エンジニア採用が難しい理由は?採用に苦戦する企業の課題と解決策
2022.06.09
エンジニア採用が難しい理由は?採用に苦戦する企業の課題と解決策
ITが生活や社会のインフラとなり、IT市場が拡大を続ける一方で、多くの企業にとって切迫した問題となっているのがエンジニアの確保です。なぜエンジニアの採用は、これほどまでに難しくなっているのでしょうか。
ここでは、エンジニア採用に苦戦している企業が認識しておくべき変化のポイントと、採用にあたっての課題のほか、採用率を高めるための解決策について解説します。
エンジニア採用が難しい3つの理由
エンジニア採用がなぜ難しいのか、ここでは代表的な3つの理由を挙げてご説明します。
エンジニアの人数が足りない
現在の日本では、そもそもエンジニアの絶対数が不足しています。
有効求職者数(人)に対する有効求人数(件)の割合を示すデータに、「有効求人倍率」があります。厚生労働省の「一般職業紹介状況(令和4年3月分及び令和3年度分)」によると、2022年3月の有効求人倍率(季節調整値)は1.22倍。中でもITエンジニア(情報処理・通信技術者)の求人数は、前年同月比で16.9%も増加しています。
また、長引くコロナ禍の影響で、企業は採用コストや採用ターゲットの見直しを迫られています。そんな中、エンジニアに対しては、「未経験者を育てるより、即戦力となる経験者を採用しよう」という動きが顕著になっているのです。
こうしたことから、特にキャリアを有するエンジニアの争奪戦が、激しさを増していると考えられます。
働き方の多様化
国による働き方改革の推進や、働く側の価値観の多様化に伴い、エンジニアの働き方にも変化が現れました。
現在では、正社員のみがエンジニアの主流の働き方とはいえなくなっています。派遣やフリーランスとして活躍するという選択肢も用意されているのです。「自由に興味のあるプロジェクトに参加できる」「ライフスタイルに合わせた働き方ができる」といった点に魅力を感じ、派遣やフリーランスを選ぶエンジニアも少なくありません。
また、近年では副業を認める企業も増えており、企業に勤務しながら副業でアプリなどの開発に関わるエンジニアも多く見られます。こうした働き方の多様化が、転職市場のエンジニア減少にも影響を与えていると推測されるのです。
採用チャネルの多様化
採用チャネルも多様化しており、転職サイトや求人メディア、人材紹介会社(転職エージェント)だけが主流とはいえなくなっています。例えば、自社の社員から友人や知人を紹介してもらうリファラル採用、企業が求職者に直接アプローチするダイレクトリクルーティング、専用の採用サイトなどを運営して行うオウンドメディアリクルーティング、FacebookやTwitterを利用したSNS採用など、さまざまな採用手法が登場し、活用されているのです。
こうした採用チャネルの多様化と複雑化も、優秀なエンジニアの確保を難しいものにしています。
エンジニア採用で苦戦する企業の課題と原因
エンジニアの採用で苦戦している企業は、どのような課題を抱えているのでしょうか。企業の課題と原因がどこにあるのかを、掘り下げて考えてみましょう。
思ったほど応募が来ない
募集をかけても応募が来ないというのは、エンジニア採用に慣れていない企業でよく見られる悩みです。これは、自社の採用基準や待遇・条件が、エンジニア側の希望や採用市況感とずれているため、最初からミスマッチが生じている可能性があります。
これは突き詰めれば、自社が欲しい人材(ターゲット)に対して、ターゲット側が求める魅力を提示できていないということです。収入をはじめとする待遇はもちろん、開発環境や開発技術、入社後のキャリアパス、プロダクトの魅力なども、転職を決める際の要因となります。また、リモートワークなど、柔軟なワークスタイルが用意されていることも魅力となるでしょう。
もちろん、エンジニアのニーズに合致した入社メリットを用意していても、そのメリットをしっかりとターゲットに訴求できていなければ、結果は変わりません。ターゲットのニーズを正しく見極め、最も効果的な訴求方法を考える必要があります。
選考通過率が低い
せっかくエンジニアから応募があっても、書類選考を通過する人数が少なく、面接できる相手が限られてしまうという悩みを耳にすることがあります。そうした、選考通過率の低さで悩む企業は、履歴書や職務経歴書、レジュメのみで自動的にフィルタリングをしているケースが多く見られます。
エンジニアには専門スキルを求める企業が多いので、これは致し方ない部分もあります。使用言語の種類や経験年数など、譲れない条件もあるでしょう。しかし、実際に面接をしてみると、戦力になりうる人材であることがわかる場合も少なくありません。
転職エージェントなどを通した場合、そうした「書類だけではわからない情報」も得ることができます。ところが、転職サイトや求人メディア経由の応募では、そんな人材も弾いてしまいがちです。
また、書類選考に通ったとしても、数度の面接をしている途中で離脱されてしまう場合があります。これは、選考過程の期間が長すぎて、途中でほかの企業に採用されてしまうことが考えられます。
