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棚卸に時間がかかる原因とは?工程別の課題と時間短縮の方法

2026.09.11

カテゴリー:倉庫DX・物流DX
棚卸に時間がかかる原因とは?工程別の課題と時間短縮の方法

「棚卸のたびに人手と時間がかかり、通常業務が数時間から丸一日ストップしてしまう。」そんな悩みを抱えている現場責任者の方は多いのではないでしょうか。棚卸を早く終わらせるには、まず時間がかかる原因を工程別に把握することが大切です。

本記事では、棚卸に時間がかかる原因を整理したうえで、今日から実践できる工夫や、Excelの見直し・ツール導入など、改善策を幅広く紹介するので自社に合った方法を見つける参考にしてください。

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棚卸に時間がかかる原因(工程別)

棚卸に時間がかかる原因は、大きく分けて「整理整頓不足」「手作業によるカウント」「転記・突合せの手間」「作業の二重化」「属人化」の5つに整理できます。それぞれの原因を工程別に見ていきましょう。

整理整頓不足で商品の場所が分からない

商品の置き場所が定まっていないと、探す手間とカウント漏れの両方が発生し、棚卸に時間がかかりやすくなります。

例えば、同じ商品が複数の棚に分散して保管されていると、それぞれの場所でカウントした数を集計する手間が加わり、作業時間が膨らむ原因になります。また、通路に商品が置かれていたり、棚の奥に別の商品が隠れていたりすると、見落としのリスクも高まるでしょう。

スムーズにカウントするためには、日頃から同じ商品はまとめて保管し、定位置での管理を徹底することが効果的です。5個や10個単位でまとめて並べておけば、束の数を数えるだけで素早く在庫数を把握できます。日常業務の中で、置き場所を守るルールを浸透させることが根本的な解決につながります。

手作業・目視でのカウントに時間がかかる

目視と手作業によるカウントは、確認や記入に時間がかかるうえ、重複や記入漏れなどのミスも起こりやすい方法です。

棚卸は、作業者が在庫を目で確認し、紙やExcelに手作業で記入・入力する形が一般的でした。しかし、人手に頼る作業では、カウントの重複や抜け、入力ミスや記録漏れが生じやすくなります。特に商品数が多い現場や長時間の作業になるほど、作業者の疲労や集中力の低下によって正確性が低下しがちです。

手作業・紙ベースの記録ほど、ヒューマンエラーは顕著になります。そのためツールの導入を進め手書き作業を減らすほど、ミスの発生率は下がり、結果的に作業時間の短縮につながります。

転記・突合せで差異が生じている

紙やExcelへの転記と、帳簿上の数量との突合せを繰り返すことで、差異が発生しやすくなります。

棚卸で在庫差異が発生すると、限られた時間の中で納品伝票の内容と実際のモノの動きを突き合わせ、差異の発生箇所を特定したうえで、伝票内容の修正や在庫データの調整まで行わなければなりません。とくに手書きの記録では、数字の書き間違いや転記漏れも起こりやすく、照合時に差異が見つかれば、やり直しに発展するかもしれません。原因調査にも時間がかかるため、棚卸を長期化させやすい原因です。

この課題の防止には、日頃の入出庫を正確に記録しておくことが有効です。帳簿上の理論在庫と実在庫の差が小さいほど、棚卸当日の差異調査にかかる時間は短くなります。

手作業による集計で「二重化」している

現場で数える⇒紙に記入する⇒事務所で入力する⇒データを照合するというように、同じ情報を何度も扱う「二重化」した工程は、実際のカウント作業以上に時間を消費します。

紙やExcelを中心とした運用では、この転記や照合作業が積み重なることで、棚卸全体の所要時間が想定以上に膨らみがちです。二重化することで、転記時に抜け漏れ・記入ミスなどヒューマンエラーが発生しやすくなるのも難点です。

二重化を防ぐには、まず自社の棚卸フローを「数える」「記録する」「照合する」の工程に分解し、同じ作業を2回行っていないか洗い出すのが先決です。バーコードやハンディターミナルを使って、現場で読み取ったデータをそのままシステムに反映できれば、紙への記入や事務所での再入力といった中間工程を省略できます。工程そのものを減らす視点を持つことが、二重化の解消につながります。

作業ルールが統一されておらず属人化している

「どこから数え始めるか」「どの単位で記録するか」といった基本的なルールがなく、数え方や記録方法が担当者ごとに異なると、重複カウントや抜け漏れが発生しやすく確認・再チェックに余計な時間がかかります。

特定の担当者しか作業を進められない属人化が進みやすく、特定の担当者が不在のときに作業が滞ってしまうでしょう。

この問題を解消するには、棚卸の手順や記入方法、差異が出た場合の対処法などをマニュアル化し、全員が同じ方法で作業できる体制を整えることが重要です。個人のスキルに依存しない仕組みづくりが、時間短縮とミス防止の両方に効果を発揮します。

