2026年版|職場の熱中症対策は万全ですか?物流・製造現場で企業が取り組むべきこと
2026.07.23
今年も猛暑日が続くようになりました。近年、物流・製造現場では「熱中症」が企業として避けては通れない課題となっています。特に、屋外ヤードや空調設備が十分ではない倉庫、重量物を扱う製造現場では、高温環境の中で長時間作業を行うケースも少なくありません。
こうした状況を受け、2025年6月には労働安全衛生規則が改正され、一定の条件下では事業者に対し熱中症対策の実施体制や対応手順の整備が求められるようになりました。これまでのように「水分補給を呼びかける」「塩分タブレットを配布する」といった対策だけでは十分とは言えません。企業には、現場環境の整備、教育、緊急時対応、さらには作業負担そのものを軽減する取り組みまで含めた総合的な対策が求められています。
本記事では、2026年に物流・製造業が押さえておきたい熱中症対策のポイントを、公的機関の情報をもとにわかりやすく解説します。
\ 暑い現場の作業負担を少しでも減らしたい企業様へ /
なぜ今、職場の熱中症対策が重要なのか
近年は全国的に猛暑日が増加しており、物流・製造業では屋外ヤードや空調が届きにくい倉庫、製造設備から発生する熱の影響などにより、高温環境での作業が日常化しています。
熱中症は体調不良だけでなく、判断力や集中力の低下を招きます。その結果、転倒や荷物の落下、フォークリフト事故など二次災害につながる可能性もあり、企業にとっては重大な労働災害リスクとなります。
従業員の命を守ることはもちろん、安全な職場環境を維持することは企業の責任でもあります。だからこそ今、熱中症対策は「夏だけの取り組み」ではなく、年間を通じた安全管理の一つとして考えられるようになっています。
熱中症による労働災害は毎年発生

厚生労働省が公表している「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」によると、熱中症による労働災害は毎年発生しており、死亡災害も後を絶ちません。特に7月から8月にかけて発生件数が集中しており、建設業や製造業、運送業など屋外・高温環境で作業を行う業種で多く報告されています。
熱中症は「体調管理不足」と捉えられがちですが、現在では企業による安全配慮や職場環境の整備が重要視される時代へと変わっています。
物流・製造現場は特にリスクが高い理由

物流・製造現場では、一般的なオフィス環境とは異なる複数のリスクが重なります。例えば、
- 屋外ヤードでの積み込み・荷下ろし
- 空調が届きにくい大型倉庫
- 鉄鋼・建材など熱を持ちやすい商材
- 保護具やヘルメットの着用
- 重量物・長尺物の運搬
などが挙げられます。
また、人手不足の影響で一人あたりの作業量が増え、休憩のタイミングを逃してしまうケースも少なくありません。こうした複数の要因が重なることで、物流・製造現場は他業種よりも熱中症リスクが高くなっています。
2026年、企業に求められる熱中症対策とは

熱中症対策というと、「こまめな水分補給」や「塩分補給」を思い浮かべる方が多いかもしれません。もちろんこれらは重要ですが、現在はそれだけでは十分とは言えません。
2025年6月に施行された労働安全衛生規則の改正により、一定の条件下では事業者に対して熱中症対策の実施体制や対応手順を整備することが求められるようになりました。つまり、従業員一人ひとりの自己管理ではなく、「会社としてどのような体制を整えるか」が重要になっています。
WBGT(暑さ指数)を活用した現場管理

熱中症リスクを判断する指標として活用されているのが、WBGT(暑さ指数)です。
WBGTは単純な気温ではなく、
- 気温
- 湿度
- 輻射熱(地面や設備からの熱)
を組み合わせて算出される指標であり、環境省や厚生労働省でも活用が推奨されています。実際の現場では、WBGT値を測定し、その数値に応じて休憩時間や作業内容を見直す企業も増えています。
参考資料:熱中症予防情報サイト(環境省)
作業計画そのものを見直す
熱中症対策は「暑くなったら休憩する」という考え方ではなく、あらかじめ作業計画を見直すことが重要です。例えば、
- 作業時間帯を朝夕へ変更する
- 重作業を短時間で区切る
- 休憩回数を増やす
- 複数人で交代しながら作業する
など、暑さを前提とした業務設計が求められています。また、作業動線や移動距離を短縮することも、身体への負担軽減につながります。
教育・緊急時対応まで整備する
企業が行うべき熱中症対策は、設備や休憩だけではありません。
- 初期症状を理解する教育
- 外国人スタッフへの多言語対応
- 異常時の報告フロー
- 緊急搬送までの対応手順
など、万が一に備えた運用体制も重要です。「誰が判断するのか」「どこへ連絡するのか」を事前に決めておくことで、重大事故を防ぐことにつながります。
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DXで変わる。物流・製造現場の熱中症対策

