疲れ目・眼疲労は現代病?
現代において欠かせない存在となったスマートフォン。
2022年(令和4年)の調査によればスマートフォンの世帯保有率は、なんと9割を超えました。
そして、それに比例するかのように眼疲労の患者も増えているようです。
「患者さん自身の原因にはどんなものがありますか?(上位3つ迄)」と質問したところ、『目の渇き(ドライアイ)(49.5%)』と回答した方が最も多く、次いで『長時間にわたる画面の注視(43.1%)』『照明環境(25.8%)』と続きました。
出典:PRTIMES
9割の眼科医が、眼疲労に悩む患者が年々増えていると回答しています。
疲れ目対策やデジタルデトックスにE-ink電子ペーパーの需要が上がっている?
疲れ目・眼疲労の対策として、スマホやパソコンのディスプレイを見る時間を減らす、という対策があります。
とはいえ、
- 仕事でパソコンを使うので減らしようがない
- 仕事中もプライベートでもスマホが手放せない
- リラックス方法も映画鑑賞やゲームなどディスプレイを見てしまう
というように、現代人は意識する以上にディスプレイを見ています。
では、長く見るものを少しでも目に優しくすればいいのではないか?
そういった意図もあってか、近年 E-ink 1electronic ink 、つまり電子インクの略称。また E ink は電子ペーパーを製作する会社の社名でもありますを用いた電子ペーパー端末が増えてきています。
E-ink 電子ペーパー端末って何だろうという人にとっては、Amazon の Kindle や 楽天Kobo などの電子書籍端末をイメージしてもらえばわかりやすいのではないでしょうか。
今回はそんな疲れ目対策となるE-ink電子ペーパー端末のご紹介です。
- E-ink 電子ペーパーって聞いたことあるけど、実際はどんな端末があるんだろう?
- なにが出来るんだろう?
- 本当に目に良いの?
- デジタルデトックスにもつながる?
という疑問に答えていきます。
E-ink電子ペーパー端末ってどんなものがある?
様々なものがありますが、ここではどんな種類があるのか、というご紹介なので細かな性能や機能面は割愛させて頂きます。
Kindleシリーズ
Amazon の提供する電子書籍サービス Kindle はスマートフォンでアプリを利用している人も多いのではないでしょうか。
その Kindle の電子書籍を読むことに特化した端末です。その名前もまた Kindle …ややこしいですね。
一応ブラウザもあり、インターネット閲覧が出来ますが、動作が軽快とは言えず実用性は低いです。
様々な種類が出ています。(機能は一部をご紹介)
モデル名 | 画面サイズ | 特徴 |
Kindle | 6インチ | コンパクトで軽量、手に取りやすい価格 |
Kindle Paperwhite | 6.8インチ | フラットベゼル、防水性能 |
Kindle Paperwhite シグニチャーエディション | 6.8インチ | Kindle Paperwhiteにワイヤレス充電機能追加 |
Kindle Oasis | 7インチ | フラットベゼル、防水性能、物理ボタン |
Kindle Scribe | 10.2インチ | フラットベゼル、手書き機能 |
楽天 Koboシリーズ
各書店や量販店にも置いてあることが多いので電子ペーパー端末と言えば Kobo を思い浮かべる人も多いかもしれません。
こちらも Kindle 同様電子書籍専用端末で、楽天 Kobo の書籍のみが閲覧できます。
様々な種類が出ています。(機能は一部をご紹介)
モデル名 | 画面サイズ | 特徴 |
Kobo nia | 6インチ | コンパクトで軽量、手に取りやすい価格 |
Kobo clara 2E | 6インチ | ナチュラルライト、防水性能 |
Kobo libra 2 | 7インチ | ナチュラルライト、防水性能、物理ボタン |
Kobo sage | 8インチ | ナチュラルライト、防水性能、物理ボタン、ペン対応 |
Kobo elipsa | 10.3インチ | 物理ボタン、ペン対応 |
BOOX シリーズ
電子書籍端末メーカーのOnyx International 社が提供している BOOX シリーズは、Android を搭載しています。
そのため、Kindle や Kobo 以外の dマガジンやマンガアプリなどをはじめ、電子書籍以外にも Android の Play ストアでダウンロードできるアプリであれば大体が使えるのです!
(アプリによっては快適に使えないものもあるようですが…)
カラーディスプレイを備えている機種などもあります。
ラインナップが豊富で、6インチのものから13.3インチの大画面のものもあれば、SDカードを挿入できるので容量アップできる端末もあります。
また BOOX Palma はスマートフォンの形状を取っており、タブレットはちょっと邪魔だなぁという人に最適ですね。
残念ながらSIMカードスロットを備えていないのでスマートフォンとは言えないのですが…
Hisense A9 / S9
E-ink電子ペーパーでスマートフォンはないのか? と思いましたか?
