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建設・製造・観光業が、スマートグラス翻訳に注目する理由と4つの性能基準

2026.02.13

カテゴリー:リベロ情報局
建設・製造・観光業がスマートグラス翻訳に注目する理由と4つの性能基準

「言葉の壁」は、現場の命取りになりがちです。建設・製造現場での指示ミスは重大事故に直結し、観光業での対話のズレは顧客満足度を著しく損なうでしょう。特に近年は外国人労働者や外国人環境客が増加しており、以前よりも外国語での対応が必要な場面が増加傾向にあります。

そこでタブレットやスマホを介した「下を向く翻訳」から、相手の目を見てハンズフリーで対話する「スマートグラス翻訳」へシフトすれば、より安全かつより信頼を深められるでしょう。外国人材との安全・品質の同期を狙う現場監督や、おもてなしの高度化を図りたい観光業の方に向けて、スマートグラスでの翻訳について紹介します。

スマートグラスの翻訳機能とは?

スマートグラスには翻訳機能が搭載されたものもあり、リアルタイムで翻訳してくれるので、外国語がわからなくとも外国人と会話しやすくなります。

翻訳機能には、大きく下記の2パターンがあります。

  • 相手の話している内容をレンズに文字で映し出す
  • 相手の話している内容を音声で読み上げる

内蔵マイクで取得した音声情報をAIが解析し、リアルタイムで別の言語に変換して「視界に表示」 or「 読み上げ」てくれるので、相手の表情を見ながら会話することが可能です。従来のスマホやタブレット端末での翻訳と違い、目線を下に落とすことなく翻訳してもらえるので、より自然な会話が実現します。

例えば、NTTコノキューデバイスのMiRZAは、音声のリアルタイム翻訳・字幕表示が可能。会話をリアルタイムに文字起こし・翻訳し、140以上の言語で字幕を表示してくれます。映画の字幕のようにリアルタイムで表示されるので、スムーズに会話しやすいのがポイントです。翻訳結果や文字起こしはスマホに自動保存してくれるので、後から振り返って確認することもできます。

また、看板やマニュアルなどの文字をカメラで捉え、指定の言語に置き換えてレンズ内に重ねて表示できるスマートグラスも。外国語の標識も、視線を向けるだけで理解できます。外国語で書かれたマニュアルを認識しやすくなるので、外国人労働者であっても日本語のマニュアルを理解できるようになります。

以前は翻訳結果が不自然なことも多かった自動翻訳ですが、話しかけるだけで即座に翻訳文が表示される時代になってきました。AI技術の発展によって、違和感のないレベルにまで改善されてきたことから実用的なアイテムとなっています。

なお、騒がしい場所ではノイズを拾って誤認識しやすいため、ハンドサインを認識してマイクのオン・オフを切り替えるなど、むやみに翻訳しない工夫も行われています。

なぜ「スマホ翻訳」では不十分?スマートグラスが選ばれる3つの理由

スマホやタブレット端末でも、十分に翻訳できますが、実はスマートグラスでなければ実現できない3つの機能が存在します。なぜ、スマートグラスでの翻訳が必要なのか、その理由を解説します。

アイコタクトによる信頼構築

1つ目は、アイコンタクトにより信頼関係を構築しやすい点です。

従来のスマホやタブレット越しの会話では、視線を端末に落とす必要があり、「機械に話している」感覚が強くどうしても無機質なものになりがちでした。相手の視線が画面に向かっている時間が長くなるため、心理的な距離を感じがちでした。余計な手間をかけさせまいと質問を控えたり、雑談が生まれにくくなったりして、関係構築の機会を失う恐れがあります。

一方、スマートグラスであれば、視界にテキストが表示されたり音声翻訳されたりすることで、相手を見ながら日本語訳を理解できるため、相手の目や顔を見ながらコミュニケーションしやすくなるのが利点です。相手の表情やリアクションを細かく観察しながら会話を続けられるので、打ち合わせや商談でも「きちんと向き合っている」という安心感を与えやすくなります。スマホ翻訳でありがちな、話すたびに画面を操作して結果を確認したり、端末に向かって話しかけたりして、会話が途切れることもありません。

スマートグラスなら、対面の自然な会話スタイルを保ったまま翻訳だけを裏側で補うため、初対面の相手ともスムーズに打ち解けやすく、国際商談や共同作業の場で信頼を育みやすいでしょう。

ハンズフリーの安全性

2つ目は、翻訳機を手で持つ必要がなくハンズフリーになるため、安全性を確保しやすい点です。

スマートグラス翻訳は、両手を一切使わず視界や耳元で情報を得られるため、工場や建設現場で工具・書類を握った状態でも、海外スタッフの言葉を理解できます。高所作業中のような手を離せない状況下でも、翻訳した情報を閲覧したり聞いたりできるので作業を中断する必要がありません。

