2023年6月21日、筆者は台湾にいる従兄弟からLINEを受け取った。仲はいいけれど特に普段からLINEをする感じではなかったので現在台湾に住んでいる母に関することなのではないかと、普段は放置(!)するLINEをすぐに開いた。
次の瞬間、私は大声で叫んでいた。まじで。
パートナーがびっくりして何事かとトイレから走ってきたくらいだ。
スーパーマリオRPGのリメイク版の発売が発表されたことを知らせるLINEに歓喜のあまりしばらく英語が口から出てこなくなった。パートナー(英語話者)は益々混乱するばかりだった。
あの神ゲーが…筆者の人生においておそらくベスト3に確実に入るゲーム、スーパーマリオRPGがついに…実に27年の時を経て帰ってくる!!!!
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スーパーマリオRPGのリメイクが新作並みに話題になっている理由
その日のNintendo Directではマリオシリーズの新作である『スーパーマリオブラザーズ ワンダー』の発表もありました。それにピーチ姫が主役の完全新作が制作中であることやルイージマンション2のリメイクなども発表されたのですが、これらの新作に全く引けを取らないほどの注目を集めています。
実際にYouTubeでの『スーパーマリオブラザーズ ワンダー』の再生数が約197万に対し、『スーパーマリオRPG』は約184万再生となっている。
何故27年も前のゲームがこんなにも注目を集めているかといえば、一言で言ってしまえば神ゲーだからだ。
動画の始まりの演出がニクい!
原作のピーチ姫のオープニングから画面の枠を大きく飛び出す光…そして滑らかな3Dとなったピーチ姫!
デフォルメで顔がでかいな…とちょっと笑ってしまったのは内緒です。
そしてこのゲームが神ゲーと言ってしまえるほどに面白い名作にも関わらず、その制作の経緯から簡単にリメイクや移植がされなかったがために、まさか生きている内にリメイクを拝めるとは!とファンは歓喜しているのです。
スーパーマリオRPGをメイクするのに27年かかった理由
では実際にスーパーマリオRPGが制作された背景やその特殊さ、神ゲーっぷりについて語っていきたいと思います。
※スーパーマリオRPG大好き筆者の個人的感情が時々入り混じるのはご容赦頂きたい…
マリオがRPG?!話題性が半端なかった
スーパーマリオRPGは1996年に任天堂とスクウェア(現在のスクウェア・エニックス)が共同制作したスーパーファミコンのソフトだ。
今では様々なタイプのマリオゲームがあるけれど当時はマリオといえば横スクロールのアクションゲームがメインで、マリオゴルフなどもありはしたけれどマリオがRPGになるなんて誰も考えてもいなかったと思うし、それをファイナルファンタジーのスクウェアが…とそのコンセプト自体がもうとてつもない衝撃だった。
そしてその衝撃と期待を裏切らない最高のゲームとなりました。
1994年1月「海外でも通用する優れたRPGを作りたい」という意向から、世界的なキャラクターを持つ任天堂とRPGのノウハウを持つスクウェアの共同制作が始まった。
Wikipedia
という意向も見事に達成されていて、
2015年に海外ゲームサイトのGameFAQsで行われた歴代名作ゲーム投票でベスト4に選出される等、発売から20年以上経った現在も、国内外で高い評価を得ている。
Wikipedia
のである。
共同制作による弊害、リメイクの難しさ
しかしながらその共同制作という形が、リメイク、移植を望む多くの期待の声に応えることを難しくさせました。
後程詳しく触れていきたいと思いますが、共同制作によって生まれたスーパーマリオRPGは任天堂でおなじみのマリオたちに加え、多数の魅力的なオリジナルキャラクターが多く、そのキャラクター達の著作権はスクウェアが持っていました。
当時結びつきの強かった任天堂とスクウェアは残念ながらちょっとバチバチの不仲な時期に入ってしまうため、より実現が難しくなっていきました。
両社が相容れない時期があった…
実際のことは私たちには知る由もないわけですが、1990年代後半に任天堂がスクウェアとの取引を一切行わなかった時期がありました。
当時はかなり有名でしたが、今の若い人は知らない人も多いと思います。
ファミコン~スーパーファミコン時代は『ロマンシングサ・ガ』『聖剣伝説2』『クロノトリガー』などなど数々の名作が生まれ、両社はむしろ密接な関係だったにも関わらず、です。
決別当時は、任天堂が完全にゲーム業界を牛耳っていながらもビジネスモデルにほころびが出始めて、開発会社からの怨嗟も上がり始めていた。また、PSをはじめとした次世代ゲーム機との比較で任天堂プラットフォームを揶揄する声もあったのは事実。
note 和田洋一
スクウェアも批判側の一社だったが、他社も程度の差はあれ同様だったため、任天堂の悪口を言ったために取引禁止になったというのは理屈に合わない。
~中略~
あくまで、取引再開のための整理として私が理解した内容なので、「事実」とはズレているかもしれない。
というように色んな事が絡み合っていたんでしょうね…。
和田洋一
Wikipedia
2000年4月、株式会社スクウェア入社。同年6月取締役兼CFO、2001年8月代表取締役COO、同年12月代表取締役社長兼CEOに就任。
株式会社スクウェアと株式会社エニックスの合併に伴い、2003年4月から株式会社スクウェア・エニックスの代表取締役社長に就任。2008年10月よりスクウェア・エニックス・ホールディングスへの体制変更に伴い、同社代表取締役社長に就任。2013年3月期の業績が最終益130億円の赤字となった責任を取り、2013年6月に辞任。その後事業会社のスクウェア・エニックスの取締役会長を2015年6月まで務めた。
そこの詳しいところは憶測も含んでしまいますので割愛しますが、晴れて、その長きに渡って繰り広げられていた確執も、和解へと進み、2003年ゲームキューブから『ファイナルファンタジークリスタルクロニクル』が発売されるに至ったというわけです。
当時の関係者・クリエイターがもういない?
