スマートグラスでの動画撮影を業務に活用!できることやおすすめ機種を紹介
2025.06.23
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スマートグラスでの動画撮影は、作業現場の記録や教育用映像の撮影が簡単にできるとして、製造業や物流業、建設業など、多くの中小企業で導入が進んでいます。人手不足や後継者不足が深刻化する中小企業が多いなか、スマートグラスの導入は課題解決の一助になるでしょう。
スマートグラスは、眼鏡のように装着するだけで視界にデジタル情報を表示したり、ハンズフリーでの動画撮影を可能にしたりと、業務効率を向上させられます。
本記事では、スマートグラスの動画撮影機能に焦点を当て、中小企業が具体的に得られるメリットや、機種選定のポイントを詳しく解説します。動画撮影に向いている機種も4つ紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
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【動画撮影関連】スマートグラスでできること4つ
スマートグラスは、現場状況を映像記録したり、遠方の作業者と情報を共有したりと、多岐にわたる活用が可能です。そのため、製造業・物流業・建設業・医療現場・インフラ業界など、さまざまな分野で導入が進んでいます。
なぜ多様な業界で導入が進んでいるのか?スマートグラスの動画撮影機能による具体的なメリットを、以下4つ紹介します。
- ハンズフリーで安全に作業状況を記録
- マニュアルや教育用映像の素材を簡単に撮影
- 遠隔地との連携・情報共有を効率化
- モニター代わりにしてマニュアル動画や図面を確認
① ハンズフリーで安全に作業状況を記録
スマートグラスでの動画撮影は、両手がふさがらない点が大きなメリットです。高所作業や危険な場所での作業では安全性が向上し、事故のリスクを軽減できるでしょう。
また、業務効率アップにも効力を発揮します。例えば点検作業や組み立て作業を映像記録すれば、記録作業を効率化できます。
機器類の故障や作業ミスが発生した際には、記録映像をもとに再発防止策の立案も可能です。映像記録は業務プロセスを客観的に把握できるため、非効率な部分を発見して業務の最適化にも繋げられるでしょう。
② マニュアルや教育用映像の素材を簡単に撮影
スマートグラスでの動画撮影は、新人教育や技術伝承にも活用できます。
熟練者の手元の動きや複雑な作業手順をスマートグラスで撮影すれば、知識やノウハウを映像として蓄積できます。言葉や文章だけでは伝えにくいコツを効果的に伝えられるでしょう。
また、作業動画はマニュアルの素材としても活用できます。静止画やテキストだけでは伝わりにくい複雑な手順を直感的に理解させるのに有効です。
教育用映像の導入は、新人のトレーニング期間を短縮し、即戦力化を促進します。教育用映像をスマートグラスで視聴することも可能なため、現場で作業しながらのマニュアル確認も容易になります。
③ 遠隔地との連携・情報共有を効率化
スマートグラスで撮影した動画は、クラウドストレージや社内ポータルを通じて全社で共有可能です。工場や支店が全国に分散していても、現場の知見やノウハウをスムーズに展開できるでしょう。
一方、スマートグラスはリアルタイムでの情報共有も可能です。
遠隔支援機能を使えば、現場の作業員が見ている映像を、オフィスにいる管理職や専門家がリアルタイムで確認できます。トラブル発生時に迅速な判断を下したり、遠隔地から具体的な指示を出したりすることが可能になります。
遠隔地から現場状況を把握できるようになれば、不要な出張を減らせるため、移動コストの削減に繋がります。移動にかかる時間を考慮せずに済むため、意思決定のスピードも向上するでしょう。
④ モニター代わりにしてマニュアル動画や図面を確認
スマートグラスのディスプレイをモニター代わりにして、動画・画像の視聴デバイスとしても優秀です。
パソコンやタブレットを持ち運ぶことなく、現場で必要な情報にアクセスできるため、作業効率を大幅に向上させられます。パソコンや紙のマニュアルを開く手間が省け、スムーズに作業を進められるでしょう。
特に危険物がある場所や高所作業時には、安全性向上にも寄与します。
スマートグラスには、同時通訳やアプリ連携など、さまざまな機能があります。スマートグラスを使って企業ができることは、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてみてください。
動画撮影用スマートグラスの導入前にチェックすべきポイント6つ
動画撮影を目的としてスマートグラスを導入する際には、注意したいポイントがあります。以下6つのポイントを事前に確認し、自社に最適なスマートグラスを選定しましょう。
- バッテリー持続時間
- 保存形式とストレージ容量
- 通信環境
- セキュリティ
- プライバシーへの配慮
- アプリ機能
① バッテリー持続時間
業務中にバッテリーが切れると、撮影や作業が中断されかねません。長時間の現場作業や外出先での使用が多い場合は、大容量かつ急速充電対応のモデルが望ましいでしょう。