今日からできる!棚卸の時間短縮の工夫

大掛かりなシステム投資をしなくても、事前準備と当日の進め方、Excelの使い方を見直すだけで棚卸の時間は短縮できます。今日から実践できる工夫を紹介します。

事前準備を徹底する

棚卸当日の作業時間は、事前準備の質でほぼ決まります。

効果的なのが、以下の4つの施策です。

  • 日頃から入出庫を記録する:棚卸時に大規模な在庫差異が起きにくくなり、差異の原因究明・解消にかかる時間を短縮できる
  • ロケーション管理を行う:倉庫内のモノの保管場所に「住所」を割り振って在庫管理する方法。棚卸用の帳簿をロケーション(エリアや棚)ごとに作成することで、「どこに」「何が」「どのくらい」あるか簡単に把握できる
  • 作業担当を割り当てる:誰がどのエリアを担当するか事前に決めておけば、決められたロケーション内で作業するだけで済むため、移動時間・距離を短縮できる
  • 作業マニュアルと役割分担を明確にする:棚卸手順、記入方法、差異が出た場合の対処法をマニュアル化しておけば、担当者が迷うことなく作業を進められる

棚卸前に説明会を開いてルールを共有しておけば、当日の混乱や確認作業の手間を減らせます。

当日の進め方を見直す

棚卸当日は、カウント済みの箇所が一目で分かる仕組みと、進捗を共有する仕組みを取り入れるだけで、作業時間を大きく短縮できます。

例えば、確認済みの商品にシールを貼る、管理ラベルにチェック欄を設けるといった方法で目印をつければ、二重カウントや数え漏れを防止できます。他にも「左から右へ」「上から下へ」のように数える方向と順番を統一しておくと、複数人で同じ棚を担当した際にも作業がぶつかりません。

さらに、担当エリアごとの進捗をホワイトボードや共有シートで可視化しておくと、早く終わった担当者が遅れているエリアを応援できる体制を作れます。チーム全体で進捗を把握できる状態にしておくことが、棚卸時間の短縮に直結します。

小さなルールの徹底が、カウント精度と作業スピードの両方を高めます。

Excelの棚卸表を最適化する

すでにExcelで棚卸表を運用している場合は、関数や条件付き書式を活用するだけでも、入力・集計にかかる時間を減らせます。

SUM関数やSUMIF関数を使えば在庫数や金額の合計を自動で計算でき、VLOOKUP関数を組み合わせれば品番や商品コードから必要なデータをすぐに呼び出せます。例えば、台帳上の数量と実棚卸数を比較する欄を設けておけば、差異のある行だけを条件付き書式で色分けして目立たせることも可能です。

ただし、項目数が多くなるほど検索や動作が重くなりやすく、データ量が増えるとファイルを開くだけでも数分以上の時間がかかるようになります。「複数人で同時編集ができない」「手入力による入力ミスが起こりやすい」なども、Excel運用ならではの限界です。

関数や書式だけでは対応しきれない規模になってきた場合は、在庫管理システムなどクラウドで一元管理できるツールへの切り替えを検討しましょう。

さらに時短・効率化できるツール

Excelや手作業だけでは対応しきれない場合は、バーコード・RFID・WMS・アウトソーシング・スマートグラスといったツールの導入も選択肢になります。それぞれの特徴を紹介するので、自社の状況にぴったりなツールがないか確認してください。

バーコード・ハンディターミナル

バーコードとハンディターミナルを組み合わせれば、スキャンするだけで在庫データを記録でき、転記の手間を大きく減らせます。

手書きによる記入が不要になるため、数字の書き間違いや転記ミスを防ぎやすくなるうえ、読み取ったデータをその場でシステムに反映できる点も魅力です。リアルタイムに在庫を把握できるようになります。専用のハンディターミナルだけでなく、比較的低コストで導入できるスマートフォン用のアプリもあります。

一方で、商品を一つずつスキャンする必要があるため、在庫点数が非常に多い現場では作業時間がかかるのがネックです。まずはバーコード管理から始めて効果を確認し、必要に応じて他のツールと組み合わせていくのが現実的な進め方です。

RFID

RFIDは、電波を使ってICタグの情報を非接触で読み取る技術で、複数のタグを一括で読み取れる点が特徴です。

バーコードのように一つずつスキャンする必要がなく、箱を開けなくても中身をまとめて読み取れるため、大量の在庫を扱う倉庫では作業時間を大きく短縮できます。商品に近づいたり、箱から取り出したりする動作も減らせるため、作業者の負担軽減にもつながるでしょう。

一方で、RFタグの貼付や読み取り環境の整備が必要になるため、バーコードに比べると導入コストは高くなる傾向があります。商品点数が多い現場や、棚卸の頻度が高い企業ほど投資対効果を見込みやすいため、自社の在庫規模と照らし合わせて検討しましょう。

WMS(倉庫管理システム)

WMS(Warehouse Management System)を導入すると、入出庫から在庫、棚卸までのデータを一元管理でき、帳簿と実在庫の照合作業そのものを効率化できます。

日々の入出庫データをシステムで管理しておけば、棚卸時には理論在庫と実在庫を照合するだけで済み、差異が発生した場合もシステムが自動で検出してくれるため、原因の特定にかかる時間を減らせます。バーコードやRFIDと組み合わせれば、現場で読み取ったデータをそのままシステムに反映でき、集計作業もさらに効率化可能です。

