【社内勉強会レポート①】Claude Code入門と「自律型AI」に提案資料を作らせる実践テクニック
2026.04.21
AIが急速に進化する今、その実務への活用はすべてのビジネスパーソンにとっての課題です。リベロエンジニアでは、エンジニアが現場で培った最新技術を社内に還元する「社内勉強会」を開催しています。今回は、4月15日(水)にオンラインで開催された「Claude Codeを使ったAI開発勉強会」の模様をレポートにします。
第1部となる本記事では「初心者・非エンジニア向け」に、話題のAIエージェント「Claude Code」を使って、提案資料の作成などの日常業務を劇的に効率化する実践テクニックをご紹介します。リベロエンジニアのフラットで活発な社内の雰囲気とともにお楽しみください。
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登壇者紹介:バックエンドエンジニア 菊池 匡洋さん

今回の勉強会で講師を務めてくれたのは、エンジニア・菊池 匡洋(きくち まさひろ)さんです。
菊池さんは、IT専門学校を卒業後、東証上場企業の自動車部品メーカーで社内SEとして6年間勤務。そこではレガシー化した基幹システムをAWS環境へ再構築するという、難易度の高いプロジェクトをメインで担当していました。その後、2024年12月にリベロエンジニアに入社。現在は自社サービスである「Libero Sight(リベロサイト)」のバックエンド開発をメインで担っています。
AIの使用歴はリベロエンジニアに入社してからの約1年半。その中でも「Claude Code」は今年に入ってから本格的に使い始め、今では社内随一の習熟度を誇ります。そのスキルを社内で共有すべく、講師を務めることになりました。
今回、勉強会に参加した半数が「ほかのAIは使うが、Claude Codeをまだ使ったことがない」とのことでした。そんな初めて触る人に向けて、菊池さんが実演を交えてわかりやすく解説してくれました。
そもそも「Claude Code」って何?ほかのAIとの違いとは?
「Claude Code(クロードコード)」と聞くと、エンジニア向けの難しいプログラミングツールを想像するかもしれません。 しかし菊池さんによれば、Claude Codeとは「自律的にファイルやツールを操作して、作業をこなすAIエージェント」とのことです。もっと簡単に伝えるなら、「自分のパソコン内にあるファイルの読み書きができる機能がついたAI」とも言えます。

大きく分けて、以下の3つのインターフェース(使い方)があります。
・ターミナル版:映画に出てくるハッカーのように、黒い画面(WindowsのPowerShellやコマンドプロンプトなど)にコマンドを打ち込んで操作するもの。こちらは完全にエンジニア向けです。
・Claude Desktop(コードタブ):パソコンにインストールして使うアプリ版。ターミナル版の機能を、一般ユーザーでも直感的に使いやすくしたものです。(※今回の実演ではこちらを使用します)
・Claude Desktop(Coworkタブ):コードタブをさらに一般の非エンジニア向けに使いやすくした最新のモード。GUIベースで操作でき、指定したフォルダへの読み書きを無条件に許可するなど、より手軽に始められる設計になっています。
従来のWebブラウザ版AI(ChatGPTやClaudeのWeb画面)との「決定的な違い」について、菊池さんはこう語ります。
「WebチャットのAIだと、毎回ファイルをAIにアップロードし直しになり、1回にアップロードできるサイズにも制限があって大変ですよね。しかしClaude Codeなら、指定したローカルのフォルダに情報を置いておくだけで、AIが勝手に複数ファイルを横断して読み込み、ローカルに直接ファイルとして作成・保存してくれます。使うほどに、自分専用のナレッジベースがパソコン内に育っていくんです」
【実演①】AIを「新人営業マン」に仕立ててナレッジベースを活用!

菊池さんのパソコン画面を共有しながら、実際の業務を想定した実演が行われました。 今回は「リベロサイトの新規開拓営業を担当する、田中健太(35歳)」という具体的なペルソナ(設定)を持たせて、顧客向けの提案資料の構成案をAIに作らせます。
ステップ1:AIへの「引き継ぎ資料(CLAUDE.md)」を用意する

まず、パソコンのCドライブ直下に「claude-work」といった作業用フォルダを作成します。 その直下に用意するのが、CLAUDE.mdというファイルです。これは「AIに対する引き継ぎ書(オンボーディング資料)」の役割を果たします。「あなたはリベロサイトを販売する新規開拓営業の田中健太です」といった前提条件をここに一度書いておけば、次回以降AIが自動で読み込んでくれるため、毎回AIに前提条件を教える手間が省けます。
ステップ2:顧客の過去の商談メモを蓄積しておく

作業フォルダ内の customers/ フォルダに、過去の商談履歴を格納しておきます。今回は「丸辰食品(現在検討中)」と「三栄ロジテック(成約済み)」という2社分の複数回の商談履歴が用意されていました。
ステップ3:AIに複数ファイルを横断で読み込ませる

準備が整ったら、Claude Codeに以下のように指示を出します。
丸辰食品の商談履歴を全部読んで、次回提案の論点を整理して。あと三栄ロジテックの成約事例から転用できそうなネタも出して。結果は customers/丸辰食品/次回提案_論点.md に保存