電源を落とさずバッテリー交換できる、ホットスワップ対応モデルもおすすめです。予備バッテリーと併用すれば、作業を中断せず使用できます。
モバイルバッテリーからの給電可否も、運用の柔軟性を高めるポイントです。
② 保存形式とストレージ容量
撮影した動画の保存形式は、業務フローや編集作業のしやすさに影響します。汎用性の高いMP4形式で保存できるモデルを選ぶと、他のデバイスとの互換性も確保できます。
データの保存先は大きく分けて以下2つあり、自社の運用に合せて選びます。
- スマートグラス本体に保存
- 外部デバイス(パソコンやスマートフォン)に保存
動画撮影で使用する場合、スマートグラス内臓のストレージ容量は64GB以上をおすすめします。フルHD撮影の場合、2時間40分程度の動画を保存できます。
SDカードのような、外部メモリによる拡張性も確認しておきましょう。
③ 通信環境
現場でのリアルタイム共有や遠隔支援を行う場合、安定した通信環境が必要です。使用場所に高速かつ安定したWi-Fi環境があるか、電波状況に問題がないか事前にチェックしましょう。
屋外作業が多い場合は、LTE通信対応モデルがおすすめです。Wi-Fiが使えない環境でも通信が可能になります。
④ セキュリティ
スマートグラスで扱う映像には、機密情報や個人情報が含まれる場合があるため、セキュリティ対応が必須です。以下の機能があると安心です。
機能 | 概要 |
暗号化通信 | データ送受信を暗号化して情報漏洩リスクを低減 |
多要素認証 | 指紋認証や顔認証などでセキュリティ強化 |
パスワードロック | 不正利用の防止に効力 |
不正アクセス対策 | ハッキングからデバイスを保護 |
リモートワイプ | 遠隔からのデータ消去が可能で盗難時に安心 |
併せて社内での使用ルールや管理ポリシーも整備しておくと、セキュリティリスクの低減に繋がります。
⑤ プライバシーへの配慮
撮影時に従業員や顧客が映り込む可能性がある場合、プライバシー保護への対応が不可欠です。
従業員や顧客の同意を得ずに撮影を行うと、プライバシー権の侵害や個人情報保護法違反に問われる可能性があります。
また、撮影した動画を本人の許可なく公開することは、肖像権の侵害にあたります。
社内限定の撮影であっても撮影前に十分な説明を行い、同意や本人の許可を得るようにしましょう。コンプライアンス違反にならないためにも、プライバシーに配慮した撮影をするよう従業員へ教育することも大切です。
⑥ アプリ機能
スマートグラスは、搭載されているアプリによって利便性が大きく変わります。標準搭載アプリにどのような機能があるのかを確認しましょう。
標準搭載アプリでは自社の業務フローをカバーできない場合は、自社専用アプリの開発も可能です。スマートグラスのアプリ開発に対応できるITベンダーに依頼すれば、自社の課題や業務フローに沿ったオリジナルアプリを製作できます。
リベロエンジニアでは、中小企業のDX支援としてスマートグラスアプリ開発を手掛けています。建築業の企業向けにオリジナルのアプリを開発し、ヒヤリハット報告機能やミラーリング機能などの搭載に成功しました。
スマートグラスを利用してみたいものの、自社の業務フローに合致するか不安という方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
スマートグラスのアプリ開発は、以下の記事で詳しく解説しています。
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ビジネスでの動画撮影におすすめのスマートグラス4選
スマートグラスはさまざまなメーカーから発売されており、特徴や得意分野が異なります。ビジネス利用で動画撮影をする際におすすめのスマートグラスを4つ紹介します。
動画撮影に必要なスペックとおすすめのスマートグラスを以下の表にまとめました。概要は
以下からご確認ください(値段・性能は全て2025年6月時点)。
項目 | Vuzix M400 | Lenovo ThinkReality A3 | RealWear Navigator 500 | InfoLinker3 |
価格 (国内販売) | 税込¥219,780 | PC版: 税込¥192,500、Industrial版: 税込¥544,500 | 税込約¥451,000 | オープン価格 |
バッテリー容量 | 135mAh(本体内蔵)+750mAh~4,800mAh(外部取付け) | スマートグラス本体にバッテリー非搭載。接続デバイスから給電。 | 2,600mAh | 4,900mAh |
バッテリー交換 | ホットスワップ対応(※) | - | ホットスワップ対応 | ホットスワップ対応 |
動画保存形式 | MP4 | MP4 | 要問い合わせ | MP4 |
ストレージ容量 | 内蔵64GB | 要問い合わせ | 内蔵64GB | 内蔵64GB |
動画解像度 | 4kまたは1,080p | 1,080p | 1,080p | 4K |
(※)ホットスワップ対応とは、ユーザーによるバッテリー交換が可能で、交換中も動作継続が可能な仕様のこと。
