倉庫現場をスムーズに。スマートグラス「Libero Sight」開発リーダーの寄り添い力
2025.10.16
スマートグラスを装着するだけで、両手を使った作業をしながら、リアルタイムで情報確認・ナビゲーションができる――。そんな、現場作業を“見える化”し、生産性を高める新しいスマートグラスソリューションが「Libero Sight(リベロサイト)」です。
物流や倉庫業界の“あったらいいな”を叶える次世代ツールとして、リベロエンジニアがチームで開発をしました。そのアプリ開発を一手に担ったのは、エンジニアリーダーを務めた岸上功一さん。現場の声と向き合い続けた開発の舞台裏をインタビューしました。
\リベロエンジニアが開発した倉庫DXソリューション!/
現場の課題感にしっかり耳を傾けたソリューション
――まずは、「Libero Sight」の特徴について教えてください。
岸上:「Libero Sight」は、物流現場の作業効率と精度を高めるために開発されたスマートグラス対応アプリです。既製のメガネ型のウェアラブルデバイス「VUZIX M400」を装着することで、作業者は両手を自由に使いながら、視界上に表示される指示や情報をリアルタイムで確認できます。
これにより、倉庫内での入出庫作業やピッキング、検品といった業務を、紙やハンディ端末に頼ることなくスムーズに進めることが可能になります。

大きな特徴は“ハンズフリー”で操作できること。たとえば、トラックで届いた荷物のバーコードをカメラで読み取ると、目元のディスプレイに商品情報が表示されます。そのまま視線でナビゲーションを確認できるので、両手がふさがることなく、安全かつ効率的な作業が可能になります。
――現場において、どのような課題感から、この製品が生まれたのでしょう?
岸上:じつは以前、遠隔作業支援用のスマートグラスのアプリをつくった経験がありました。そこから倉庫業務向けのニーズがあり、「作業者の手を止めずに情報を確認できる仕組みをつくりたい」と相談を受けたのが開発のきっかけです。
物流業界では、まだまだ「ベテランの勘」に頼っている部分も多く、ミスや教育コストが課題になっています。人手不足による問題に迫っていきているところから、ここから変えていく必要がありました。
今回開発したLibero Sightでは、視覚的に情報を提示することで、経験に頼らない作業を実現しようとしています。新人や経験の浅い作業者でも、表示されるガイドに従うだけでミスなく効率的に業務を遂行でき、現場全体の作業品質を均一化します。これにより、教育時間や指導コストの削減はもちろん、急な人員不足やシフト変更にも柔軟に対応できる体制づくりが可能になります。
使う人がストレスに感じないことを最優先に開発
――実際に現場で働く人の使用感などはどのように取り入れられたのでしょうか?
岸上:過去の経験から、「操作が分かりづらい」「画面がまぶしすぎる」などの問題点を意識して手掛けました。
また、「ボタン操作だけで完結したい」「文字入力はNG」などの声があることも経験からわかっていたので、そこも反映しています。

――今回、新たに生まれた現場の方からの声はありましたか?
岸上:ありましたね。M400はタッチパネルもあるのですが、どうしても誤操作が多いという現場からのフィードバックもありました。そこで、今回タッチパッドは封印して、「3つのボタンだけで操作が完結する設計」にしています。とにかく“実際に使う人がストレスを感じないこと”を最優先にしています。
「誰でもすぐ作業に取り掛かれる」が実現するのが大きな価値に
――開発中、特に印象的だったエピソードはありますか?
岸上:初回版を持って導入企業さまの倉庫で実物を使っていただいた結果、いろいろなご意見をいただき修正が発生しました。
資料ベースでは良さそうだな、と思っても実物を触ってみるとこうした方がいいんじゃないか、将来的にはこういったこともやりたい、といった意見をいただきました。やはり実物を使っていただくのが一番わかりやすいんだな、と改めて実感しましたね。
――Libero Sightは、どんな現場で使ってもらいたいですか?
岸上:倉庫業務全般を改善したい企業、特に人手不足に悩んでいる企業にこそ使っていただきたいですね。Libero Sightがあれば、新人さんや外国人スタッフでも、ナビゲート機能で同じ品質の作業ができるようになります。また、経験値に頼らずとも、「誰でもすぐ作業に取り掛かれること」が実現するのは、仕事において大きな価値ではないでしょうか。

――今後の展望を教えてください。
岸上:今はお客さまごとのカスタム仕様に合わせて開発していますが、今後はより汎用的に使えるように改良予定です。業務システムとの連携や、多言語対応、作業データの可視化なども視野に入れています。
やっぱり、エンジニアとしては現場の方に「これ便利だね」と言ってもらえる瞬間が、一番うれしいですね。
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