導入には初期費用や運用コストがかかりますが、蓄積したデータを分析すれば、差異が発生しやすい商品や時期の傾向も把握できます。棚卸にかかる人件費や機会損失まで含めて考えると、長期的にはコスト削減につながるケースも多いでしょう。

アウトソーシング(棚卸代行)という選択肢

自社の人員だけでは棚卸の人手を確保しにくい場合は、棚卸代行を専門業者に依頼するというアウトソーシングの選択肢もあります。

棚卸に必要な人数が不足していると、時間がかかるだけでなく、本来の業務に支障・滞りが発生するかもしれません。人員の少ない企業ほど、人手不足を専門業者にカバーしてもらうのがおすすめです。自社のリソースを割かずに必要な作業量を確保でき、繁忙期の人手不足による棚卸の遅れも避けやすくなるでしょう。

ただし、外部の担当者は自社の在庫や商品の特性に詳しくないため、事前の情報共有や当日の同行確認が欠かせません。継続的に依頼する場合はコストもかかるため、自社で対応する場合との人件費や機会損失を比較したうえで判断するのがおすすめです。

スマートグラス

スマートグラスを使えば、ハンズフリーのまま目線の動きだけで在庫情報を確認・記録でき、両手を使った従来のカウント作業から解放されます。

手にハンディターミナルや紙を持つ必要がないため、商品の運搬やピッキングと並行して棚卸を進めやすくなる点が特徴です。音声入力に対応した製品を使えば、数量を読み上げるだけでシステムに反映でき、記入や入力の手間そのものをなくせます。

スマートグラスによる倉庫DXを検討している場合は、Libero Sightのような現場向けスマートグラスソリューションがおすすめです。小さく始め、改善を繰り返したLIXIL様での導入事例から、スマートグラス導入で期待できる効果を紹介したセミナーレポートも参考にしてください。

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棚卸の時間短縮に関するよくある質問

Excelだけでも棚卸の時間は短縮できますか?

SUM関数やVLOOKUP関数で集計や検索を自動化したり、条件付き書式で差異のある行を目立たせたりと、関数や条件付き書式を活用すれば一定の効率化はできます。

ただし、入力自体は手作業のままのため、時間短縮の効果には限界があります。また、データ量が増えると動作が重くなりやすく、複数人での同時編集にも向いていません。まずはExcelの工夫から始め、効果が頭打ちになってきたら、バーコードや在庫管理システムの導入を検討するとよいでしょう。

バーコードとRFID、導入するならどちらがいい?

低コストで始めたいならバーコード、商品点数が多くスピードを重視するならRFIDが向いています。バーコードは1点ずつのスキャンが必要な分、比較的低コストで導入でき、まず試してみたい企業に向いています。

一方のRFIDは、複数のタグを一括で読み取れるため、大量の在庫を扱う現場ほど作業時間の短縮効果を実感しやすいものの、タグの貼付や読み取り環境の整備が必要な分、導入コストは高くなります。自社の在庫点数や棚卸の頻度と照らし合わせて選ぶことをおすすめします。

まとめ

棚卸の時間短縮は、原因を工程別に把握したうえで、日頃の工夫からツール投資まで段階的に取り組むことで実現できます。整理整頓や作業ルールの統一といった今日からできる工夫だけでも、カウント漏れや二重化した作業の多くは解消できるはずです。

それでも改善が難しい場合は、バーコードやRFID、WMS、アウトソーシング、スマートグラスといったツールも視野に入れてみてください。まずは自社の棚卸で何に時間がかかっているのかを整理するところから始めてみましょう。

とはいえ、「システムを全部入れ替えるような、大規模な投資は難しい」と感じる方が多いでしょう。そこで私たちが掲げているのが、「半歩先の物流DX」という考え方です。例えば、一つの工程だけ導入する。あるいは、一つのラインだけ試してみる。一つの拠点だけで運用してみる。

既存のWMSや設備を活かしたまま、現場の声を聞きながら改善を重ねていくスモールスタートこそが、現場に定着するDXにつながると考えています。スマートグラスであれば、小さく改善を積み重ねられます。無料相談も行っているので、ぜひお問い合わせください。

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【この記事の監修者】

株式会社リベロエンジニア
代表取締役(CEO):金子 周平

元エンジニアとして「エンジニアをもっと自由に。」を掲げ、エンジニアが自由かつ公平に働ける環境を目指し2014年に創業。

高還元SESのリードカンパニーとしてIT派遣の新たなスタンダードを作る。現在はデジタルイノベーション企業として、スマートグラスのアプリ開発をはじめ、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の支援に注力している。

この記事を書いた人

リベロの「おもしろい」を最前線で形にする、メディアの司令塔。日々の開発に潜むワクワクを拾い上げ、独自の切り口でリデザインする。個々の物語を線で繋ぎ、組織としてのブランドを構築。エンジニアと社会を繋ぐハブとして、まだ見ぬ仲間が「共鳴する」きっかけを作るべく奔走中

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