するとAIは、指示通りに複数のフォルダ(丸辰食品と三栄ロジテック)を自律的に読みに行き、両社の情報を掛け合わせた上で、見事な「次回提案の論点整理」のテキストファイル(Markdown形式)をものの数秒でローカルフォルダに直接保存しました!
【実演②】テキストから提案資料(パワーポイント)を自動生成!SVG活用術
次はいよいよ出来上がった構成案をもとにPowerPoint(パワーポイント)の提案資料を作成させます。ここで菊池さんから、AIを使いこなすための非常に実践的なTips(コツ)が紹介されました。
最初からパワーポイントを作らせない理由
「最初から直接パワーポイントを作らせることも可能ですが、パワーポイントはテキストに比べて容量が重く、AIの生成時間もかかってしまいます。まずは軽いテキスト形式でAIとやり取りをして構成をブラッシュアップし、最終的な清書としてテキストを渡してパワポにさせる。これが、AIの利用料節約と時短に繋がるコツです」
【実践Tips】図解のレイアウト崩れは「SVG形式」で防ぐ!

AIにパワポ資料を作らせる際、よくある悩みが「図形や矢印のレイアウトがずれる」という問題です。これを解決する魔法の指示が「SVG形式」の指定です。
さっきの次回提案論点をベースに、丸辰食品向けの提案資料をパワポで作って。弊社サービスのフロー図は SVG で描いて挿入。ファイル名は 丸辰食品_提案_v1.pptx で
「AIに普通に図を描かせると配置が崩れがちですが、SVG(Scalable Vector Graphics)という画像形式を指定すると、AIがテキストベースで座標計算できるため、非常に安定して綺麗な図を出力してくれます」と菊池さん。
実際に生成されたパワポ画面を見ると、しっかりとしたフロー図が挿入されており、SVGなのでパワポ上で後から自由に色やサイズを変更することも可能でした。
白熱の質疑応答(Q&A)!課金プランやセキュリティはどうなってる?
リベロエンジニアの勉強会は、参加者からの質問が活発に飛び交うのが特徴です。今回もエンジニアやそうではない社員を問わず、多くの鋭い質問が寄せられました。
Q. Web上の最新情報も拾ってくるの?
A:明示的に「Webから情報を取ってきて」と指示すればアクセスできますが、基本的には事前に学習したデータ(少し古い情報)から回答する可能性が高いです。おすすめの使い方は、最新の情報を人間がテキストにまとめて作業フォルダに置いておくこと。情報収集と資料作成で、人間とAIがうまく分担するのがコツです。
Q. ぶっちゃけ、課金プランやお値段は?

プランは無料版を除き、Proプラン(月額20ドル)と、さらに容量の大きいMaxプラン(月額100ドル、200ドル)があります。一般ユーザーはProプランで十分とのことですが、菊池さんは月額200ドルのMaxプラン(Proプランの20倍のトークン容量)を使用しています。
その理由を、「月3万円(200ドル)は結構な投資ですが、自分がやらない作業を効率よくこなしてくれるので、時間対効果で見たら圧倒的に『買い』ですね」と語る姿が印象的でした。
Q. 情報漏洩など、機密情報を扱っても大丈夫?

開発元のAnthropic社は「Pro/Maxプランでは、ユーザーのデータをAIのモデル学習には使わない」という方針を明言しています。ただし、機密度の高い情報を業務で扱う際は、必ず会社のセキュリティポリシーに従って慎重に扱う必要がありますので、「Claudeの改善のご協力ください」という項目をオフにしたほうがいいでしょう。
Q. 菊池さんは、なぜ数あるAIの中で「Claude」を選んだの?
この質問に対し、菊池さんは「過去1年間、色々なAIを試行錯誤し、ベンチマークテストを行いました。受け売りでもランキング記事の情報でもなく、『一番自分が欲しい正解のコードを出してくれたのがClaudeだったから』、ただそれだけです」とのこと。今後も活躍してくれそうと期待しています。
まとめ:最新技術をオープンに共有するリベロエンジニアのカルチャー
普段はさまざまな現場で活躍するエンジニア同志の交流の場としてこのような勉強会が行われています。今回は初心者向けの資料づくりについての活用をレクチャーいただきましたが、参加した社員からは「まさにパワポ資料の作成で色々なAIを試行錯誤していたところだったので、すごく活用できそう!」と大絶賛の声が上がりました。
菊池さんは最後に、「AIに仕事を奪われるのではなく、AIを「超優秀なアシスタント」として使いこなし、人間本来のクリエイティブな仕事に集中する。使うほどに自分専用のナレッジベースが育っていくClaude Codeは、まさにその強力な武器になりそうです」と語り、勉強会を締めくくりました。

次回予告
続く【第2部 上級者向け】の記事では、いよいよエンジニア向けに「Claude Codeを使った実際のバックエンド開発のフロー」や「AIの暴走を防ぐフック(hook)機能の活用法」など、現場の泥臭い課題を解決する超実践的なディープな内容をお届けします! 「いざという時に切腹できるのは命ある人間だけ」という名言も飛び出した第2部。どうぞお楽しみに!
<構成/リベロエンジニア広報室>
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