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スマートグラスアプリを開発するには?開発環境やプロセスを解説

2025.09.19

カテゴリー:スマートグラスとは
自社専用のスマートグラスアプリを開発するには?開発環境やプロセスを解説

スマートグラスの活用が、製造・建設・物流業界などをはじめ、多くの現場に浸透し始めてきています。

しかし導入を検討していても、市販品では自社の複雑な業務課題を解決できないことも。市販品では業務レベルに達しない場合は、自社専用のスマートグラスアプリを開発するのがおすすめです。

自社開発であれば、痒い所に手が届く使い勝手の良いアプリを導入可能なため、最大効率で業務の効率化・生産性アップが実現できます。

この記事では、自社専用のスマートグラスアプリを開発するための具体的なステップや開発環境などをわかりやすく解説します。

スマートグラスのARアプリを開発するメリット

自社専用のスマートグラス向けARアプリをゼロから開発することで、現場の業務プロセスやニーズに最適化した機能を実装できます。

市販の汎用アプリの場合、幅広いユーザーを対象としているためカスタマイズ性が低く、特定の現場環境や作業フローには合わないケースがほとんどです。多機能すぎて、現場で使いこなせないケースもあるでしょう。

そのため導入しても、自社のニーズにマッチしておらず効率化につながらなかったり、現場での使い勝手が悪く使用されなくなったりするかもしれません。

ゼロベースでの開発なら、以下のような項目を細かく反映できるので、作業効率や操作性を大幅に向上させられます。無駄な機能を省いて本当に必要な要素だけを盛り込めます。

  • 現場独自の運用方法
  • 必要な連携機能
  • 利用シーン
  • データ管理方法
  • 通知機能 など

また、臨場感のあるARトレーニングコンテンツも開発可能。例えば実際の作業手順をシミュレーションしたり、危険箇所の認識を強化する研修を行ったりすることも可能です。

現場スタッフの声を反映しながら継続的な改善も容易なため、運用現場でのフィードバックをもとに機能追加・UI修正も素早く対応できます。

ARアプリの種類

スマートグラスで使用するARアプリには、大きく3つの種類があります。どのような目的で使用するかによって適切な種類が異なるので、違いを把握しておきましょう。

ロケーションベースAR

GPSデータを基に、ARを表示させる技術です。GPS以外にも、端末磁気センサーや加速度センサー、天気情報なども用いられます。

現地の位置情報に紐付ける形でARオブジェクトを出現させるため、マーカー設置が困難な屋外や広い範囲でも安定して機能します。ユーザーが移動するのにあわせて、現実世界のさまざまな場所にARを表示可能です。

観光地の案内アプリやポケモンGOのようなアプリゲーム、GoogleMAPのライブビュー機能など、さまざまな場面で活用されています。

屋外や広範囲にARを表示させたい場合や、複数の地点に同時にARを展開する場面で、特に効果を発揮します。

ビジョンベースAR(マーカー型)

カメラで「ARマーカー」と呼ばれる画像やmバーコードを認識するとARコンテンツが表示される技術です。

具体的には名刺や商品パッケージ、広告などに印刷されたQRコード・特定の画像などがマーカーとなり、スマホのカメラを向けて読み込むと、画面上に3Dモデルや映像、アニメーションなどが現実空間に重ねて表示されます。

例えば、名刺のQRコードを読み取ると持ち主のプロフィール動画が表示されたり、商品パッケージのマーカーから使い方の実演動画が再生されたりといった風に活用されています。

マーカー型の特徴は、現実に設置したマーカーを起点にするため、GPSを利用せず安定した位置でARを展開できる点です。位置ずれの心配が少ないことから、プロジェクションマッピングや展示会の演出、技術研修などにも活用されています。

一方、マーカーの事前準備や物理的な設置作業が必要。画像やQRコードがある場所以外には表示できないため、屋外や広範囲での運用には工夫が求められます。

ビジョンベースAR(マーカーレス型)

カメラのセンサーで空間や物体を認識し、任意の現実空間上にARを表示する技術です。

カメラで撮影した映像から空間の特徴点や奥行き、対象物の形状などを解析し、コンテンツを重ねて表示します。壁や床などに物理的なマーカーを設置せずとも、好きな場所へ自由に3Dモデルを置けるため、ユーザー体験の幅を広げています。