あります。
それが Hisense A9 と Hisense S9 です。
家電メーカーとして名前を知っている人も多いのではないでしょうか?
画像はS9。片面が液晶、片面がE-ink電子ペーパーという変わり種端末です。
日本語対応がない仕様なことと、古い機種なので Android のバージョンが古いので現在では実用に耐えないのではないかというのが残念な点ですね。
Light Phone
そしてこちらもE-ink電子ペーパースマートフォン!
ですが、デジタルデトックスしたい人やミニマリスト向けにかなり機能を制限しているスマートフォンです。
電話、ショートメッセージ、アラーム、音楽、地図、電卓、WiFiホットスポット、カレンダーといった機能のみに縛り、専用のOSを開発している力の入れようです。
ただ、デジタルデトックスしたいけれど最低限必要なものも欲しいのでガラケーでは困る…という人にとっては痒いところに手が届く作りになっています。
そのため人気があり、国際版は売り切れています。
E-ink 電子ペーパー端末でできること
前述の端末紹介にもあるように、その端末によってそれぞれ出来ることは違ってきます。
以前は Kindle や Kobo のようにあくまで電子書籍専用として機能を読書に絞ったものが主流でした。
しかし、現在は Android を搭載したモデルもあり、読書以外でも通常のスマートフォンのような利用も可能になっています。
またその紙に近い質感を生かして、手書きメモとして使える機能があるものもあります。
その他にも外部モニターとして使用することを想定したものも目にします。
E-ink の苦手なことと進化
E-ink 自体は90年代の後期から2000年の初期に登場し、20年以上の歴史を持っています。
E-ink 電子ペーパーの質感が好き、と熱心なファンもいる一方で、あまり多くの端末が市場に出ていないこともあり、現在でも知らない人は多いです。
それは E-ink の性質による部分が大きかったと言えます。
E-ink のディスプレイは動的な表示はまた動画どころかウェブサイトのスクロールなどですら苦手です。
そしてカラーの技術はありましたが彩度が低く、画像の表示なども得意ではありませんでした。
そのため、電子書籍専用端末くらいでしか私たちが目にすることはなかったのです。
しかし近年では技術も進歩し、解像度も上がりました。
カラー電子ペーパーは非常に彩度が低かったのですが、液晶に追いつきそうなくらいのキレイさを表現できるようになってきました。
本当に目にいいの?
人によっては、その紙のような質感がむしろ読みにくい、目が疲れそう…という声もあります。
では実際に E-ink 電子ペーパーは本当に目にいいのでしょうか?
結論から言えば、いいとは言えません。
というのも、視力の低下の可能性があるからです。
ただ、液晶を長時間見ることにより引き起こされる疲れ目や眼疲労には効果的と言えます。
E-ink 電子ペーパーは液晶などに使われているバックライトとは異なり、フロントライトを採用しています。
そのため、光が直接目に入らないので目に優しいと言えます。
画面自体が発光しないのは逆に言えば、暗い場所で見にくい、というデメリットもあります。
暗い部屋で本を読むと目が悪くなる、というのと同じで暗い場所で目を酷使すれば視力には影響が出てしまうでしょう。
デジタルデトックスに最適!
なにか調べものをしようとしてスマートフォンを手に持ったところ、通知があったので目を通した。
そしてそのまま気付けば随分と時間が経っていて、何を調べようとしてたのかすら思い出せない…
そんな経験はないでしょうか?
筆者はありました…それも結構頻繁に…
そのようなことがあったのでデジタルデトックスとまではいかないものの、少し SNS と距離を置こうとスマートフォンからは SNS 系のアプリを削除しました。
スマートフォンは魔境です。
便利過ぎますし、面白い情報が泉どころか大海の如く広がっています。
しかもタダで、結構有益な情報が、ごろごろと。
(実際には通信費とかかかってますが…)
依存物質がその画面から発せられているのではないかというくらいにスマートフォン(インターネット)に詰まっているものは魅惑的で離れがたいです。
スマートフォンの画面を白黒にするだけで人は意欲が減るという話は聞いたことあるでしょうか?
カラーもありますが、主にモノクロで、動画などのコンテンツを苦手とする E-ink 電子ペーパー端末は必要十分で、デジタルデトックスには最適だと言えます。
筆者はSNSを見つめる時間を減らしたところ、一日が随分長くなったように感じます。
疲れ目と一緒に情報疲れも癒してゆったり過ごしませんか?
目が休まると、人によっては肩こりが減ったり、頭痛が減ったりもします。
眼疲労を癒すとともに情報疲れからも距離を置いて、少し、人生をゆったりと過ごしてみませんか?
頭がすっきりしていいアイディアが浮かんだり、意外と作業効率が上がるかもしれません。