ここまでご紹介したように、熱中症対策は企業として取り組むべき重要な安全対策です。しかし、「休憩を増やす」「水分補給を徹底する」といった対策だけでは、生産性とのバランスに悩む現場も少なくありません。
そこで近年注目されているのが、DX(デジタルトランスフォーメーション)を活用し、作業負担そのものを減らすという考え方です。
「暑い中で頑張る」のではなく、「暑い中でも無理なく作業できる環境をつくる」。これからの熱中症対策では、こうした視点も重要になっています。
作業時間を短縮することも熱中症対策に
高温環境では、作業時間が長くなるほど身体への負担は大きくなります。
そのため近年は、
- 作業動線の見直し
- ピッキングルートの最適化
- デジタル化による確認作業の削減
- 移動時間の短縮
など、「作業効率の改善」が熱中症対策の一環として考えられるようになっています。
例えば、探し物や入力作業に時間を取られる現場では、その分だけ高温環境に滞在する時間も長くなります。一つひとつの作業時間を短縮することは、結果として身体への負担軽減にもつながります。
情報確認のために立ち止まる時間を減らす
物流現場では、
- 紙の伝票を見る
- ハンディターミナルを確認する
- バーコードを読み取る
- 入力する
といった情報確認が何度も発生します。
特に重量物や長尺物を扱う現場では、荷物を置く→端末を持つ→確認する→再び荷物を持つという動作を何度も繰り返すことになります。この持ち替えや確認作業は、一回あたりは数秒でも、一日を通すと大きな時間になります。
夏場の高温環境では、この積み重ねが作業者への負担となってしまいます。
ハンズフリーという新しい選択肢

こうした現場で注目されているのが、スマートグラスを活用したハンズフリー作業です。例えば、物流・製造現場向けスマートグラス「Libero Sight™(リベロサイト)」では、必要な情報を視界内に表示し、バーコードの読み取りも視線だけで行えるため、端末を何度も持ち替える必要がありません。
もちろん、スマートグラスだけで熱中症を防げるわけではありません。
- 情報確認時間を短縮できる
- 持ち替え動作を減らせる
- 両手作業を維持できる
- 作業姿勢を改善できる
といった効果により、高温環境での身体的負担を軽減する一つの方法として活用されています。熱中症対策は「設備」と「運用」だけではなく、「現場DX」も組み合わせる時代になっています。
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今日から始められる熱中症対策チェックリスト
「何から始めればいいかわからない」という企業も多いでしょう。まずは、自社の現場を次のチェックリストで確認してみてください。

もし、一つでも不足している項目があれば、今年の夏に向けて見直しを進めることをおすすめします。
まとめ|2026年の熱中症対策は「設備」だけではなく「働き方」の見直しへ
近年の猛暑に加え、法改正によって企業の熱中症対策は「努力義務」から、より具体的な安全管理へと変わりつつあります。
もちろん、水分補給や休憩場所の確保は重要です。
しかし、それだけではなく、
- 作業時間を短縮する
- 身体への負担を減らす
- 作業方法を見直す
- DXを活用する
といった多角的な取り組みを組み合わせることで、より安全で働きやすい現場づくりにつながります。
物流・製造業では、人手不足が続く中で、一人ひとりが安心して働ける環境づくりが企業の競争力にも直結します。2026年は、熱中症対策を「夏だけの取り組み」ではなく、現場改善や安全管理の一環として見直すタイミングと言えるでしょう。
\ 暑い現場の作業負担を少しでも減らしたい企業様へ /
