「おーいお茶」のCMに「AIタレント」が登場。
「おーいお茶」のCMに「AIタレント」伊藤園に今後もAIタレントを起用するのか聞いてみた
これが話題になったのは、つい先日の出来事です。
ChatGPT、Midjourney 他、直近で話題になっていた OpenAI が開発した DALL-E3 も含め、気軽に使える画像生成 AI ツールの話題を見ない日はありません。
当メディアでも、以前から各種画像生成 AI ツール関連の記事を書いてきました。
コピペだけで出来ちゃう!?ChatGPTを使ってウェブサイト作ってみた
AI画像生成サービス「Midjourney」で遊んでみたら少し怖くなってきた
セーラー服おじさんはAIにやたら詳しいなんか凄いエンジニアだった!
そんな中、今後ビジネスにおける画像生成 AI の真価とは何か?と考えてみると、それは
・中小・ベンチャー企業にとってネックであった予算・工数を最小限にクリエイティブを強化できること
・それでいて、クオリティ・スピードを担保した上でビジネス活用できること
にあると弊社は考えています。
そこで、弊社がファーストペンギンとなり、画像生成 AI ツールのビジネス活用の実証実験を行いました!
ことの始まりはあるプロジェクトの発足。
その名も SEF(システム・エンジニアリング・フューチャー)へのミラクルチェンジプロジェクト。
どんなプロジェクトかというと…
会社員・フリーランス両方経験し、エンジニアの窮屈さを感じたリベロエンジニア代表金子が「エンジニアをもっと自由に。」を掲げて始めた高還元SES。
その終わりと次なるエンジニアの未来=SEF(システムエンジニアリング・フューチャー)へのミラクルチェンジを宣言するものです。
そしてこのプロジェクトに合わせて、代表金子のツイートをフォロー&リポストすることで Amazon ギフトカード1万円分を5名にプレゼントするキャンペーンを行っています。(キャンペーン期間:2023年10月31日18:00まで)
せっかくならばと、このプロジェクト&キャンペーンにあわせて
- AI で生成した画像をビジネス活用できるのか
- 思い通りのデザインを AI で作ることはできるのか
という、実証実験を行いました。
その中で実際に感じた問題点や画像生成 AI の活用方法について、デザイナーの観点も交えてまとめたので、今後活用を考える中小・ベンチャー企業の参考になるとうれしいです!
Midjourneyを使って希望のデザインを作る!
まずは通常の工程と変わらず、デザイナーの手によってデザインラフを作成しました。
ホバーボード的なものに乗って未来に向かって宇宙空間を進んでいく、というイメージのアートビジュアルです。
今回は実験もかねて、この人物の部分だけ AI で生成することにしました。
最終的な目的は、ベースとなるポーズ、顔、年代を指定をし、髪型や服装違いのバリエーションを生成することです。
続く失敗…
ベースとなるポーズ、顔、年齢を指定。
イメージに近い髪型や服装のバリエーションを生成するために、ひたすら Midjourney に細かな指定をしていきました。
しかし、ちょっとした部分でなかなかうまくいきません。
例えば…
- 何度やっても、なぜかパンツが白になってしまう
- 写真のようなリアルなタッチにしたくても、イラストになってしまう
- 日本人をイメージしても、日本人以外のアジア系の顔になってしまう
- 顔の向きや視線、表情の指定が難しい
あと少し…!というところで、さらにプロンプトを増やしてみたり、戻してみたりと生成を繰り返しても、逆に望むイメージから遠ざかってしまう…。
なかなかしっくりくるものを生成する難易度が非常に高い印象を受けました。
全く同じ指示を出してもさまざまな結果が出るのは画像生成 AI の良いところであり、また、難点でもあったのです。
様々なアプローチで生成を試みる
挑戦その1:
イメージするポーズに近い生成画像 × イメージする服装のフリー素材の画像で画像生成
結果:△
- 服装の希望は叶う
- ポーズも近いが顔がフリー素材の人物に寄りすぎてしまいあえなく失敗
AI での作業量に加えてフリー素材探しも行うことになり、結局フリー素材画像を使う方がいいのではないか?という本末転倒な結論に。
挑戦その2:
生成画像の中から希望に近いものを複数選んで合成。
バリエーション生成機能を利用し、服装などのバリエーションを生成。
結果:△
そもそも、希望に近い生成画像を作るのに時間がかかった上に、バリエーション生成に関しては現状プロンプトは指定できないので、ガチャ要素が強くなってしまい、さらに作業工数が増える可能性が高いと感じた。
…というわけで、画像生成 AI でデザインに合わせた人物を生成するミッションは失敗に終わりました。
Midjourney × 画像生成 HUMAN、合わせ技を試みる
このタイミングで、私たちは急遽デザイナー(I氏)に助けを求めました。
当初、画像生成 AI で SEF(システム・エンジニアリング・フューチャー)プロジェクト&キャンペーンのキービジュアルを作り切ろうと考えていたのですが、全てを思い通りに作ろうとするとやはり生成画像に人間の手を加える必要がある。
そう考えたからです。
ここからは、デザイナー(I氏)の生のコメントをお届けします。
新参者デザイナーが記事に紛れ込み、制作秘話をお届けッ!
