「このプロジェクトは一生忘れない」。Libero Sightのインフラ担当を振り返って
2025.10.27
リベロエンジニアが開発したプロダクト「Libero Sight(リベロサイト)」は、スマートグラスを活用して倉庫DXを実現するためのソリューションです。倉庫現場の業務を効率化し、作業の標準化や省人化を支える重要なプロジェクトとして開発を進めてきました。
そんなLibero Sightはリベロエンジニアでのチームで取り組んだプロジェクトです。今回は、その開発チームの中でインフラ領域を担当した田中雄太さんに、設計から構築、運用を支える舞台裏についてお話を伺いました。
\リベロエンジニアが開発した倉庫DXソリューション!/
インフラを“ひとりで”担うという役割
(田中 雄太さんプロフィール/新卒でメガネ量販店の販売職を経験後、SES企業で運用監視を担当。その後、AWSを中心にインフラ構築を約3年担当。2024年1月より現職。物流系システムの要件定義〜設計ドキュメント作成を担う。趣味は『大乱闘スマッシュブラザーズ』)
――Libero Sightでは、どのような役割を担当されていますか?
田中:インフラ領域を担当しました。今回はAWS上にアプリケーションが安定稼働する土台を整えることがミッションで、VPC(仮想プライベートクラウド)などのネットワーク設計から、必要なリソースの用意、監視やログの基盤づくりまで、担いました。いわば「サービスが走るための道路と信号」を整える役回りですね。
――今回の開発で苦労した点を教えてください。
田中:設計から実装・検証までをひとりで担当したことです。構成の妥当性を自分で判断し、エラーが出たら原因を切り分けて一つずつ潰していく必要があります。経験が薄い領域では調査に時間を要する場面もありました。また、アプリ側の前提や仕様を的確に理解するまでに、最初は少し時間がかかりましたね。
アプリチームとの連携と裏側の工夫

――アプリ側との連携はどのように進めていますか。
田中: アプリは同じLibero Sightのチームメイトであるエンジニアの菊池さんとともに進めました。疑問点はラフにチャットで相談できる関係なので、コミュニケーション面の不安はありませんでしたし、いろいろ教えていただくことも多かったです。チーム内では要件の背景や意図まで共有してもらえるので、インフラ側の設計判断がしやすく、結果としてトラブルの芽を早めに摘むことにつながりました。
――インフラをひとり体制で進める中で、意識したことは何ですか?
田中:「後から見返しても迷わない」ことです。構成理由やパラメータの意味をドキュメントに落とし、命名や権限設計もルールを決めて愚直に守る。インフラは“見えない品質”がボトルネックになりやすいので、将来の変更や運用を前提に、ログの取り回しや監視の閾値設定も早めに設計へ組み込むようにしています。
プレッシャーを感じながらも楽しく取り組めました
――Libero Sightの技術的な見どころや意識して取り組んだ部分はありますか?
田中:可用性と変更容易性のバランスを重視しました。初期段階では安全に動作する最小構成を確実に整え、監視・ログ・権限といった運用基盤も並行して整備しています。さらにフルマネージドサービスを積極的に活用し、運用負荷を抑えながらスケールしやすい構成にもしています。これにより、安定稼働を維持しつつ将来的な拡張や変更にも柔軟に対応できるシステム基盤を実現できたと考えています。
――汎用性のあるサービスを作るにあたり、プレッシャーはありませんでしたか。
田中: 正直、ひとりでエラー対応を続けている時間は大変でした。ただ、チームとの連携が密で、「ここはこういう意図で変えたい」といった会話をすぐに回せる環境だったので、プレッシャーは必要以上に感じずに済みました。楽しくやれているというのが本音です。
個人的にも“代表作”となる制作になりました
――今回のプロジェクトを、エンジニアとしてどう捉えていますか。
田中: 自分にとって代表作と言えるほど、これまでのキャリアで大きな実績になりました。以前は銀行系など大規模システムの一部機能やCI/CDの構築には携わってきましたが、「サービス全体を支えるインフラを一気通貫で任される」という経験は初めてでした。迷ったら原点に戻り、一つずつ検証して前に進む——その積み重ねがサービスの土台になる。エンジニアとして大きな学びでした。
――最後に、Libero Sight開発を通じて感じたことを教えてください。
田中: インフラは“見えにくい”ですが、ユーザー体験の静かな支えです。止まらず、速く、安全に。アプリ側の意図を理解し、将来の変更にも耐えられる設計を続けていきたい。リリース後も、チームで運用体制を整えながら、サービスの成長に合わせて土台を育てていければと思います。
\リベロエンジニアは採用を強化中!/