内定辞退が多い
内定を出したのに辞退者が多いという場合は、選考途中で応募者に対する動機付けが不足している可能性があります。面接は、一方的に企業が採用する人材を選ぶ場ではなく、応募する側が企業を選ぶ場でもあります。面接で、応募者一人ひとりにマッチした動機付けができていないと、内定辞退率も上がってしまうでしょう。
また、内定を出した後のフォローアップが不足しているケースもよく見られます。優秀なエンジニアであるほど、複数の企業から内定を得ていてもおかしくないと考えるべきです。むしろ、内定を出した時点から、応募者は企業を選ぶフェーズに入ります。企業側は、内定者と十分なコミュニケーションをとり、入社への動機付けを確固としたものにする必要があります。
エンジニア採用を成功させる3つのポイント
エンジニア採用を成功させるためには、具体的にどのような施策が有効なのでしょうか。続いては、目的別に3つのポイントをご紹介します。
1 応募者獲得のポイント
応募者を獲得するために必要なのは、ターゲットの明確化と、そのターゲットの要望や志向の把握です。自社が採用したいのはどんなエンジニアなのかをはっきりとさせ、そのエンジニアが企業に何を求めていて、どんな働き方やキャリアパスを望んでいるのかを、しっかりとつかむことが不可欠です。
具体的には、ヒアリングなどを通して、実際にエンジニアがどのようなニーズを持っているのかを探る作業が有効です。自社のエンジニアの意見も、大いに参考になります。
また、マーケティングでよく行われる、ペルソナの設定も効果的。理想のターゲット像を掘り下げて細部まで検証し、そのペルソナにどのような条件提示が刺さるのかを考えます。
自社とターゲットの接点を探り、マッチングポイントが見つかったなら、求人広告などでのアピールにつなげていきます。他社がどのような求人を出しているのかも研究して、訴求方法や表現のトレンド、どんな条件が注目を集めているのかといった、採用市況感も得ておきましょう。
応募者を獲得するには、こうしたターゲットの設定、ニーズの把握、それに対して提示できる条件などの洗い出し、マッチングポイントと訴求方法の設計といった、一連の戦略は欠かすことができないのです。
2 選考通過率アップのポイント
選考通過率をアップさせるために、応募条件や書類選考の条件の中に、削除できる項目がないか確認してみてください。例えば、学歴や転職回数などに関する制限は、見直してもいいかもしれません。
また、募集年齢層の拡大も検討すべきです。基本的にエンジニアの採用にあたっては、ベストな応募者を探すだけではなく、ベターな応募者についても候補に入れて面接をしてみるべきです。
面接は、現在ではオンラインが増えています。通常の面接だとなかなか時間の調整が難しいような応募者も、オンラインであればタイミングを合わせやすいはずです。なるべく多くの手段を用いて、多くの応募者との接触機会を持ち、コミュニケーションをとります。応募者の都合を優先して面接の日時を決め、スピーディーに対応するなどの配慮も必要です。
選考通過率のアップは、単に多くの応募者を合格にするという意味ではありません。選択の幅をなるべく広くし、たくさんの応募者と話をして、その中から自社と合う人を見つけ出せるようにするということです。そのための体制を整えましょう。
3 内定辞退者防止のポイント
面接で内定を出すと決めた相手に対しては、一人ひとりの入社への動機付けのために、時間を使うことも重要です。
内定辞退を防止するには、応募者が「この会社に入って仕事をしたい」と思ってくれるような動機を与えられるかどうかがカギとなります。「自分の力を十分に発揮できる環境が整っている」「スキルアップやキャリアアップの道が開ける」「成果に見合った正当な報酬が用意されている」など、応募者の重視するポイントはそれぞれ異なります。面接を通じて、One to Oneの対応をすることが求められます。
また、内定者に対するフォローについても、十分な準備をしましょう。内定者フォローには、「適切な頻度でコンタクトをとる」「事業内容などに関するパンフレット・資料を送る」「オンラインを含む定期的な面談を行う」「現場社員とのコミュニケーションの機会を設ける」といった方法があります。
自社との距離を縮めるためにはどのような方法が考えられるのか、あらかじめプランを用意しておいてください。
エンジニアの採用には、派遣の活用も検討しよう
エンジニアの採用は年々難度が上がっており、多くの企業が有効な対策を模索しています。また、エンジニアの採用コストも増加傾向にあります。そんな中、優秀なエンジニアを確保するには、正社員採用だけにこだわるのではなく、エンジニアの多様な働き方に企業側も対応していく必要があるのです。
また、エンジニア採用が難航しているときは、正社員の採用だけではなく、派遣エンジニアの活用も選択肢に入れるといいでしょう。実力派の派遣エンジニアが多く所属する外部パートナーと連携すれば、自社の人材構成に柔軟性を持たせることが可能となります。
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