こんにちは!デザイナーの I です!
ここから今回の試行錯誤の軌跡を僕自身の実体験を元に書かせていただきました。
調整作業にかなりの作業工数がかかることが判明し、画像生成 AI でデザインに合わせた人物を生成するミッションは失敗に終わってしまったのですが……
そう、この物語には続きがあるのです。
これまでに学んだ AI ならではの特性・クリエイティビティを活かしながら共創していく作戦へ。プロジェクトは第二フェーズに入ります。
そうして試行錯誤を経て、完成した画像のひとつがこちらです!
今回の SEF(システム・エンジニアリング・フューチャー)プロジェクト&キャンペーンでは、エンジニアの次なるエンジニアの未来をイメージさせるべく「未来」そして「宇宙」をテーマにすることが決定。
そこで、私自身でそれを元にトーンやカラー、素材など脳内イメージやラフな要件を元にプロンプトを打ち込みまくりました。
そうして、数百にも及ぶ画像からセレクトした一部がこの子たち。
よっ、一軍!
次にレイアウトや SEF(システム・エンジニリング・フューチャー)の世界観などを考慮し、ここからいよいよヒューマン画像生成を開始。
切って、貼って、トーンを合わせて…
影を考慮して、描き込んで…
リベロエンジニアらしくユーモアは大切ということで、リベロエンジニア代表金子を Fusion。
(頭の中では、某人気アニメの融合シーンを浮かべながら…)
そうして出来上がったこちらが【画像生成 AI】×【画像生成 HUMAN (僕)】の愛の結晶です!
…ということで、今回の SEF(システム・エンジニアリング・フューチャー)プロジェクト&キャンペーンでは、リベロエンジニアならではのユーモア溢れる【画像生成 AI】×【画像生成 HUMAN (僕)】共作がさまざま登場しますのでぜひチェックしてみてください。
そうそう最後に3つ、言わせてほしいのです。
- 画像生成 AI に没頭すれば、1−2ヶ月でかなりコントロールできるようになる
- 画像生成 AI は、オリジナリティの高い素材を簡単に手に入れられる強い味方
- 一方、完全に思い通りの画像を作りたければ、やはり画像生成 HUMAN の力が要る
- プロンプトの打ち込みにより、英語力が上がった!
それでは、画像生成 HUMAN (僕) からは以上でした!
I氏ってもはやライター…?
