙げられます。その他の小さな改善事例も紹介するので、実践してみてください。
ここでは、事務作業での小さな改善事例を紹介します。
1.デスク周りを整理する
デスク周りの整理は、事務作業の効率を向上させる基本的な改善策です。
不要な書類や物品を取り除けば、作業スペースを確保できるため、集中力を高められます。定期的にデスクの上や引き出しの中を整理し、必要なものだけを残しましょう。
整理する際は、物の配置にも工夫してみてください。よく使う文房具や資料は手の届きやすい場所に置き、使用頻度の低いものは奥にしまった方が効果的です。
デスク周りが整理されていると、物を探す手間が無くなるうえに、書類の紛失を防げるメリットもあります。また、気持ちをリフレッシュさせ、業務に対するモチベーションを高める効果もあるでしょう。
2.PCにユーザー辞書登録をする
PC作業を効率化するための小さな改善策として、ユーザー辞書の登録が効果的です。
よく使う単語などをユーザー辞書に登録しておくことで、タイピングの手間を省けるほか、入力ミスを減らす効果もあります。特に、専門用語や略語、定型文などを登録しておくのがおすすめです。
例えば「お世話になっております」は「お」、「よろしくお願いいたします」であれば「よ」といったように、一文字入力した時点で、よく使う単語や文章が候補に出るよう登録すると良いでしょう。なお、各種ソフトウェアやOSにユーザー辞書の設定が搭載されているため、チェックしてみてください。
3.ショートカットキーを活用する
ショートカットキーを活用すると、業務を効率化できます。ショートカットキーとは、キーボードだけで特定の操作を行うことです。マウス操作にかかる手間を減らせるため、作業のスピードを向上させることが可能です。
例えば、Microsoft WordやExcelでは、コピーやペーストや保存などの基本的な操作に対して、ショートカットキーが設定されています。これらのキーを覚えておけば、作業中に頻繁に行う操作を迅速に行えるため、結果として業務全体の効率が向上します。
作業者の負担の軽減もできるため、長時間のデスクワークを行う場合や、マウスを頻繁に動かす作業でも、手首や肩に負担を抑えることが可能です。
4.関数やマクロなどを活用する
事務作業において、関数やマクロを活用することは、業務の効率化に大きく寄与します。
関数とは、Excelに用意されている数式のことで、計算を自動化できます。マクロは、特定の操作手順を記録して、必要なときに実行できる機能です。
例えば、下記のように活用できるため業務の標準化が進み、よりスムーズな業務運営が実現します。
活用例 | メリット | |
関数 | 日常的に行う集計作業やデータ分析を関数を使って自動化 | 手作業によるミスを減らし、時間を短縮できる |
マクロ | 毎月の報告書作成に必要なデータを自動で抽出し、フォーマットに整形 | 効率化できるため、作業者はその時間を他の重要な業務に充てられる |
ただし、関数やマクロを活用する際は、社内での共有や教育が必要な場合があります。新しいツールや技術を導入することで、全体の業務効率が向上するよう、チーム全体でのスキルアップを図ってみてください。
5.タスクを可視化し優先順位をつける
事務作業の小さな改善事例として、タスクの可視化と優先順位の設定が挙げられます。事務作業では日々の業務が多岐にわたるため、何を優先すべきかを明確にしなければなりません。
タスクが明確になれば、進捗状況を把握しやすくなり、作業の漏れや重複を防げます。例えば、タスク管理アプリを使って、期限や担当者を設定すれば、進捗をリアルタイムで確認できます。タスクを色分けすれば、優先度や緊急度を一目で把握できるようにもなります。
また、ウェアラブル端末の「スマートグラス」もタスク管理に効果的です。スマートグラスのタスク管理アプリを使えば、視界に今日のToDoや優先順位付きタスクを表示できます。手元の資料を確認しながらタスクを確認できるため、視線移動や確認の手間を削減できます。