例えば、家具の配置シミュレーションが可能なAmazonの「ARビュー」や、IKEAの「IKEA Place」が代表的です。

一方で、精度の高い空間認識や物体認識が求められるため、開発には高度なセンサー技術と画像解析アルゴリズム、処理能力の高いデバイスが必要です。

スマートグラス用ARアプリに必要な開発環境3選

スマートグラス用ARアプリの開発には、主に3つの開発環境が必要となります。それぞれ、どのようなものか解説します。

1.Xcode:iOSアプリの開発向けの環境

Appleが提供する統合開発環境「Xcode」は、iOS向けARアプリの開発現場で重宝されているプラットフォームです。

XcodeはmacOS上で動作し、アプリの設計からデバッグ、テスト、公開申請まで一貫して対応できるツール群を備え、直感的なUI設計が可能なInterface Builderや、複数デバイス動作検証に役立つシミュレーターなどを標準搭載しています。

App Store申請までXcode内で完結。ツールの導入は、Apple Developer ProgramのIDがあれば無料で可能です。

【使用するプログラミング言語】

  • Swift
  • Objective-C など

2.Android Studio:Androidアプリの開発向けの環境

Googleが提供する統合開発環境で、Android向けアプリの開発に広く利用されています。

スマートグラス用ARアプリを開発する際は、ARCoreなどのライブラリを組み込むことで拡張現実機能を実装可能です。幅広いデバイスに対応しており、Android・iOS両方のARアプリ開発に対応しています。

スマホのカメラやモーションセンサーだけでARコンテンツを作成できるため、特別なデバイスが不要なのもメリット。より多くのデバイスで活用できるアプリを作成できます。

また、WindowsとMacの両方で無償提供されており、開発者にとって導入のハードルが低い点も利点です。

【使用するプログラミング言語】

  • Kotlin
  • Java など

3.Unity:ARゲームの開発向けの環境

ユニティ・テクノロジー社が開発した世界的に普及しているゲームエンジンで、3DCGコンテンツを開発できます。直感的な操作性を持つエディタを備え、複雑なAR表現を短期間で実装可能です。

ゲームエンジン機能に加えて、物理挙動やカメラ制御などの実行環境を利用できるので、スマートグラス上で違和感の少ないインタラクションを実現しやすいのが強みです。

ゲーム寄りの仕組みが豊富に揃っているため、AR空間で自然な体験を提供するアプリ開発に適した環境です。

【使用するプログラミング言語】

  • C#

スマートグラス用ARアプリを開発する流れ

スマートグラス用ARアプリを開発する具体的な流れを紹介します。必要な準備を事前に整えるために、あらかじめ把握しておきましょう。

企画・要件を決める

まず、どのようなスマートグラス用ARアプリを開発するのか、企画・要件を決めましょう。

どのような体験や価値を生むアプリにしたいのか明確にし、スマートグラスの特性を活かした使い勝手や利用シーンを想定しましょう。

そのためにはターゲットユーザーが抱える課題を洗い出し、その課題に対してARアプリがどのように解決策を提供できるかを検討します。

例えば、作業効率の向上や安全管理の支援、情報ナビゲーションなど、現場で使用するユーザーの具体的な悩み・課題を解決する機能やコンテンツを企画に反映させます。

また、法令遵守やプライバシー保護、セキュリティ対策の観点から個人情報・機密情報の取り扱いも慎重に考慮して、利用規約やセキュリティ対策の要件を決めることも肝要です。

開発環境を決める

開発するARアプリのコンセプトにあわせて、使用するスマートグラスの機種や対応OSにマッチする開発環境を選定します。

例えば、iOS向けにはXcode・Android向けにはAndroid Studioを使い、クロスプラットフォームでの開発には、Unityを選ぶのが一般的です。

また、開発チームのスキルを鑑みて、対応できる開発環境を選ぶ視点も必要です。

開発に使うソフトウェアを決める

開発環境を選定したら、どのようなソフトウェアを使うかも決めましょう。

代表的なソフトウェアとして、以下のようなものがあります。

  • ARToolKit:オープンソースでマーカー型・マーカーレス型の両方に対応。WindowsやMac、Linux、モバイルなど多様な環境で利用可能で、画像認識を用いた高精度なトラッキングが特徴
  • Amazon Sumerian:ブラウザベースでプログラミング不要の簡単操作が可能。AWSとの連携により、AIやクラウド機能が使え、Android・iOS対応のWebAR開発に適している

