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【2026年度版】物流DXが進まない会社の特徴とは?中小企業が陥りやすい課題を解説

2026.05.11

カテゴリー:倉庫DX・物流DX
物流DX化

物流業界では、2024年問題(ドライバーの時間外労働の規制強化)やECの急伸によって人手不足と業務の複雑化が進み、従来の紙・電話・FAX中心のやり方では立ち行かなくなっています。国土交通省のリーフレットも、担い手不足や災害の激甚化、非対面型物流への転換などで “物流業務におけるDX導入の進展度は鈍く”、中小事業者を含め推進を加速する必要があると指摘しています。

しかし現場からは「DXを進めたいがどう動けばよいか分からない」「システムを入れたのに活用されない」といった声も多く聞かれます。本記事では、物流DXが進まない会社に共通する特徴を整理し、現場が動き出すためのヒントをお伝えします。重箱の隅を突くのではなく、課題の背景と解決策をやさしく解説していきます。

なぜ物流DXが進まないのか?主な要因6つ

では、これだけDXが推奨されているにも関わらず、なぜ導入が進まないのでしょうか?その要因を紹介します。

参照記事:物流企業のDX・デジタル化が進まない要因はコスト・人材と「紙・FAX・電話への依存」。荷主企業の課題は「運賃・物流コストの上昇が避けられない」が約4割

参照記事:なぜ?運送業界のDX化が進まない理由3選

投資余力とIT人材の不足

インフォマート社が2025年に実施した調査によると、物流企業がDX・デジタル化を進められない理由の1位は「投資余力がない」35.2%、2位は「IT人材がいない」32.0%という結果でした

物流企業の大半は中小企業であり、資金面・人材面の余裕が限られるため、デジタル投資に踏み切れず、専門人材の確保や育成も難しいのが実情です。運送業界は中小企業が99%を占め、収益体質がぜい弱なためデジタル投資に回す余裕資金が少ないこと、ITに長けた社員が少ないことがDX推進の大きな障壁になっていると指摘されています。

アナログな商慣習と多重構造

下請けが多い物流業界では、荷主ごとにシステムや帳票の形式が異なり、電話やFAXでのやり取りが根強く残っています。前出のインフォマート社の調査でも、DXを阻む要因として「紙やFAX、電話に依存している」が28.8%挙げられました。多重の取引関係や飛び込みの仕事が多く標準化が難しいこと、荷主ごとに異なるツールが乱立していることが、データ連携や業務効率化を難しくしています。

現場と経営の温度差

DXを推進するには経営層の理解と現場の納得が欠かせません。しかし「システムを入れること」が目的化していたり、経営層と現場の温度差が大きいと、現場の実態に合わないツールが導入され、かえって負担が増えることがあります。

経営者の中には、デジタル化によって労働時間などの実態が明るみに出ることを懸念し変化を避ける人もいると報告されています。現場から「使いにくい」「指示が変わるばかり」といった声が出ると、せっかく導入したシステムが宝の持ち腐れになってしまいます。

ツール選定の難しさと乱立

前出の調査では「どのツールを選べばよいかわからない」が24.0%、「使用するツールが乱立している(荷主によって異なる)」が22.4%という回答がありました。物流業務には倉庫管理、配車計画、請求など多様な機能が必要なため、複数のシステムを組み合わせるケースが多く、結果としてデータが散在し連携にコストがかかります。

小規模企業が大手と同じような統合パッケージを導入するのは現実的でなく、使い勝手が悪いと現場は紙やExcelに逆戻りしてしまうのです。

一気に変えようとする焦り

物流DXでは大規模なシステム刷新やロボット導入が注目されがちですが、いきなり全工程を置き換えると現場が混乱し、定着せずに終わることが少なくありません。

教育と定着支援の不足

新しいツールを導入しても、現場が使いこなせなければ意味がありません。タブレットやスマートグラスなどICT機器に不慣れなスタッフも多いので、マニュアル整備や研修、デジタルマニュアルの活用など、運用定着に向けた伴走が欠かせません。DX担当者が不在の中小企業では、この定着支援が後回しになりがちです。

現場を救うDXの進め方

DXを進めるうえでは、大きな投資や難しいシステムを無理に導入する必要はありません。以下のステップで段階的に取り組むことが、現場の負担を減らしながら成果を出す近道です。

課題を見える化する

紙やExcelで行っている作業、二重入力が発生している業務、属人化している工程を棚卸しし、「どこにムダや負担があるか」を明らかにします。この段階では難しい言葉を使わず、現場の声をじっくり聞くことが大切です。

小さく始める

いきなり倉庫全体の自動化を目指さず、例えばバース予約や配車計画など、一つの工程から着手します。クラウドサービスやスマートグラスを活用すれば初期投資を抑えられます。小さな成功体験が現場の安心につながります。