小さな改善事例|5選【工場】

工場では、作業環境を整えたり情報を見える化したりすれば、業務を改善できます。コストを抑えつつ、大きな効果をもたらすことが期待できるため、参考にしてみてください。
ここでは、工場の現場で活用できる小さな改善事例を紹介します。
1.5Sを導入して職場の整理整頓を徹底する
5Sを導入して整理整頓を徹底すれば、職場環境が改善し、業務効率化や事故を防止できます。5Sとは、下記5つの要素から成る手法のことです。
5Sの項目 | 方法 | メリット |
整理 | 必要なものと不要なものを分け、不要なものを排除する | 作業スペースを確保できる |
整頓 | 必要なものを使いやすい場所に配置 | 誰でも簡単に取り出せるようになる |
清掃 | 職場を常に清潔にする | 作業環境の向上だけでなく、事故やトラブルの防止にも繋がる |
清潔 | – | 作業者のモチベーションが向上し、より良い業務環境を実現できる |
しつけ | 5Sの重要性を全員に共有 | 社内で5Sを日常的に実践する風潮ができる |
例えば、作業者が必要な道具や材料をすぐに見つけられるようになれば、時間のロスが減るため、業務をスムーズに進行できます。これにより、全体の生産性が向上し、結果として企業の競争力を高められるでしょう。
2.「見える化」で情報共有をスムーズにする
見える化で情報共有をスムーズにすれば、業務の効率化に繋がります。見える化とは、業務の進捗状況や作業手順などを視覚的に表現し、関係者全員が同じ情報を把握できるようにする方法のことです。
具体的には、ホワイトボードやデジタル掲示板を活用して、作業の進捗状況や重要な指示を掲示すれば業務を見える化できます。
また、スマートグラスを活用すれば、見える化のレベルをさらに高めることが可能です。スマートグラスを装着することで、作業指示やマニュアルが作業者の視界に表示され、両手を使いながらリアルタイムで情報を確認できます。
映像共有によって、遠隔地の管理者からのサポートも受けられるため、情報伝達のスピードと正確性が向上します。
3.工具・備品を色分けして探す手間を削減する
工場の工具や備品を色分けすれば、探す手間を削減できるため、作業効率が向上します。
工場の工具や備品が無造作に置かれていると、必要なものを探すのに時間がかかりがちです。下記のように、各工具を用途やサイズごとに異なる色のラベルを貼れば、視覚的に識別しやすくなります。
- 赤……電動工具
- 青……手工具
- 緑……消耗品
色分けは整理整頓の一環としても機能し、どの工具が不足しているのかも把握しやすくなるでしょう。
また、色分けを行う際は、工具を収納する場所にも工夫するのがおすすめです。例えば、色分けした工具を専用のボックスやラックに収納すれば、取り出しやすく戻しやすい環境を整えられます。
4.作業環境を見直して疲労を軽減する
作業環境を見直して疲労を軽減すれば、より効率的な作業を実現できます。なぜなら、工場での作業環境は作業者の疲労感や生産性に大きな影響を与えるためです。
まずは、作業台の高さや椅子の調整を行い、作業者が快適に作業できる姿勢を保てるようにしましょう。適切な高さの作業台は、腰や肩への負担を軽減し、長時間の作業でも疲れにくくなります。
また、明るさが不十分な場合、目の疲れや集中力の低下を招くため作業場の証明を見直すことも重要です。明るく均一な光源を発するLED照明を導入すれば、視認性が向上し、作業効率を高められます。
定期的な休憩を取り入れることも忘れてはいけません。短い休憩を挟んで、身体をリフレッシュさせれば、集中力を維持できます。
5.ピッキング作業の流れを見直して効率化する
工場内で部品や材料を集めるピッキング作業は、製造工程の停滞を防ぐために欠かせない業務の一つです。作業の流れを見直すだけでも、移動時間の短縮と作業者の負担軽減に繋がり、日々の業務効率に大きな差が生まれます。
まずは、ネジやワッシャーなどのよく使う部品を作業台の近くや動線上に配置し、使用頻度に応じて置き場所を見直してみてください。これにより、探す手間や無駄な動きを減らせます。