サービスの目的や対象端末、求める機能、表現のレベルを明確にし、操作性や開発コストを考慮して選択します。

設計・プログラミングを進める

実現したいユーザー体験を具体的に設計して、設計に基づいてアプリのUI・UXをデザインしましょう。

例えば、作業現場でのマニュアル表示や注意喚起の表示など、利用シーンに応じて、どのような情報を視界に重ねるかを明確に決定します。その後、3Dオブジェクトやアニメーションを組み込み、ユーザーの動作や視線に応じて正しく表示されるようにプログラミングを行います。

一部の簡易アプリはノーコードで構築可能ですが、現実空間との高精度な位置合わせやインタラクションを実現するにはコーディングが欠かせません。

テスト公開・リリースする

ARアプリが仕上がったら、実際に利用するデバイスでテスト公開・動作確認を行います。

アプリ起動時のレスポンスやARオブジェクトの表示速度、位置・サイズのずれがないか、操作性などを確認します。特にスマートグラスの場合は、装着したときの使用感に違和感がないかチェックすることが重要です。

加えて、長時間稼働させた際の負荷やバッテリー消費の程度、センサーとの連携によるトラッキング精度にも注意します。

動作環境に問題がなく、パフォーマンスが安定していることが確認できた段階でリリースとなります。

スマートグラス用ARアプリの開発は専門家に依頼するのがおすすめ

スマートグラス向けのARアプリの開発には、幅広い専門スキルが欠かせないため、自社開発ではなく専門家へ依頼するのがおすすめです。

実用性の高いARアプリに仕上げるには、3Dモデリングで高品質なオブジェクトを制作したり、直感的に操作できるUI/UXデザインを整えたりする必要があります。

そのためにはAR開発環境に対応できるプログラミング技術や、クラウド連携・データ処理を行うサーバーサイドの知識など幅広いスキルが求められます。社内でまかなうには高度な人材をそろえる必要があり、採用・育成コストが大きな負担となるでしょう。

一方、専門家に依頼すれば、要件に応じた最適な技術選定はもちろん、ARの最新動向を踏まえた機能提案や導入効果を高める企画支援も受けられます。

複数の開発実績を持つ企業であれば、ノウハウを活かした実用性の高いアプリ開発も可能で、品質や安定性の面でも安心です。結果として、自社の目的に適したARアプリを効率的に開発でき、プロジェクトの成功確率を高められます。

リベロエンジニアでのスマートグラス用ARアプリの開発事例

スマートグラス用ARアプリ リベロサイト

リベロエンジニアでは、スマートグラス用のARアプリを開発しており、現場作業の効率化に向けた取り組みを進めています。

レンズ部のディスプレイに、マニュアルや作業標準書を表示することで、点検作業や在庫管理などをハンズフリーで行えるようになり、担当者のスキル差に左右されない、安定した作業品質の実現が期待されています。

大手住宅関連企業の倉庫で、研究開発の一環として試験運用中でしたが、現場での使いやすさや技術的な有効性が評価され、本格導入に至りました。

また、弊社は、物流倉庫業界における人手不足の解消とコスト削減に貢献するスマートグラスソリューション「Libero Sight」を開発しました。

まとめ

視界に多様な情報を表示しながらも、ハンズフリーで作業を行いやすいスマートグラスは、物流業界や建設業界など多くの業界で必需品になる可能性を秘めています。

作業効率のアップ・生産性向上のため、スマートグラスを導入したいと考えている企業には自社専用アプリの開発がおすすめ。市販品では手が届かない細かな部分も対応できるため、現場に根ざす使いやすいアプリの構築が可能です。

スマートグラス用のアプリ開発を検討されているのであれば、リベロエンジニアにお任せください。数多くのサービス開発を手掛けてきたノウハウを活かして、貴社にぴったりな現場に浸透するアプリを開発いたします。

【この記事の監修者】

株式会社リベロエンジニア
代表取締役(CEO):金子 周平

元エンジニアとして「エンジニアをもっと自由に。」を掲げ、エンジニアが自由かつ公平に働ける環境を目指し2014年に創業。

高還元SESのリードカンパニーとしてIT派遣の新たなスタンダードを作る。現在はデジタルイノベーション企業として、スマートグラスのアプリ開発をはじめ、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の支援に注力している。

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