それでも今回のリメイクまでに20年がかかっていて、その間にWii、WiiUでバーチャルコンソールとして、ニンテンドークラシックミニスーパーファミコンに内蔵されたのみでした。
これは完全に推測にはなりますが、当時のクリエイターが任天堂にはもういなかったからかなとも思いました。
筆者が愛してやまない『moon』を作ったラブデリックというゲーム会社はまさにこのスーパーマリオRPGの制作メンバーが母体になっています。
愛しきレトロゲーム!影響を受けた忘れられない個人的神ゲー3選!
またアルファドリームというゲーム会社もまたスーパーマリオRPGの制作メンバーにより設立されており、『マリオ&ルイージRPG』(大好き!)やゲーム好きの間では名作と名前が上がる『トマトアドベンチャー』なども生み出しています。
どちらも今はなくなってしまった会社ですが、スーパーマリオRPGに関わった人たちはそれぞれ独立していった人が多かった印象です。
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スーパーマリオRPGが好き過ぎる理由とリメイクへの期待
シンプルながらマリオらしさがふんだんに盛り込まれた愛嬌のあるストーリーとアクション性
もうタイトル通りなのですが、従来からのアクションゲームとしてのマリオの個性を失わないままにしっかりとRPGとして落とし込んでいるのが最高です。
作品全体を通してコミカルさのあり、重くなりすぎずに楽しめる世界観が老若男女問わずに愛されるのではないかなと思いますし、随所にちりばめられているメタ的要素が、それまでのマリオシリーズを遊んできたファンにとっての周知の事実だったりするのでニヤリとしてしまいつつもいやらしくない程度に絶妙なバランスで盛り込まれています。
モブのキノコ女子が「マリオ~ジャンプしてー!」と言ったり、あるキャラクターの能力で思考を読んだりすると制作の裏話を聞けたり、現実世界の話題があったり、またお金ないのにスイートに泊まったりするとバイトさせられたりとちょっとセンスが尖る小ネタなどもあって面白いです。
当時の流行りなどに準ずるものもあったのでそのあたりがリメイクでどうなるのか気になるところですね。
バトルに関してもRPGのいわゆるシンプルで解りやすいターン制のコマンドバトルでありながらアクションコマンドというシステムを取り入れることで、マリオらしいアクションを楽しめるし、それがキャラクターごとに個性があって、アニメーションも可愛くて繰り返し単調になりがちなバトル楽しいものにしています。
個性爆発で魅力なキャラクター達
ストーリーもさることながら登場するキャラクター達が、敵キャラ含め、子供の頃にプレイして以来忘れられないくらい皆個性的で魅力的です。
主要キャラとしてマリオたちに加わるマロやジーノなどのオリジナルキャラクターも勿論なのですが、それ以上に、これまでそこまでキャラクター自身が喋ることのなかったマリオシリーズにおいて、おなじみのクッパやピーチ姫、キノピオなどの性格、口調などを決定づけたのはこの作品なんですよね。
この作品のせいで筆者はクッパが大好きです。
どこか天然ぽさもあり、実は手下想いの憎めないクッパのキャラクターが出来上がったのはこの作品からですし、この頃からピーチ姫は強い…
全部全部いいとこしかない!
そしてミニゲームの作り込みも素晴らしいし、音楽もいまだにサントラを聴くくらいに最高に好きですし、マップも広くて、雲の上のワールドだったり、海の中のワールドだったり、色んな世界観を楽しめます。
未プレイの人には是非ともやって欲しい!と熱弁したくなる神ゲーです。
リメイクへの期待
リメイクに関しては完全に3Dになったのでとても滑らかで美しいグラフィックになりましたね。個人的にはピクセルアート好きなので、原作のあのどこかおもちゃ箱の中のようなノスタルジックな(当時としては最新技術)風合いも失わないでいてほしかった気持ちがありますが、それは仕方ないですね。
あとは原作大好きなのでそのままグラフォックやシステムのアップグレードだけでもいいと思うのですが、隠しワールドが増えたりしたら嬉しいななんて思ったりもしています。
任天堂愛溢れる小ネタ
先に書いたメタ的要素にも通ずるのですが、ベッドに『メトロイド』の「サムス」が寝ていたり、おもちゃ箱に「ディスくん」がいたりします。
やっぱり「クリボー」とか、もともといるやつはすごくラインとか、あと「靴の裏の色が違う」とか「そこまで細かく言うか」みたいなチェックはありましたけど。オリジナルで突っ込んでくるものに関しては、そんなにお咎めなかったですね。
ログミーBiz
あと任天堂キャラとかも、その当時は『スターフォックス』の「アーウィン」を道具屋のカウンターに置いたりとか、『メトロイド』の「サムス」をベッドに寝かせたりとかっていうのも、怒られるかな? と思ったけど意外とスルーでした。
倉島和幸
Wikipedia
株式会社スクウェア、ラブデリック、有限会社バンプールに在籍した後、現在は株式会社Onion Games所属アートディレクター。
スーパーマリオRPG:モンスターデザイン、キャラクター監修
これもリメイクでグラフォックが鮮明になったことでより楽しめる部分かもしれませんね!
紆余曲折がありこうしてリメイクが決まったこと、本当に嬉しいです。
プレイしたことのない新しい世代の人達も、そしてリメイクに歓喜しているファンも、どちらも楽しめる作品になっていることを祈って…発売の2023年11月を待つことにします。
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