また、ピッキングリストの整備も有効です。部品番号や保管場所、数量を明確に記載し、作業者が迷わず目的の部品にたどり着けるようにフォーマットを統一しましょう。可能であれば、部品配置に合わせてリスト順を調整すれば、移動距離を最小限に抑えられます。
なお、スマートグラスを活用した作業支援もおすすめです。ピッキングリストや棚番号、部品写真などを視界に表示すれば、作業者はリストを手に持たずに作業ができます。両手が自由に使えるため、箱の開封や部品の取り出しもスムーズになり、複数部品を同時に扱う作業で高い効果を発揮するでしょう。
小さな改善事例|5選【倉庫】

倉庫業務では、整理整頓して作業しやすくしたり、在庫の保管場所を見直して探す手間を減らす方法が小さな改善事例として挙げられます。これらの改善策を取り入れて、作業の効率化や負担軽減を実現しましょう。
続いて、倉庫で実践できる小さな改善事例を5つご紹介します。
1.職場を整理整頓して作業しやすくする
倉庫内の整理整頓は、入荷時の作業効率の向上に直結します。作業環境が整えば、作業者の動線がスムーズになり「どこに何があるか」がすぐにわかるため、無駄な移動や探し物の時間を減らせます。
整理整頓する際は、まず使っていない備品や破損した道具を撤去しましょう。通路や作業台周りに置かれがちな下記のようなものは、作業を妨げる原因です。これらを処分または定位置に戻すことで、作業エリアをすっきり保てます。
- 段ボール
- 空きパレット
- 壊れたハンドスキャナー
次に、使用頻度に応じた配置を見直しましょう。例えば、毎日使う伝票やハンディターミナルは作業台の手元に固定し、月1回程度しか使わない梱包資材や予備のラベル用紙は上段の棚や倉庫奥にまとめて収納します。
棚や収納ボックスにはアイテム名を記載したラベルを貼付し、誰が見ても迷わず取り出せる状態を目指しましょう。可能であれば下記のようにカテゴリー別に色分けすると、初めて倉庫に入る人でも対応しやすくなります。
- 出荷用
- 入荷用
- 予備
2.在庫の保管場所を見直して探す手間を減らす
倉庫業務において、在庫の保管場所を見直すことは、作業の効率化に直結します。特に、在庫数が多い現場や類似商品が混在している場合、配置の工夫だけで作業時間とストレスを大幅に削減できます。
まずは、商品ごとの出荷頻度やサイズ、重量に応じて保管場所を見直しましょう。頻繁に出荷される商品は、作業者が取りやすい場所に配置することで、ピッキング作業の時間を短縮できます。
また、ロケーション管理を導入し、棚番号やゾーンごとの管理を徹底することも効果的です。下記のようにカテゴリー別に整理し、通路や棚にも表示を付けておけば、誰が見ても迷わずたどり着ける状態をつくれます。
- Aゾーン……日用品
- Bゾーン……文具
- Cゾーン……医療品
さらに進んだ改善策として、スマートグラスとロケーション情報を連携させた作業支援も効果的です。スマートグラスを装着すれば、作業者の視界に目的の棚番号や商品名が表示され、音声ナビやルート表示機能によって「どこに行けば良いか」がすぐに分かるようになります。
現場に導入すれば「探す時間がほぼゼロに」「新人でも初日からピッキング作業に参加できる」といった成果が出るでしょう。
3.ピッキングリストを見直して作業を効率化する
ピッキングリストは、倉庫作業の中でも重要な指示書です。情報が見づらかったり順序がバラバラだったりすると、作業者は商品を探し回ることになり、ミスやタイムロスの原因になります。
まずはリストのレイアウトを整備し、下記のような情報を項目ごとに並べて、誰が見てもすぐに理解できる形式に統一しましょう。
- 保管棚番号(例:A-03-2段目)
- 商品名(略称でなく正式名称)
- 数量(個数・セット数など)
- ロケーション順(棚順)に並べ替え
例えば「出荷頻度の高い棚 → 中程度 → 低い棚」といった順にリストを並べれば、現場での移動距離が減り、効率的に商品を集められます。