① Vuzix M400

出典:Vusix
「Vuzix M400」は、堅牢な設計と高性能なカメラを搭載した、産業用途に特化したスマートグラスです。
バッテリーは本体内蔵135mAhに加え、外部取り付けで最大4,800mAhまで増設が可能です。ホットスワップに対応しているため、バッテリー交換中も動作を継続できます。動画保存形式はMP4、内蔵ストレージは64GBで、4Kまたは1,080pの動画解像度に対応しています。
Vuzix M400は優れたカメラ性能が特徴です。4K解像度での動画撮影に対応しているため、現場の細部まで鮮明に記録することができ、精緻な作業記録に役立ちます。
ホットスワップ対応バッテリーは、長時間の作業でもバッテリー切れによる中断を気にせず、スムーズに作業を継続できます。
リベロエンジニアはVuzix M400の販売代理店として、デバイス提供に留まらないトータルサポートを提供しています。
具体的な業務内容や課題をヒアリングした上で、業務フローに合わせた最適なアプリ開発を行っています。スマートグラス導入にかかる費用負担を軽減できるよう、補助金申請支援にも対応可能です。
過去には、大手住宅設備メーカーの倉庫内作業効率化を目的としたスマートグラスの試験導入に参画し、効果が認められたことで本格導入へと繋がりました。
Vuzix M400以外のデバイスにも順次対応予定です。スマートグラスでの業務改善に興味のある方は、ぜひお気軽にご相談ください。
② ThinkReality A3
出典:Lenovo
「ThinkReality A3」は、使用環境に応じてPC版とIndustrial版の2種類から選択できるスマートグラスです。
PC版は既存のパソコンと接続して利用し、バーチャルモニターとして使用できます。一方、Industrial版は作業現場での使用が想定されており、遠隔支援やARによるデータの立体表示に対応しています。
ThinkReality A3は本体にバッテリーがないため、長時間装着しても作業員の負担になりにくい軽量性が特徴です。動画保存形式はMP4、動画解像度は1,080pに対応しています。
用途や接続するデバイスによって最適なモデルを選択できるため、柔軟な運用が可能になるでしょう。
出典:RealWear
「RealWear Navigator 500」は、音声操作や防塵防水機能に優れており、作業現場での使用におすすめです。
バッテリーは2,600mAhを搭載し、ホットスワップにも対応しています。内蔵ストレージは64GBで、1,080pの動画解像度に対応しています。
RealWear Navigator 500の最大の特徴は、騒音環境下でも利用できる音声認識機能です。最大100dBの雑音環境でも音声コマンドを認識できるため、高所作業時や危険物取り扱い時でも安全かつ効率的に作業を進められます。
埃や水濡れ、落下、寒冷環境にも強い設計で、過酷な環境下にも耐えうる耐久性が魅力です。
④ InfoLinker3
出典:フィールドクロス株式会社
InfoLinker3は産業用スマートグラスには数少ない国産モデルです。
大容量バッテリーを搭載しホットスワップにも対応しているため、長時間の連続使用が可能です。動画保存形式はMP4、内蔵ストレージは64GBで、4Kの動画解像度に対応しています。
InfoLinker3の特徴は圧倒的なバッテリー持続時間です。4,900mAhの大容量バッテリーを搭載しているため、一度の充電で長時間の連続稼働が可能です。
LTE通信機能も搭載しているため、屋外での長時間作業が見込まれる方におすすめです。
バッテリーはネックバンドに搭載されているため、頭部への負担を軽減できます。国内サポートの充実も、導入を検討する企業にとって大きなメリットとなるでしょう。
まとめ|スマートグラスの動画撮影機能で現場DXを推進!
動画撮影機能を備えたスマートグラスは、以下のような業務改善に貢献します。
- ハンズフリー撮影による作業効率と安全性の向上
- マニュアルや教育動画を手軽に作成し、技術継承を促進
- 遠隔支援や情報共有のリアルタイム化
- 現場での図面・手順確認による作業の中断削減
スマートグラスの効果を最大限に活用するためには、自社の業務フローや課題に合った製品を選定することが重要です。
リベロエンジニアでは、スマートグラスの選定から導入支援、業務アプリの開発、補助金申請までトータルにサポートしています。現場DXの第一歩として、スマートグラス導入をご検討中の方は、ぜひお気軽にご相談ください。
\”現場に合わせた使いやすいDX化”をスモールスタートできる!/
【この記事の監修者】

株式会社リベロエンジニア
代表取締役(CEO):金子 周平
元エンジニアとして「エンジニアをもっと自由に。」を掲げ、エンジニアが自由かつ公平に働ける環境を目指し2014年に創業。
高還元SESのリードカンパニーとしてIT派遣の新たなスタンダードを作る。現在はデジタルイノベーション企業として、スマートグラスのアプリ開発をはじめ、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の支援に注力している。