従来の翻訳アプリのように、画面確認中に注意力が散漫になることがなく、工場や建設現場など一瞬の油断が、怪我や事故につながりかねない状況でも安全に作業しやすくなります。

外国人労働者とも密にコミュニケーションをとりながら、仕事を進められます。

情報のリアルタイム同期

3つ目は、瞬時に視界に翻訳字幕が表示されるため、理解するスピードが速い点です。

翻訳した音声を自動で読み上げるようなタイプでは、どうしても読み上げを待つ時間が発生します。会話のテンポが悪くなり、話しにくくなるのはもちろんですが、外国語・日本語で二回同じ内容を聞く必要があり会話に時間がかかるのがデメリットです。結果、コミュニケーションコストが増大してしまい、スムーズなやり取りができません。実際の現場では、指示待ちや作業停止が発生してしまうため、生産性がダウンします。

一方で、スマートグラスの翻訳のように字幕なら文章を素早く読み取れるので、スピーディーにコミュニケーション可能。外国語を話す側も、翻訳を読み上げる待ち時間がないことで、半端に会話を遮られることなく話せます。

スマートグラス翻訳はどう活用する?ビジネスで役立つシーン

従来の翻訳にはない利点のあるスマートグラス翻訳ですが、ビジネスの現場でどのように役立つのか、具体的なシーンを紹介します。

ここでは外国人との接点が増加傾向にある「建設・製造現場」と、「観光・サービス業」の2つのシーンから解説します。

建設・製造現場:外国人材との「安全性・品質」の同期

外国人労働者が増えているも建設・製造現場では、言語の壁で指示の伝達ミスが起きやすく、事故や品質低下を招きやすくなっています。

スマートグラスでの翻訳なら、リアルタイムで正確な指示を伝えられるため、作業効率が大幅に向上します。危険箇所の周知徹底やマニュアルのリアルタイム多言語表示など、従業員に「伝えるべきこと」をしっかりと伝えることが可能です。

例えば、監督者が出した日本語の指示を、複数の言語で表示できるスマートグラスもあります。日本語で話した内容が、相手の母国語へリアルタイムで翻訳され、音声で出力。中国語やベトナム語、英語など複数言語に変換されるため、多国籍チームの現場でも1度の指示で全員に内容を共有できます。ハンズフリー翻訳により、移動中・作業中でもコミュニケーションを止めません。

また、翻訳の字幕表示や日本語テキストの翻訳機能により、作業員が安全指示を視覚的に確認できるのもメリットです。特に、危険物を扱う現場や重機を使用する作業などの事故リスクを軽減。言語の壁を超えたコミュニケーションにより、安全性を確保できます。

観光・サービス業:目線を合わせる「おもてなし」を実現

観光・サービス業では、スマートグラス翻訳により顧客との目を合わせた自然なおもてなしを実現できます。

従来の翻訳機だと、機械越しに話す冷たい対応になりがちでした。互いに機械に向かって話す必要があったり、会話のたびに機械に視線を落としたりする必要があったりと、心理的な距離が生まれやすくサービスの質が低下しがち。観光業やサービス業のような人対人の業種では、サービスの質低下はブランドイメージの損失にまでつながる問題です。

スマートグラスであれば、ハンズフリーで会話が進み、顧客と目を合わせながら自然な会話が可能。例えば、レストランでは外国人の注文をリアルタイム翻訳で聞き、メニュー説明やアレルギー確認をスムーズにこなせます。観光ガイド業務では、歴史スポットの解説や周辺ルート提案を現地で即座に多言語化し、訪日客の理解を深めます。

こうした活用で人対人の温かみを保ちつつ、正確なコミュニケーションが可能です。顧客満足度の向上や、外国人に対応できる人員の増加につながると期待されます。

ビジネス活用でチェックすべき「4つの性能基準」

スマートグラス 翻訳 選ぶ基準

建設業や製造業、観光業などで活躍するスマートグラスですが、実際に導入するうえでは「現場にマッチした」製品か否かを見定める必要があります。なんとなくの導入では現場に合わず、結局使われないことも考えられます。

ビジネス活用でチェックすべき4つの基準を紹介するので、自社での活用方法と照らし合わせて、押さえておくべきポイントを把握しましょう。

業界用語・専門用語の翻訳

ビジネスの場でスマートグラスを活用するには、翻訳の精度だけでなく、業界特有の言葉や専門用語なども問題なく翻訳できるか確認しましょう。

一般翻訳エンジンは、日常会話中心の学習のため、現場特有の言葉に対応できず、致命的な誤解を招くリスクがあります。例えば、製造業の「遊び」(隙間・余裕)を「Play(遊ぶ)」と誤訳してしまうと、調整指示の意味を損なうかもしれません。

こうしたリスクを避けるには、クラウド連携で社内マニュアルや独自用語集をリアルタイムに参照し、自社辞書を適用して正確な訳を生成する機能が必要です。製品によっては、会話中に専門用語など難しい言葉を検知したら、AIが即座に意味を調べて補足してくれるような機能もあります。