使い慣れたツールと連携する

現場で普段使っているシステムやExcelと連携できるツールを選ぶと移行がスムーズです。API連携やデータ出力ができるかを確認し、重複入力の手間を減らしましょう。

現場の理解と経営層の支援を得る

DXの目的とメリットを共有し、現場からのフィードバックを取り入れる仕組みを作ります。経営層が現場改善に本気で向き合う姿勢を示すことが、現場の協力を引き出します。

運用定着まで伴走する

導入後も操作研修やマニュアル整備を行い、使い方を質問できる窓口を設けます。現場にICTに詳しい人材がいない場合は外部パートナーを活用し、定着まで寄り添うことが成功のポイントです。

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成功事例:自動配車クラウドで配車計画を標準化

国土交通省がまとめた物流DX導入事例集には、中小の3PL企業がクラウド型配車計画支援サービス「LYNA 自動配車クラウド」を導入して成果を上げた例が紹介されています。従来は地図ソフトを使って担当者が手配車の計画を組んでおり、ルートの変更に丸二日かかっていたため負担が大きく、土地勘や経験がないと引き継ぎも難しい状況でした。

参考資料:物流・配送会社のための物流DX導入事例集

導入した自動配車クラウドは独自開発のAIアルゴリズムを搭載し、何十万通りの計画を瞬時にシミュレーションして最適な配送ルートを提案します。車両の稼働状況がグラフで見える化され、積載率やルート変更の調整も簡単に行えます。その結果、丸二日かかっていた配車決定作業が数時間に短縮され、引き継ぎもスムーズになりました。経験の浅いスタッフでも配車が組めるようになったため、属人化から脱却し、現場の負担を大きく減らしています。

この事例は、大規模投資ではなくクラウドサービスを活用し、現場の課題に合わせて段階的に導入することで成果を出せることを示しています。ポイントは、現場が抱える具体的な課題(時間のかかる配車計画や属人化)を明確にし、それを解決する技術を選定したことです。のように、AIがアシストする仕組みを取り入れることで、人手不足をカバーしながら効率化を図っています。

アナログ業務のデジタル化がもたらす効果

前出の調査では、物流企業がDXを進める上で「紙やFAX、電話に依存している」が28.8%という結果でした。アナログ業務をデジタル化すると、以下のような効果が期待できます。

作業時間の短縮

配車計画や在庫管理、受発注処理などの自動化により、人手で行っていた作業が大幅に減ります。事例でも配車計画の所要時間が丸2日から数時間に短縮されています。

ミスの削減

重複入力や手書きの読み間違いがなくなり、ピッキングミスや事務ミスが減ります。

情報の共有と見える化

車両や在庫の状況をリアルタイムで把握できるようになり、問題が起きたときに迅速に対応できます。

属人化の解消

経験者に頼りがちな業務を標準化でき、引き継ぎや教育の負担が軽減されます。

小さなデジタル化の積み重ねでも、現場の負担は確実に減ります。タブレットやスマートグラスを使った作業手順の提示、クラウド型在庫管理システム、AI-OCRによる伝票の読み取りなど、身近なところから始めてみましょう。

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補助金を活用してDX投資の負担を軽減

DX推進には費用がかかりますが、中小企業向けの補助金や助成制度を活用すれば初期費用を抑えられます。例えば国の「ものづくり補助金」や「省力化投資補助金」、自治体のDX補助金などでは、クラウドシステムやスマートグラスの導入が対象経費として認められる場合があります。最新の制度は毎年内容が変わるため、申請要件やスケジュールを確認することが大切です。申請に不慣れな場合は、支援機関や専門家に相談しながら進めると安心です。

弊社サイトでは、2026年度版の補助金を整理した記事を公開しています。物流DXに使える補助金や申請のポイントを紹介していますので、投資に不安がある方はぜひ参考にしてください。

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おわりに – 現場に寄り添うDXで未来を切り開く

物流DXは派手なテクノロジーだけが注目されがちですが、最も大切なのは現場の負担を減らし、働く人の生活を豊かにすることです。投資や人材不足、アナログな慣習といった課題は確かに存在しますが、それを克服する事例も増えています。今回ご紹介した自動配車クラウドのように、課題に合った技術を導入し小さく始めることで、大きな成果が得られることを実感していただけるはずです。

DXに正解はありません。経営者や現場リーダーが一緒になって改善を重ね、時には補助金や外部の力も借りながら、自社に合った形を模索していくことが成功の鍵となります。本記事が、物流現場で働くみなさまの悩み解消と一歩踏み出すきっかけになれば幸いです。

この記事を書いた人

リベロの「おもしろい」を最前線で形にする、メディアの司令塔。日々の開発に潜むワクワクを拾い上げ、独自の切り口でリデザインする。個々の物語を線で繋ぎ、組織としてのブランドを構築。エンジニアと社会を繋ぐハブとして、まだ見ぬ仲間が「共鳴する」きっかけを作るべく奔走中

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