企業がいま、AIとどう向き合っているのか。生成AI導入の最前線と「働き方」の形
2025.11.14
AIが、企業の働き方と組織のあり方を根本から変え始めています。
生成AIを導入する企業は年々増え、業務効率化だけでなく、意思決定・創造・教育の領域にまで広がっています。
本記事では、最新データから見える企業のAI導入の実態と、AIと共に働く職場でいま何が起きているのかを整理。さらに、AIを“導入する側”から“使いこなす側”へと変わるために、企業がどんな一歩を踏み出しているのかを追います。
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大手企業の9割以上が生成AIを導入
日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)の「企業IT動向調査2025」(2024年調査)によると、言語系生成AIを導入・試験導入・準備中の企業は41.2%に上ります。
1年前の26.9%から大幅に増加し、もはや“様子見”の段階を超えました。さらに売上高1兆円以上の企業では92.1%がAI導入を進めており、特に製造、金融、インフラ業界での利用が顕著です。
なお、調査は2024年秋に実施されたものであり、2025年にはさらに導入スピードが上がっていることが各社の発表からも明らかになっています。
導入目的は「資料作成」「社内ナレッジ検索」「議事録作成」「コード自動生成」など多岐にわたりますが、企業は今、AIを単なる業務効率化のツールとしてではなく、組織の知能拡張装置として位置づけ始めています。
参照:企業IT動向調査2025
先進企業が示す“AI共創”の実践

AI導入の動きをリードしているのが、LINEヤフー、NEC、パナソニック、三菱UFJ銀行など大手企業です。
LINEヤフー:全社員1.1万人が生成AIを義務化
同社は2024年、全社員に対して「生成AIの利用を業務プロセスに必ず組み込む」方針を発表しました。会議ではAIによる議題整理と要約、メール文案や調査タスクの自動化、さらにはクリエイティブ業務でもAIを活用。
「まずはAIに聞く」という文化を全社的に浸透させ、“AIと共に考える”働き方を目指しています。
NEC:生成AIで資料作成を50%短縮
NECは社内AIアシスタント「NEC Generative AI Platform」を導入し、社内資料の作成時間を最大50%削減、議事録生成は30分から5分へ短縮されました。
これにより、社員が“考える”時間を増やし、議論や企画に集中できる環境を実現しています。
参照:NECの生成AI
パナソニックコネクト:日常業務にAIが溶け込む
同社ではAIアシスタント「ConnectAI」を社内ツールとして導入し、1日あたり5,000回以上の利用を記録。
業務効率化だけでなく、社員の問い合わせサポートや提案書の改善など“第二の同僚”としてAIが機能しています。
三菱UFJ銀行:AI導入で月22万時間の労働削減
三菱UFJ銀行では、ドキュメント要約・議事録作成・問い合わせ対応をAI化。結果として、月間22万時間の労働削減を実現し、全社規模で業務プロセスを刷新しました。
こうした事例に共通するのは、AIを「試す段階」ではなく「業務基盤に組み込む段階」へ進めている点です。つまり、生成AIは“新しいツール”から“仕事のOS”へと進化しています。
AIが変える、会議とマネジメントの形
AIの導入は、オフィス文化そのものにも変化をもたらしています。
特に「会議の効率化」では、AIが議事録を自動生成するだけでなく、会話の論点整理や意思決定支援までを担うようになっています。
「AIがファシリテーターを務め、人間がレビューする」というスタイルも登場し、“AI上司”という言葉がSNSでトレンド入りしました。
こうした流れの根底には、「AIは人を置き換えるものではなく、人の思考を補助する存在」という考え方があります。
AIが意見を提示し、人間が最終判断を下す——その協働関係が新しい意思決定モデルを生み出しているのです。
課題は「セキュリティ」と「人材リテラシー」

一方、JUASの同調査では、多数の企業がAI導入に課題を抱えていると回答。その多くが「情報漏洩」「著作権問題」「社内教育コスト」を挙げています。
特に中堅・中小企業では、「AIを使いたいが、社内に賛同者が少ない」という声が多く、“技術よりも文化の壁”が最大のボトルネックになっています。
AIを社内に根付かせるには、「失敗しても試せる」文化と環境の整備が欠かせないのでしょう。
AIはオフィスを超え、今や現場へ
生成AIの波はホワイトカラーだけでなく、現場領域にも明確に広がっています。製造業、物流、医療、教育などの分野では、音声認識・翻訳・画像解析AIが実用フェーズに入り、“現場で動くAI”が現実のものになりつつあります。
たとえば、倉庫や工場では作業員の視界に作業手順を直接表示したり、音声指示に応答するスマートグラスも登場しています。AIがリアルタイムに情報を解析し、安全・品質・効率を同時に支える仕組みが拡がってきました。

特に注目すべきは、Amazon が配達ドライバー向けに発表したAI搭載スマートグラスです。配達員のスマートフォン操作を減らし、荷物をスキャン、ルート案内を視界に表示し、配達証明を撮影可能なこの端末は、危険箇所の検知や建物内の移動支援も実装予定とされています。
このようなウェアラブルAIの投入は「倉庫・物流」という現場における“最後の1マイル”を変えようとする意思の現れであり、現場業務においてAIが単なる支援ツールから“リアルタイム判断装置”へと進化していることを示しています。
こうした取り組みを背景に、現場でのAI活用は以下のような特徴を備えています:
- 両手を使える環境:スマートグラス等により、作業員は手元の機器を操作する代わりに視界と音声だけで次の動作を実行。
- リアルタイム条件反応:荷物の有無、周囲の安全、作業進捗などをAIが常に監視し、必要時に指示や警告を表示。
- データ連携+フィードバック:現場で取得されたデータがクラウド/AIに送られ、次の作業指示や改善提案として即座に反映。
- マルチ業務領域化:物流だけでなく、製造・点検・教育・医療といった“手が動く”現場でAI活用が拡大。
このように「オフィスのPC+電卓+エクセル」時代から、「フィールドで動きながらAIと共に作業を進める」時代へと変貌しつつあります。
現場が動くAIと、人が動くAI、その両輪で新しい働き方が始まっています。
リベロエンジニアが支援する「AI活用のリアル」

リベロエンジニアでは、こうしたAI活用の流れを支えるため、現場とオフィスの橋渡しとなるソリューション開発を進めています。
その代表例が、スマートグラス型ソリューション「Libero Sight(リベロサイト)」。
作業者がハンズフリーで手順を確認し、クラウド上でデータを共有できる仕組みを備えています。AIによる作業分析や音声認識との連携も進めており、“人とAIが同じ視点で働く”現場づくりを支援しています。
「現場を止めないDX」へとつなげる——それがリベロエンジニアの使命です。
AIと人が共に働く時代へ
AIは人を置き換える存在ではなく、人の判断を拡張し、可能性を広げる存在です。
企業がAIを導入することは、単なるデジタル化ではなく、“人とAIの協働文化”を築くための第一歩にほかなりません。
いま、AIは企業の「道具」から「同僚」へ。そして、私たちはそのAIと共に、新しい仕事の形をつくる時代を迎えています。
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構成/リベロエンジニア広報部