製品選定時には、こうした自動補足やカスタム辞書対応の有無を確認しましょう。翻訳精度が日常レベルを超え、現場特有のニュアンスまで捉えてくれるものが適しています。

騒音環境下でも使えるノイズキャンセリング

工場や現場作業、高速道路の高架下点検など、騒音環境下でも使える性能かチェックしましょう。

騒音環境下での使用を想定している場合は、スピーカーや、イヤホン側のノイズキャンセリングで周囲の騒音を低減できるかだけでなく、マイク側の騒音対策が十分かの確認が必要です。ノイズキャンセリング対応のマイクであれば、騒音環境下でも話者の言葉を正確に捉えてくれ、聞き漏らすことなく翻訳してくれます。

また、工場や建設現場の騒音下でも、通話や音声による指示、音声入力なども可能になるため、現場作業の手を止めることなく業務を遂行できるのもメリットです。どのような環境でも、スムーズにコミュニケーションを図れます。

長時間使用に耐えられるバッテリー性能

スマートグラスは、マイクで音声を収音したり、無線通信やディスプレイ表示を行ったりと、常に電力を消費しやすいデバイスのため「一日中稼働する」バッテリー性能かの確認が必要です。

多くの産業用スマートグラスの連続使用時間は、おおよそ5~8時間です。丸一日作業で使ったり、交代勤務で使い回したりするには心許ない時間なので、バッテリーを交換できるものを選ぶのがおすすめ。バッテリー交換できるものなら、予備のバッテリーを複数用意しておけば、充電切れの心配なく運用できます。

バッテリーのサイズも手のひらに乗る程度の小さく軽量なものので、作業員が携行しても邪魔になりにくく、橋梁の点検や高所作業などでも予備電源を持ち込んで切れ目なく運用できます。

特にホットスワップ機能という、電源を入れながらバッテリー交換できるタイプのものであれば、作業を中断することなくバッテリー交換が可能です。

社外秘の情報を漏らさないセキュリティ対策

企業の機密情報を守るため、翻訳データを含むすべての情報処理において堅牢なセキュリティ対策が施されたものを選びましょう。

クラウド翻訳を利用する際は、通信や保存データの暗号化、アクセス権限の厳格な設定を確認してください。通信には不正アクセスのリスクが必ずつきまとい、スマートグラスの場合、インターネット経由だけでなく、Wi-FiやBluetoothなどを経由した不正アクセスも考えられます。

そもそも、機密データや個人データをなるべく収集・保存しないように設定することも大切です。遠隔操作やローカルでのデータ削除機能に加えて、紛失・盗難の際には自動でデータを消去できる機能があると安心です。

また、スマートグラスを悪用するケースへの対処も必要となります。スマートグラスはハンズフリーで映像・音声を残せるため、悪意のある内部関係者が、容易に機密データを取得することが可能です。機密情報を扱う部門では使用を禁止したり、うっかり漏洩しないよう社員のセキュリティ意識を高める教育を実施したりと、情報漏洩リスクに備えることも大切です。

まとめ

スマートグラス翻訳は、スマホやタブレットでの翻訳と異なり視線を落とさずに、リアルタイムに迅速な意思疎通を図れるのが最大の利点です。相手の目を見たまま対話できるため、信頼関係を構築しやすくなります。

また、ハンズフリーで翻訳が可能にあるため、工場や建設現場など危険が伴う場所でも安全性を確保しながら会話できます。外国人労働者が増加する建設・製造業や、インバウンド対応に迫られる観光業・サービス業などで特に有効です。

導入の際は、業界用語への対応やマイクのノイズキャンセリング、バッテリー性能、セキュリティ対策などを吟味し、現場環境に最適な一台を選びましょう。リベロエンジニアでは、スマートグラスのアプリ開発を行っています。LIXILの工場・倉庫への導入事例もあり、現場DXを成功に導く支援を行っております。

翻訳で生じる非効率さや人員不足などに悩まれる方は、ぜひ気軽にご相談ください。

この記事の監修者

株式会社リベロエンジニア
代表取締役(CEO):金子 周平

元エンジニアとして「エンジニアをもっと自由に。」を掲げ、エンジニアが自由かつ公平に働ける環境を目指し2014年に創業。

高還元SESのリードカンパニーとしてIT派遣の新たなスタンダードを作る。現在はデジタルイノベーション企業として、スマートグラスのアプリ開発をはじめ、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の支援に注力している。

この記事を書いた人

リベロエンジニアの「今」を届けるストーリーテラー。サイト運営から取材、執筆までをワンストップで手掛ける。 単なる情報発信にとどまらず、エンジニア一人ひとりの背景にある物語を丁寧に紡ぎ、サービスの魅力と「リベロらしい働き方」を世に広めるべく奔走中

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