と思うほど軽快な書きっぷりの貴重なデザイナーの生の声でした。
※僭越ながら今回、デザイナー様に筆者ろーくが Midjourney の使い方などをお伝えしつつ、ミッション第1弾の際には実際に画像生成を担わせて頂いておりました。しかし、軽々と越えていってしまったので今後は筆者が教えて貰いたいくらいですね。
希望通りの画像を作るにはマンパワーが必要
ここまでお読みいただいたように、デザインラフに沿った希望通りの画像を生成するにはAI 生成した素材を Photoshop で加工をしたりと、改めて手を加える必要があることなど、時間と工数がかかってしまうことがネックとなりました。
これでは、今後ビジネスにおける画像生成 AI の真価だと考える
- クリエイティブ作成に大きく工数や予算を割くことが難しい中小・ベンチャー企業の
- 画像生成 AI のビジネス活用
には、まだ大きな壁が立ちはだかります。
しかしデザイナーも書いているように、
- 画像生成 AI が生成した数多くの画像の中から使えるものをチョイス
- そこに寄せて人間がデザインを完成させる
という方法を取れば、さまざまなコストを大幅に削減しながら、画像生成 AI を活用することができます。
また Midjourney をはじめ、 Stable Diffusion や DALL-E3 の出現のように、私たちの想像をはるかに超える勢いで AI は進化を続けています。
今日できなかったことが明日にはできてしまう、と実際にそのようなことが起こり得ます。
取り組み次第では、私たちのようなベンチャー企業でも十分に画像生成 AI をビジネス活用できる手応えを感じましたので、リベロエンジニアでは、今後も AI を活用できるシーンを模索していきたいと考えています。
Midjourney で役に立った機能
今回、試行錯誤する中で、昨年にはなかった機能などが増えていて驚かされました。
その中で、これは使える!という機能があったのでいくつか簡単に紹介します。
Describe機能
2023年4月に追加された Describe という新機能があります。
手持ちの画像を Midjourney にアップロードすることで、その画像を表現するプロンプトを生成してくれる、という機能です。
ただ、それをそのまま利用してもそれっぽくなることもあれば、要素は確かに合っているけども!と、全く違う雰囲気の画像を生成してしまうこともあります。
まだまだこれからが楽しみだな、といった機能ですね。
Vary Region 機能
生成した画像が気に入っているけれど、服装だけ、髪型だけ変えたいな…というときに活用できるのが Vary Region 機能です。
変更したい部分だけを選択して、未選択の部分を残し、さまざまなバリエーションを作成してくれる便利な機能です。
服装のバリエーションを出すために、上下の衣服を範囲選択し、Vary(Region) ボタンを押すだけで、別バージョンを生成してくれます。
現状では Midjourney で生成した画像にのみ利用できるようです。
Blend 機能
ふたつの画像を混ぜ合わせることが出来るのがこの Blend 機能です。
どの要素をどこに取り入れるか、というのは AI 任せになるので、これもまた予想外な仕上がりで面白いことになったりします。
数か月前に出来なかったことができるようになったり、新機能がどんどん追加されたりと、 AI の可能性は無限大だなと感じます。
イラストなどの創作物に関して、著作権の問題なども取り上げられることも多く、色んな意味で注目度の高い画像生成 AI ですが、良い形でビジネスシーンに取り入れられていくといいなぁと願っています。
結論:時間・コストを抑えた思い通りの画像生成に AI は使える!
今回の SEF(システム・エンジニアリング・フューチャー)プロジェクト&キャンペーンのキービジュアル作成では画像生成 AI を使って試行錯誤を行い、失敗に終わってしまった部分もありました。
しかし、失敗は成功の基。この失敗を通して AI をうまく活用する方法を改めて考えることができました。
活用次第では今回の SEF プロジェクト&キャンペーンのように、ビジネスシーンに使用できるという確かな手応えを感じました!
リベロエンジニアでは、今後も AI を活用できるシーンをどんどん模索していきたいと考えています。
今回のこのプロジェクトにおいて、リベロエンジニア代表金子の言葉で印象に残っているものがあります。
画像生成 AI なんて一発。でもそれは手段。
じゃあ、これをどうビジネスに落とし込んでいくのか、だよ。
AI 生成された面白い画像や話題になるものは確かに溢れています。
そして、それを誰にでもできてしまう時代になりました。
言葉のみならず、こうして実際にビジネスシーンに落とし込んでいっている金子社長の柔軟でとてつもなくフッ軽1フットワーク軽いの意なバイタリティにいつも驚かされています。
それにしても AI とデザイナーによって生み出されたこの SEF キャンペーン画像…
顔でっかい!!!
エンジニア諸君!是非このミラクルチェンジキャンペーンに乗っかってください。
そして実際にこんなに顔がでかいのか、カジュアル面談で確かめに来てください。