また、リストのデジタル化も効果的です。Excelや倉庫管理システム(WMS)で生成したデータを、スマートグラスやハンディターミナルと連携させれば、作業者は視界に棚番号や商品情報を表示しながら、ハンズフリーで作業可能です。
アプリ次第では、視界に「次に取る商品」や「現在地からのルート案内」を表示できるため、紙のリストを持ち歩く必要がなくなり、作業の中断や確認ミスも減少します。
4.作業環境を整えて負担を軽くする
作業環境の整備は従業員の負担を軽減し、業務の効率化を図るために重要です。身体的な負担を減らせば、作業効率や品質の向上に直結します。
まずは、作業台や椅子の高さを作業者に合わせて調整し、身体への負担を軽減しましょう。特に、長時間の立ち作業や座り作業を行う現場では、適切な姿勢を保てる環境が作業者の健康と生産性の両方に大きな影響を与えます。
照明や空調といった作業環境の快適性も見逃せません。適切な明るさと温度が保てば、集中力を高めることが可能です。
加えて、近年では「作業環境のデジタル化」も進んでいます。例えば、スマートグラスを導入すれば、作業者の視界にマニュアルや梱包手順を表示できるため、両手を使ったまま作業を進められます。スマートグラスの導入は、新人教育や作業ミス防止で効果を発揮するでしょう。
5.人員配置を工夫して出荷をスムーズにする
倉庫業務において、出荷作業の効率化と精度向上は、顧客満足度に直結する重要な課題です。遅れや誤出荷が起きれば、顧客満足度の低下や返品コストの発生に繋がるため、作業工程の最適化と適切な人員配置が欠かせません。
まずは、作業全体の流れを可視化し、各工程に必要な人員や時間を把握することから始めましょう。具体的には、下記のような各ステージで作業負荷のバランスを見ながら、ピーク時には柔軟に人員を増やすなどの対応が求められます。
- ピッキング
- 梱包
- 出荷
作業者のスキルや経験を考慮した人員配置も、作業効率を高める鍵となります。例えば、熟練者には複雑な出荷処理や検品作業を任せ、新人には比較的単純な工程を担当させると、全体のパフォーマンスが安定します。
また、スマートグラスを活用した出荷支援も効果的です。作業員がスマートグラスを装着することで、視界にピッキングリストや出荷指示、棚番号などの情報がリアルタイムで表示されます。
これにより、手元の資料を確認する必要がなくなり、両手を使ったまま作業が可能です。音声ナビやルートガイド機能を備えた機種であれば、作業スピードの向上がさらに期待できます。
まとめ
事務・工場・倉庫における小さな改善事例は、どれも実践しやすいものばかりです。業務の効率化や作業者の負担軽減を実現するためにも、まずは身近なところから手をつけて、自社の業務に合った小さな改善策を見つけてみてください。
小さな改善だけでは不十分な場合は、スマートグラスを導入するのもおすすめ。「スモールスタート」で試しながら始めれば、徐々に改善の輪を広げていけます。例えば「1人の作業者で試験運用して効果を検証」→「段階的に拡大」のような進め方が可能です。
なお、リベロエンジニアでは各業務に即したスマートグラスのアプリ開発を行っています。Vuzix社の「M400 スマートグラス」の販売代理店ライセンスも取得しているため、アプリ開発からスマートグラスの導入まで一括してご依頼いただけます。
スマートグラスで業務の改善を検討している場合は、ぜひリベロエンジニアにご相談ください。
\”現場に合わせた使いやすいDX化”をスモールスタートできる!/
【この記事の監修者】

株式会社リベロエンジニア
代表取締役(CEO):金子 周平
元エンジニアとして「エンジニアをもっと自由に。」を掲げ、エンジニアが自由かつ公平に働ける環境を目指し2014年に創業。
高還元SESのリードカンパニーとしてIT派遣の新たなスタンダードを作る。現在はデジタルイノベーション企業として、スマートグラスのアプリ開発をはじめ、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の支援に注力している。